わたしとしては評価に困る   

alexander smelkov: the brothers karamazov
valery gergiev / mariinsky theatre @barbican hall


マリイインスキー劇場はオペラを音楽会形式で3日間。これだと大きな舞台装置を運ばなくてもいいから楽ちんよね。3日とも演目が違うんだけど、わたしは一番珍しそうなカラアマゾフの兄弟の回に行ってきました。イギリス初演。新しいオペラです。でも、今の時代、オペラはもう無理なのかなとも思ってる。音楽から口ずさめるようなメロディが消えて、「歌」が成り立たなくなってるし、オペラという形式が市民のものとなって採算が取れなくなってる今、オペラが書かれる意味があるのか、難しいところよね。オペラを過去のものとしないで今も生きていかせるためには新しい作品は絶対必要なんだけど。という思いが現代のオペラを聴くたびにしてるんです。しかしながら今日のオペラは過去につながることで表面上はその問題を回避してる。音楽はショスタコビッチ風。というか毒とアイロニーを抜いたショスタコビッチ。ときどき出てくるベートーヴェンの第9交響曲のテーマはこの劇と関係あるのかしら。字幕が読めなかったので(ここまで目が悪くなってるとは、悲しい)、劇の内容を理解できずにちょっと残念。
この音楽が20世紀の最初の4半期に書かれたものだったら納得できたでしょう。でも、これは今の作品。今ここにこうして書かれる意味はあるのでしょうか。オペラの延命措置と言うほかに。もちろん、今までになかった作品だし、書かれた時代なんて気にせずに楽しんじゃえっていう考え方もあるでしょう。でも、わたしはそうは思えない。もしもわたしたちが新しい音楽を生み出すことを今欲してるとすれば、今書かれるべき作品が必要だと思うし、それを聴きたい。新しいものを生み出すことに参加していたい。わたしは頭でっかちなのかな。どうしてもそんな考えを拭いきれずに満たされない気持ちで会場を後にしました。真っ白な気持ちでいれば楽しめたかもしれないのに。どういう風に音楽を聴くのがいいのか考えさせられちゃいました。
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by zerbinetta | 2009-02-01 08:35 | オペラ | Comments(0)

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