踊る指揮者クリヴィ   

bernstein: candide - suite for orchestra
shostakovich: violin concerto no.1
brahms: symphony no.4
midori (vn), kristjan jarvi / lso @barbican hall


期待に期待してたクリスチャン・ヤルヴィさんの2回目の音楽会です。今回は古典。最初のはバーンスタインのミュージカルだけど。最初から煽る煽る。キャンディードの序曲は超快速テンポでオーケストラが噛む寸前。続くオーケストラのための組曲はオペラからあまり知られていない曲を抜き出してハーマンさんが構成したもの。有名曲がないけど(ってわたしキャンディードってコロラトゥーラのアリアしか知らなかったりするんだけど)、なかなか楽しめる感じでした。ここまでは前回のクリスチャンさん、って呼ぶのはどうかしら。でもヤルヴィさんじゃパパやパーヴォさんと区別付かないし、そうだ、クリヴィと呼ぼう、パパはパパヴィ、長男のパーヴォさんはパーヴィ。ここまでは前回のクリヴィの音楽会の続き。ノリノリ路線。でも、次はうって変わってシリアスなショスタコヴィッチのヴァイオリン協奏曲。どうなるでしょう。ソロはミドリ。全身全霊でものすごい張り詰めた感じの演奏をする方なので、クリヴィのノリと合うのかどうか。なんて心配は杞憂でした。だって、クリヴィの音楽家としての器はわたしの想像なんかよりはるかに大きかったんですもの。ここでのクリヴィの表現はとても真摯。最初の淵から這い出てくるような黒々としたオーケストラから、ミドリのヴィブラートを抑えた鋼のようなヴァイオリン。モノトーンの冷たい張り詰めた空気が全体に広がります。ミドリのヴァイオリンはときに張り詰めすぎで聴くものに緊張を強いてしまうこともあるように思うのですが、この曲はそれがかえってステキに作用します。ミドリのソロをサポートしつつ、ショスタコヴィッチが書いた音楽を丹念にそしてタコ「らしく」表現しするクリヴィ。ものすごく深みのある名演。演奏後は大きな拍手に包まれました。クリヴィとタコって実は相性いいんじゃないかな。クリヴィのタコ、交響曲第8番とか第11番とか聴いてみたいと思いました。なかなか演奏されない曲だし、彼がロンドンで振る機会も多くないので難しいと思うんですけどね。CDでも出ないかな。
最後のブラームスの交響曲第4番。これって、クリヴィがどういう風に演るのか全く想像できない。古典だし。演奏は極めてまっとう。って変な表現ですね。実はわたしはちょっぴり面白い演奏を期待していたんですけど、きちんとした演奏だったのでした。いや、面白い演奏を期待する方がおかしいんですけどね。でも、クリヴィは踊ってましたよ。踊るように指揮するクリヴィの奏でるブラームスは停滞しない流れるようなブラームス。まだ枯れるには若すぎますものね。クリヴィのわたしもブラームスも。
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by zerbinetta | 2009-02-26 08:23 | ロンドン交響楽団 | Comments(0)

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