これは傑作です   

maazel: monaco fanfare, music for cello and orchestra
shostakovich: symphony no.5
han-na chang (vc), lorin maazel / philharmonia o @royal festival hall


マゼールさんとフィルハーモニアの音楽会シリーズの3回目。わたしは2回目のは聴いてないので2回目です。今回のマゼールさんの曲はモナコ・ファンファーレとチェロ協奏曲。管楽器と打楽器によるモナコ・ファンファーレは楽しくてちょっとかっこよかった。なかなかやるじゃん、マゼールさん。でもびっくりしたのは次のチェロ協奏曲なんですよ。とても力の入った作品。雰囲気はこの間のフェアウェルに似ているんだけど、それがここではことごとく上手くいってる。ラジオから聞こえる古いワルツのような音楽や高音のトランペットのジャズふうの旋律。オーケストラに入れられたチェンバロやアコーディオン。チェロのパートも息もつかせぬ情熱を持って弾くように書かれてるの。この音楽は傑作です。とてもステキ。そして、故スラヴァ(ロストロポヴィッチさん)のために書かれたこの曲の独奏者を務めたハンナ・チャンさんが、暗譜でものすごい集中力で見事に弾ききっていました。この曲は良い独奏者を得たと思います。今日の成功はチャンさんの力が大きかったと思うし、チャンさんがこの曲をレパートリーに加えて、演奏される機会が多くなればいいなと思いました。チャンさんは休憩後、私服に着替えて会場で聴かれてました。気づいた韓国人のお客さんたちが写真を撮ったりしてたんですがにこやかに応えるチャンさんに好感度アップ。ステージではオーラを発しまくってた彼女もステージを降りるとかわいらしい女の子。まだ二十歳ちょっとですもんね。わたしもすっかりファンになりましたよ。
タコは大好きな作曲家。なぜか演奏される機会が少なくて今シーズンはこれが初めて。来シーズンはいくつかあるみたいですけどね。マゼールさん、何か仕掛けてくるんじゃないって思ったけど、意外に直球勝負。ソ連とか社会主義的リアリズムとか証言とか余計なことを考えずに楽譜に書かれたものを音にするというシンプルな演奏態度だったと思います。音楽の機能的な面を強調してたので、タコのタコたるゆえんでもある辛辣なアイロニーがあまり聴かれなかったのはちょっと残念だけど(この曲はその要素、少ないんですが)、オーケストラを鳴らす爽快感は気持ちよかった。最後も快速テンポでややあっけらかんと、大太鼓はちゃんとティンパニにかぶったんだけど、無色のまま終了。社会主義的リアリズムってなんだったんだろう?もはや死語?
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by zerbinetta | 2009-04-07 06:05 | フィルハーモニア | Comments(0)

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