うわっ   

mendelssohn: a midsummer night's dream suite
shostakovich: piano concerto no.2
mahler: symphony no.1
martin helmchen (pf), vladimir jurowski / lpo @royal festival hall


わたしは若い人たちが好きです。むやみに親近感を持ったり(あっわたし自身は最早若い人ではなくなっていますが。。)応援したくなったり。指揮者も若手の演奏を聴くのが好きです。ロンドンのオーケストラは、ロンドン・シンフォニーがハーディングさん、ロンドン・フィルハーモニックがネゼ・セガンさんという若手(どちらも75年生まれ)の有望株を主席客演指揮者に置いています。と思ったら、実はロンドンフィルの主席指揮者はヤロウスキさん、この人も72年生まれですからまさに若手じゃないですか。わたしより若いし。応援しなくっちゃ。といいつつもう何回も聴いているんですが。ユロフスキさん(今までヤロウスキさんと表記していたんですが日本語のサイトを見てユロフスキさんに改めました)、実は失礼ながらちょびっと苦手だったのです。どこがというと髪型が。長髪はあまり好きではないのですよ。でもでもちゃんと聴いて行かなきゃと思い直したのですよ。ロンドンフィルはロンドンのメジャーオーケストラの中では一番下手だと思うけど、良い演奏をするし、プログラムも魅力的なものが多いし、これから伸び代のある好きなオーケストラなんです。このブログのカテゴリーでロンドンフィルが一番上なのはそういう理由です。ですから今日は曲目じゃなくてユロフスキさんを楽しもうと。
始まりはメンデルスゾーンの真夏の夜の夢の組曲。それが、木管楽器の和音を終えると弦楽器の細かなパッセージがものすごく速くて、ありゃ、このテンポで大丈夫かしら、オーケストラ暴走しっちゃって収拾が付かなくなるんじゃないかしら、なんて余計な心配をしつつ、妖精がさわさわと飛び回る様がステキな感じねとドキドキ聴いたのでした。もちろんオーケストラはちゃんとコントロールの元にあるのでした。そしてお終いはご存じ、結婚行進曲。快速テンポでこれを結婚式でやると早歩きしなきゃいけないな(大袈裟)なんて思いつつ、この方が晴れ晴れした感じがいいな、でももし自分がこの行進曲で入場したら可笑しくて笑っちゃうだろうな、なんて妄想に耽ってました。でも、メンデルスゾーンの結婚行進曲を聴くとついつい微笑んでしまいますよね。会場のお客さんもみんなそんな感じでした。
タコのピアノ協奏曲は圧巻でした。ユロフスキさんとタコの相性ぴったり。さすがロシア人。特に第1楽章のヴァイオリンのソリッドな歌わせ方がタコらしくてステキ。とオーケストラを褒めたところで順番が反対になっちゃいましたが、ピアノがとっても良かったんですよ。ピアニストはヘルムヘェンさん。とっても透き通ったきれいな音色で軽々と弾いていくの。色つきガラスのかけらたちが空高くできらきら光ってる感じにうっとり。いろんな色の光を反射して見えるけど決して濁らない。この人上手い。とっても上手い。しかもめちゃ若。ただわたしの好みとしては全体的にもっと柔らかいというか、ほんわりとした幸せ感、アットホーム感があったらいいなと思いました。これは単なるわたしの好みで、ショスタコ感は薄らいでしまうと思いますが。
休憩のあとはマーラー。ついこの間、ハーディングさんのを聴いたばかりなので、お口直し。指揮者の人は曲への入り込み方にいろいろあるのだけれどもユロフスキさんは、オーケストラの人をひとりひとり見回して小さくうんうんとうなずきながら音楽に入り込んでいく。その儀式が終わるといよいよ指揮棒をあげて、すうっとA音。音楽の世界が広がります。ステージ外のトランペットの信号を左右に振り分けたり面白い工夫も。とってもステキな雰囲気です。第1楽章はこの間のハーディングさんや去年のデュトワさんと同様に抑え気味。最近の演奏のトレンドは第1楽章抑えなんでしょうか。確かにスコアを見ると盛り上がったあとにすぐデミュニエンドしてピアノになったり(若造だったわたしはもっと盛り上がっていればいいのにって思ったものです)って書かれ方してるんですけど、盛り上がるところはもっと盛り上がってもいいかなって思いました。ユロフスキさんはポルタメントを上手にかけたり、指揮もテンポや拍子はオーケストラに任せて、入りや表情を指示することに専念してました。さすが常任。オーケストラと指揮者の意思疎通がとても上手くいってて信頼関係を結んでいるということがはっきり分かります。オーケストラもこの曲をよく知ってる。それにしてもこの演奏、どこかで聴いたことあるような、って思いつつふと思い出した。そうだ、テンシュテットがシカゴ・シンフォニーを振ったCDだ。それで納得。テンシュテットの演奏がこのオーケストラにしみ込んでる。テンシュテットが主席指揮者だったのはもう20年も前だから当時の楽団員はもうあまりいないと思うけれども、当時の記憶は楽譜や人を伝わって残ってると思うし、そうやって培われてきたものはオーケストラの財産だと思うのよね。秘伝のたれみたいな。ユロフスキさんの演奏は、そういうオーケストラの持つ音楽を生かしながら、自分の表現をしてステキなマーラーを聴かせてくれました。最後はちょっとテンポを速めて歓喜と興奮の中に音楽を終わるというのも秀逸。ふふふ、第3楽章のお終いの方でトランペットが完全に落ちてしまうという事故があったのにはどっきりびっくり。血が引く思いでした。トランペットの人たち終演後、ミーティングをしてましたよ。
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by zerbinetta | 2009-04-25 07:43 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

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