あっアニメの男の子の天使   

schoenberg: three pieces for chamber emsamble
stravinsky: eight instrumental miniatures, three japanese lyrics
mahler, arr. erwin stein: symphony no.4 for chamber orchestra
eri nakamura (sp), clement power / lpo foyle future first @purcell room, sbc


今日も楽しみにしていた音楽会。マーラーの交響曲第4番の室内合奏版を聴ける機会なんて滅多にないでしょ(といいつつ、来シーズンもひとつあるのを発見。うふっ)。チケットをとった時点では、あっ日本人の方が歌うんだって思っただけだったけど、彼女の歌をこの間、ロイヤルオペラで聴いてからわくわく度アップ。ものすごく楽しみに待ってました。実は、予備知識がなくて全然知らなかったんだけど、今日の音楽会はロンドンフィルがメンターになって若手を育てるプログラム。ステージに立つのはプロ未満の若者たち。パーセル・ルームはサウスバンク・センターのクイーン・エリザベス・ホールの建物にある講堂みたいな一室。客席は400席弱くらいかな、ステージもオケが20人ものったら満員になるくらいのこぢんまりした感じで、隣のクイーン・エリザベス・ホール同様インティメイトな(これ日本語でなんて言うんだろう?)雰囲気を楽しめます。
始まりはストラヴィンスキーの8つのミニチュアから。15人の奏者によって演奏される小さなかわいらしい、親しみやすい作品です。でもこういう作品の方がここの技量が出ちゃうので難しいんでしょうね。技術的にはできてるんだけど、ちょっと余裕というか音楽の芯まで踏み込む何かがなかったな〜。かえってアマチュアの方が一所懸命演奏するので、音楽する心は伝わるかもって思っちゃった。室内楽なので音を絞って演奏するところが管楽器の人には吹きづらいのもあるかもしれないけど。2番目に演奏されたシェーンベルクの3つの断片は、分かりづらい作品だったけど、こちらの演奏の方がいい感じでした。この曲はなぜか次のストラヴィンスキーの3つの日本の歌の次に一部、演奏者を替えて繰り返して演奏されました。3つの日本の歌はエリさんがとっても良かったです。多分、万葉歌や和歌ををフランス語に訳したんでしょう、1つ1つ短い曲はピエロリュネールに感銘を受けて作曲されただけに無調なんだけど、でもちょっぴり印象派ふうでせっかくエリさんが歌ってるのだから、日本語でと思ったけど、フランス語に作曲されてるので言葉と音が合わなくなりますね、ジャポニズムが感じられる音楽ではないのでこれは暴論。ストラヴィンスキー自身は日本の版画なんかの印象を音にしてるとおっしゃってるみたいなので、ごめんね、ストラヴィンスキーさん、日本人のわたしにはジャポニズムが感じられなくて。
メインになるマーラーの交響曲第4番の室内合奏版は、弦5部、ハーモニウム、ピアノ、フルート、オーボエ、クラリネット、打楽器3人の13人編成。オーボエはコールアングレ持ち替え、クラリネットはひとりで小クラリネット、普通の、バスクラリネットと大忙しです。これだけ小さな編成なのに打楽器3人というのは打楽器の重要性を感じさせますよね。オーケストラの原曲ではマーラーの他の作品に比べて打楽器の重要度が低そうにも感じるのですが。その打楽器は、鈴、グロッケン、大太鼓、銅鑼、シンバル、トライアングルでティンパニは入りません。マーラーの多彩なオーケストレイションの音楽を室内合奏に移すのは大変だと思うのだけど、ハーモニウムを上手く使って1つの作品としてしっかり聴かれるものになってました。ハーモニウムって、シェーンベルクの残したたくさんの室内合奏への編曲作品や敢えて小編成オーケストラを使ったシュトラウスのナクソス島のアリアドネでも大活躍ですよね。シンプルな編成にしたことで、マーラーが仕掛けたソロとトゥッティの間での対位法的な音楽が各要素間で均一なバランスになってかえって聴き取りやすくなってたり面白かったです。また、特に第3楽章は室内合奏版との相性が良くて違和感なく聴けました。そして鮮烈だったのは、エリさんの入った最終楽章。エリさんの声はアニメで冒険する真っ直ぐな男の子を感じさせる声質で、歌っている天使の性格付けがとてもステキでした。中性的な、でもちょっぴりやんちゃで茶目っ気のある天使です。パズーみたいな。ぜひぜひ彼女の歌で今度は原曲版を聴いてみたいです。オーケストラはフィルハーモニアがいいな。
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by zerbinetta | 2009-04-29 07:12 | 室内楽・リサイタル | Comments(0)

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