自由奔放   

berlioz: overture, le carnaval romain
sibelius: violin concerto
rachmaninov: symphonic dances
nicola benedetti (vn), hugh wolff / po @royal festival hall


わたしは若いヴァイオリン弾きを聴くのが大好きです。ヒラリーの世代が「若い」から大人の音楽家へと成長していくと同時にまた若い才能が芽生えてきて、それらを見つけて応援するのが嬉しいんです。この前聴いたアリーナもそのひとりだけど、今日聴くニキもその期待をしてました。実は直前まで気がつかないでいたんですが。指揮者のウォルフさんは、優しそうなおじさま。年よりずいぶん若く見える感じ。音楽もお姿に相似して優しい作り。安心して心地よく聴いてられます。反対に言えばうわっとびっくりするような快感がないのですが。それぞれのスタイルですからそれは望みすぎでしょう。
で、今日の音楽会のびっくりはニキです! 出だしからしっとりした感じで普段のシベリウスとは違うと思ったんですが、彼女の演奏、まさに自由奔放。シベリウスの協奏曲って清楚の極みだと思うんだけど、彼女の演奏はそんな思いこみをあっさり裏切って、独特のニュアンス、歌い方で弾かれていく。彼女の血筋のイタリア系の朗らかさと言ったらよいかしら。大御所のムターさんもデフォルメしていくタイプだけど、彼女のような精緻に計算されたデフォルメではなくて、若者が自分の感性の趣くまま弾きまくる感じ。それでむちゃくちゃな演奏かというと、そう感じる人もいるかもしれないけど、わたしにはかえって心地よい。音楽的には幼いところがあるかもしれない。これから成長していくにつれて、シベリウスの音楽の本質とは異にするやりすぎは取り除かれていくかもしれない。でも、今の彼女の演奏は今の彼女にしかできない彼女の真実があるし、それはもうすごくとっても大事なこと。ストレイトにそれが伝わってくる。それにしても、彼女にこんな演奏を許してしまう指導者ってなんてステキなんでしょう。小さくまとめようとせず、良いところを思いっきり解放する。それに十分に応える彼女の素直さ。また、新しい才能に出逢った嬉しさでいっぱい。あとで調べてみると、彼女の先生、アリーナと同じなんですね(後に変わってるけど)。ロンドンの同じ学校。ううむ。そして彼女を有名にしたのはBBCの若手音楽家のコンクールだけれども、セミファイナルの時にヴァイオリンの顎当てが取れちゃって3回も弾き直すというトラブルにもかかわらず通過、ファイナルでは滅多に弾かれないシマノフスキの協奏曲!(その様子は画像悪いけどここにあります) シマノフスキ好きのわたしはますます親近感です。あっそういえばアリーナの新しいCDもシマノフスキのアルバムだったわ。ますますこれからのふたりが楽しみ、目が離せません。
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by zerbinetta | 2009-04-30 19:47 | フィルハーモニア | Comments(0)

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