ピアニストにならなければアスリート?(by yuja)   

rimsky-korsakov: russian easter festival overture
prokofiev: piano concerto no. 2
stravinsky: the firebird
yuja wang (pf), charles dutoit / rpo @royal festival hall


去年の衝撃的な出逢い以来、うんと注目してるユジャ(・ワンさん)。だから今日の音楽会がとおっても待ち遠しかったんです。シャルル・デュトワさん指揮のロイヤル・フィルハーモニックです。
ロイヤル・フィルは一見して、若い人が多くて、きれいな人多いなって思った。ごめんなさい第一印象がこんな感じで。だってフルートの主席の人の髪型がなぜか気になったから。いやヘンなって意味じゃないんですよ、一条の前髪がペンで描いたようにまとまって顔にかかってたから。それから日本人が多かったです。ロンドンのオーケストラって日本人が少なくてフィルハーモニアとロンドン・シンフォニーにひとりずついらっしゃるんですけど、弦楽セクションに3人のお名前が。日本と縁の深い現音楽監督(今シーズンから)のデュトワさんの影響かなぁ。とかいいつつ思い出して、去年聴いたときのプログラムを引っ張り出してみてみたら、ひょえっ、やっぱり、去年は日本人誰もいなかったよ〜。ほんとにデュトワさんが引っ張ってきたのかなぁ。

ロイヤル・フィルを聴くのはまだ2回目です。指揮者も替わってまだ最初のシーズンだし、どうのこうのと言える訳もないけど、弦楽器の硬質な音が意外でした。去年聴いたときはもうちょっとふっくらした感じだったのに、これも指揮者の好みかな。善し悪しの問題じゃないので。始まりの曲は、リムスキー・コルサコフの「ロシアの復活祭序曲」。この曲聴くの初めてなので何ともコメントのしようがないんだけど、ってかユジャにわくわくしすぎてちゃんと聴けてない。単純なたかたかたかたかっていうメロディがロシア人好みなのねって思った。似たような旋律、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番にもあるよね。

ロシアの復活祭を通り越して、いよいよピアノ協奏曲。プロコフィエフの第2番です。この曲は聴くの多分3回目だけど、プロコフィエフの協奏曲の中では3番と共によく採り上げられますよね。実はわたし今日まで、この曲ってのほほん系だと勘違いしてたんだけど、実はとんでもない野獣系だったのに気がつきました。こんな曲を書いたプロコフィエフもプロコフィエフですけど、この曲を弾いたユジャもユジャです。華奢な身体からピアノを思いっきり、すばしっこく叩く様はまるで、ネコ科の大型肉食獣。近くの席で、ユジャばっかり見つめて、音楽を聴いてないというか、まるでスポーツを観てるよう。それもものすごくアグレッシヴでスピードのあるやつ。ユジャは音楽が憑依するタイプというか、自分の中に完全にのめり込むタイプ。ほとんど自分に集中して指揮者もあまり見ない。ピアノを叩きまくるところなんてあまりに集中したあげく、冷静さを失って音が聞こえなくなってる、とさえ見えるような演奏振りなんだけど、そんなことはちっともなくて、音は完全にコントロールされてるし、勢いにまかせて流されてるということも決してない。しっかりまわりの音も聞こえていて、音楽を全体から見通してる。ユジャばかり見つめてユジャの音しか聞こえていないわたしなんかと大違い。第1楽章の途中からピアノのソロだけでずうっと音楽が進んでいって、盛り上がったところでフォルティッシモのオーケストラが凶暴に入るところなんてほんとに凄かった。完全にオーケストラと拮抗してる。この曲ってほんと、ピアノが休むところがほとんどなくてしかもめちゃくちゃ叩かせるので、ものすごいことになってるんだけど、さすが超絶技巧持ちのユジャ、乱れるところ、不消化な部分は一切ありませんでした。もちろん、まだ23歳。音楽が未熟な部分もあるのかもしれないけど、1日1日激しく成長していく年代、これからも全く目が離せません。US在住で、海外を飛び回っているけど、もっとロンドンで弾いてくれないかなぁ。最後の挨拶(お辞儀)もきびきびとしてスピーディーでフレッシュ。サイン会があるかなぁ〜って期待してたけどなくってちょっと残念。せっかくCD持っていったのに〜〜。
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ユジャのあとは、「火の鳥」全曲版。デュトワさんの火の鳥はそのすらっとした姿そのままに、何ともスマートで都会的な演奏。最初のコントラバスの音からして、全くおどろおどろしさがなくてスマート。土臭さも火の鳥や春の祭典の魅力だと思うんですけど、デュトワさんのはきれいに舗装されていて、しかも磨かれてる。ストラヴィンスキーその人も都会的な人のような気がするので、こういう演奏もありだと思うというか、ちゃんと音楽として成り立ってるところがさすが。でも、こういう解釈ならば最後は、1945年版のざくざくと切ったのの方が版の整合性はないけど合ってると思う。ってしつこいけど最後は1945年版が好き〜〜。
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by zerbinetta | 2010-03-24 01:41 | ロイヤル・フィルハーモニック | Comments(2)

Commented by 藤井 at 2010-03-28 11:30 x
ユジャ・ワンは五月にデトロイトでリサイタルをやる予定です。プログラムはスカルラッティ、シューマン、プロコフィエフ。楽しみです。でも先週のユリアみたいに、ドタキャンにならなければよいのですが。米国在住なので大丈夫かな?
Commented by zerbinetta at 2010-03-28 20:30
知ってます知ってます〜。わたし、デトロイトに飛んでいきたいもん。まだ彼女のリサイタル聴いたことないんです。うらやましいです。わたしが出逢ったのは、ロンドン・リサイタル・デビューのすぐあとだったので。
ユリアはキャンセル多いのかな(わたしもすでに2回)。ユジャは若いし、独り身だから本人が病気をしない限り大丈夫じゃないでしょうか。

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