世界が音楽になる   

rimsky-korsakov: russian easter festival overture
shostakovich: piano concerto no.2
stravinsky: le sacre du printemps
yevgeny sudbin (pf), tugan sokhiev / po @royal festival hall


実は今日、仕事で非常にやっかいな結果が出て泣きそうだったので、音楽会に行く足取りも重かったのです。音楽聴ける気分じゃないなって。でももしかしたら気分転換になるかも知れないし。と、無理に出かけてみました。何が演奏されるのか知らなかったんですけど。会場に着いてメインが「春の祭典」だと分かると気分がどーっとダウン。泣きっ面に蜂の巣というか、ちょっときっついな〜。

始まりはリムスキー・コルサコフの「ロシアの復活祭、序曲」。これこの間も聴きました。賑やかだけど、わたしてきにはちょっとどうでもいいや〜みたいな。気分が落ち込んでるので今日のわたしは投げ遣りです。この曲がものすごい感動を呼ぶなんてことあり得ないんですけど、でも、なんかちょっとあれっ?良くなくない?みたいな感触があって。

2曲目はショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番。かわいいやつです。ピアノはスドビンさん。聴くのは2度目。細っこくて背の高いイケメン系(でも髪の毛かたそう)な若者です。彼のピアノの音とっても繊細で、透明できれいなんです。そういえばこの曲、この間バレエで聴きました。でも音楽は純粋に音楽だけで楽しむのがいいですね。もともとバレエのための音楽ではないし。さくさくと極めて明晰な演奏。タコのリズムがとっても生き生き。スドビンさんのピアノはモーツァルト弾き系の軽やかな音がするのでこの音楽にぴったり。特に第2楽章のシンプルなロマンティシズムの美しいこと。月明かりの下の恋人同士の語り合い。とっても幸せな気分に浸れました。ここでハプニングが。この楽章が静かに終わったタイミングを見事に見計らったように客席から携帯電話の音が。それがおもちゃのようなメロディでタコの音楽にちょうどはまってしまったというか。迷惑ではあるんですけど、このはまり方が可笑しい。指揮者はすぐ次の楽章に続けたかったみたいだけど、携帯が鳴り終わるまでちょっぴり待ちました。でも全く緊張は途切れることなく、次の楽章もステキに活発で、とても充実した美しいタコの音楽でした。この時点でわたしの憂鬱は吹き飛んだみたい。

お終いは「春の祭典」。考えてみたら今日はオール・ロシアものなんですね。今気がついた。始まる前は春の祭典なんて泣きっ面に蜂の巣だって思っていたのに、さっきのタコで気分は反転、そしてこのハルサイがとおっても良くってもううきうき変拍子を踊りたくなる気分、ではもちろんなくって、というのはこの曲って最後暗いですよね、生け贄として献げられちゃって、ものすご〜っく感銘を受けたのです。指揮者のトゥガン・ソヒエフさん、前髪が気になったけど、ただ者ではないってか、彼まだ33歳(くらい)なんですねっ。凄いです。まず、完璧にオーケストラをコントロールしていました。そしてリズムの切れがいい。フィルハーモニアももともとリズム感は良いオーケストラですが、全体がざくざくと正確にリズムを刻んでこれでこそハルサイって感じ。リーダー席にはイワブチさんが座ったんだけど、彼女髪を振り乱しながらガシガシと弾いていく、のがオーケストラ全体に伝わってた。音も全ての音がクリアに聞こえてでも、原初的などろどろ感もあってとってもバランスがいいし、コントラバスの弾かせ方とか、結構アグレッシヴでワイルド。普段聴き慣れない表現もあって春の祭典もまだまだいろんな表現ができるのねって思った。フィルハーモニアのティンパニが相変わらず凶暴なのはわたしのツボだし。ただ、最後は多分わざとリズムをもったりさせてたような感じだったけど、死んでいく生け贄の踊りですからその意図は分かるんだけど、切れのあるリズムのまま、上手く表現できなかったかなあって無い物ねだりを思ってしまいました。でも、わたしの聴いた中で最良の春の祭典だったことには間違いありません。
トゥガン・ソヒエフさんは、音楽を上手に演奏できるだけじゃなく、ホールの空気を世界を音楽にすることのできる指揮者のひとりだと思います。これからがますます期待できる指揮者できそうです。

フィルハーモニアをリハーサルするソヒエフさんのインタヴュー(youtube)
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by zerbinetta | 2010-04-15 22:15 | フィルハーモニア | Comments(2)

Commented by かんとく at 2010-04-19 02:53 x
これ行きたかったんですけど、仕事の都合でどうしても無理でした。残念。トゥガン・ソヒエフさんって、ちょくちょくPhillharmoniaで振るんですか?次回には是非、行ってみますね。
Commented by zerbinetta at 2010-04-19 04:27
おや残念。お仕事相変わらずお忙しいんですか。
今、来シーズンの予定を見てみたら、秋に2回振る予定でしたよ。ぜひぜひ聴いてみてくださいね。

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