人気ブログランキング | 話題のタグを見る

力強い音楽、力強い演奏   

stravinsky: symphony in three movements
prokofiev: piano concerto no. 2
martinů: symphony no.3
barry douglas (pf), jiří bělohlávek / bbcso @barbican hall


今日はチケット買うとき相当迷ったんです。なぜって、裏はロイヤル・フェスティヴァル・ホールでロンドン・フィルがフィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲第2番のヨーロッパ初演やグレツキの交響曲第4番の初演を演っているんですもの。もし、BBCシンフォニーのがマルティヌーの交響曲第3番が単発で、全曲演奏シリーズのひとつでなかったらこっちには来なかったかも知れません。でも、マルティヌーは正解でした。

始まりはストラヴィンスキーの「3楽章の交響曲」。一昨日に続いてストラヴィンスキーですね〜。実はわたし、ストラヴィンスキーの擬古典期以降の音楽まだまだ苦手なんです。なのでこの曲も苦手意識大。でも素直に楽しめました。演奏も良かったし、第2楽章がとっても爽やかで好きです。音楽を聴いてるとき、気の利いた言葉が思い浮かんでブログに書こうって思ったのに今はすっかり忘れてしまいました。ははは。春の祭典を思い起こすような激しい音もちょっぴり出てくるんですね。

ふたつ目はこの間ユジャの演奏で聴いたプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番。ピアノはバリー・ダグラスさん。確かわたし彼の弾いたチャイコフスキーの協奏曲のCDを持ってたような気がしたけど、それがほんとなら、彼のピアノの音は硬質なダイヤモンドのようなきらめいたきれいな音。ということで期待期待。プロコフィエフの印象は前回のユジャとは全く違うものになりました。ダグラスさんの演奏は余裕があって、まろやか。ユジャが野獣系で果敢にピアノに対峙したのに対して、ダグラスさんはさすがに男性、大きな音も難なく軽く弾きこなす感じで柔らか、のほほん系。わたしが以前持っていたこの曲のイメジに引き戻されました。どちらが良い演奏かというのは、好みになるので人によるけど、わたしはユジャのスポーティーなのが好みです。プロコフィエフには凶暴性を求めているので。でも、ダグラスさんの演奏が嫌いというわけではありません。いろんな演奏が聴ける方が断然ステキだから。

最後はマルティヌーの交響曲第3番。これ、始まりはちょっとつまらない系かなって思ったら、音楽が進むともしかして彼の交響曲の中で最高傑作?って思えてきた(まだ第6番を聴いてないけど)。とっても力強い作品。確かに取っつきにくいけど、何回も聴いていくうちに魅力がより強く感じられる予感。第2楽章の細かな弦楽器の音階の動きはベートーヴェンの交響曲を彷彿させる感じ。最後の楽章の春の喜び感もステキ。静かに音楽を閉じるさなか、未解決に闖入してくるピアノの和音の強打。ふしぎに心動かされる瞬間。何かを思い出すと思ってちょっと思いを巡らせたら、オネゲルの交響曲第3番だ。同じにおいがする。ビエロフラーヴェクさんとBBCシンフォニーの演奏は本当にステキでした。この音楽の真価が分かる名演だったと思います。いつものようにBBCラジオ3で放送があるのでしっかり録音して聴こう。マルティヌーの交響曲シリーズも残り第6番を残すのみ。今度はどんな演奏になるのでしょう。楽しみ〜。


力強い音楽、力強い演奏_c0055376_501276.jpg

by zerbinetta | 2010-04-17 00:39 | BBCシンフォニー

<< うぎゃんショックぅ いやんぼる... 世界が音楽になる >>