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タマちゃんラムちゃんの印象が替わりました   

electric counterpoint
j.s. bach, steve reich
ricardo cervera, laura morera, marianela nuñez, sergei polunin
christopher wheeldon (choreography)
robert clark (pf), james woodrow (guitar)

asphodel meadows
poulenc: concerto for 2 pianos
sarah lamb, leanne cope, yuhui choe,
johannes stepanek, josé martín, steven mcrae, etc.
liam scarlett (choreography)
robert clark, kate shipway (pf), barry wordsworth (cond)

carmen
bizet/shchedrin
tamara rojo (carmen), thomas whitehead (josé), bennet gartside (escamillo),
kristen mcnally (m), etc.
mats ek (choreography)
pavel sorokin (cond)

royal ballet @covent garden


バレエ好きにますます拍車がかかってるわたしです。今回はモダン・バレエのトリプル・ビル。でも、カルメンの下にシュチェドリンの名前を見つけたとき小躍りしてチケット取ったんです。なぜって、シュチェドリン版のカルメン、音楽が大好きなんですもの。ビゼーのカルメンを元になぜかアルルの女からの音楽も採り入れて、バレエ用に書き直したものです。オーケストラは弦楽合奏と多種多様の打楽器という意欲的な編成。バレエは今回が初めてなんですが、CDを持っていてときどき聴いているのです。カルメンの話は後ほど。

はじめはエレクトリック・カウンターポイント。ライヒの同名の曲とバッハの鍵盤のための音楽を使ったダンスで、踊っている4人のダンサーのインタヴュー(あらかじめ録音されたものがテープで流れる)も入ります。内容はバレエに関するもの。また舞台の後ろに置かれたスクリーンに録画された踊りのシーンが映し出されて、ひとりで踊っているのにふたりで踊っているような効果を出しています。これはライヒの音楽にも似ていますね。ライヒの音楽は11トラックの録音された音の上に生のエレキ・ギターのソロが重なります(録音された音も同じ奏者によるもの)。飛び跳ね系やくるくる系のあまりない抽象的なダンスですが、やっぱりきれいです。ダンサーって体そのものが美しいですから。ラウラ・モレラさんの声が予想に反してかわいい系だったのにちょっとびっくり。

モレラさん、セルヴェラさんとポルニンさん、ごめんなさい、どちらがどちらだか分かりません、ヌニェスさん
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2番目はプーランクの2台のピアノのための協奏曲に振り付けられた踊りです。性格の違う3つの楽章に合わせて3組のダンサーが踊ります。タイトルのアスフォデル・メドウズは詩の引用みたいですが、直訳すると水仙の花畑。水仙は黄泉に咲く花なので、彼岸を象徴しているのでしょう。物語のある踊りではないのでそこまでは想像できませんが。プーランクらしいエスプリの効いたメランコリックな音楽は音楽にも聴き惚れてしまうしダンスを観てもうっとり。それにしてもラムさん、きれいな人だわ〜。彼女は古典だけではなくてコンテンポラリーもきちんと踊れるのね。典型的なクラシックのバレリーナっていうイメジがあったので、あらためなきゃ。第2楽章のゆっくりした音楽を踊ったのはレアンネ・コープさんとホセ・マルティンのペア。コープさんどこかで観たお顔だと思ったら、胡桃でかわいらしいクララを踊っていた方ね。顔と名前が一致する方が増えて嬉しい。ファースト・アーティストになったばかりの方だけど、これからも頑張って欲しいです。お客さんの拍手も多かったです(結構みんな応援してる?)。最後はチェさんとマクレーさんのペア。チェさんは相変わらず上手いです。技術的にもちょっと安定して(たまに揺れることがあるので)、表現力に磨きがかかればプリンシパルも目の前じゃないかしら。今、最もプリンシパルに近いダンサーだと素人のわたしも思います。

ラムさんとステパネックさん(ちょっと陰でごめんなさい)
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コープさん(マルティンさん完全に陰でごめんなさい)
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チェさんとマクレーさん
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最後はいよいよカルメン。ビゼーのオペラを換骨奪胎して50分足らずのバレエにしています。ビゼーのオペラも好きだけど、こういうコンパクトなのもいいな。ストーリーは細かいところでちょっぴり変わってるけど、バレエ版もとっても良いです。そして初めて観るタマちゃん、タマラ・ロホさん。えっ?タイトルにタマちゃんの印象変わったって、初めて観るのに、って思った方スルドイ。でも、タマちゃんは初めて観るんだけど、いろいろ友達に教えてもらったり、なんとなく事前にイメジはあったんです。でも、出てきた最初に、声を荒げて罵り合い。かなり怖かったです。そう、このバレエ、ダンサーがときどき声を出すんですよ。タマちゃんは小柄でバレリーナとしてはちょっぴりぽっちゃり系、みんなに交じって出てくるときは、あっちっちゃいと感じるのだけど、踊り始めると全くそんなふうには見えなくて大きく見えるのです。そしてやっぱりものすごく上手いし、表現力も抜群。カルメンはスペイン人の彼女にとっても思い入れのある役なんでしょう、まさにカルメンその人が舞台にいるようでした。友達に是非観ておくべきダンサーのひとりとして勧められたんですけど、ほんとにステキなダンサーで、一目惚れで大好きになりました。
もうひとりこの舞台で光ってたのが、M(オペラのカルメンでのミカエラのことでしょう。ただ、名前を外して抽象化してるので、実際の人間というより、ホセの心象の中の人というイメジでしょうか)を踊ったクリスティン・マクナリーさん。ソロイストの方です。結構ヘンな動きで踊るので目立つのですが、それを差し引いても存在感があったと思います。
対して男性陣はちょと分が悪いかな。何しろ、カルメンに翻弄される方の役柄なので。どうしても主役のカルメンに目が行ってしまいます。男性は衣装もモノトーンで、エスカミロは金色なんですが光りの関係でそんなにきらきらしてない、対して女性陣はきらびやか、そしてカルメンは真っ赤。
もうひとつ特に書いておきたいのが音楽。演奏がうんと良かったの〜。わたしはこの曲CDで持っていてよく聴いてるんだけど、それよりも良かった感じ。バレエの伴奏だとテンポとかいろいろ制約もありそうだけど、そんな不自由を全く感じさせなかったし、舞台下のオーケストラがもうひとりの主役だったと言ってもいいくらい充実してました。

今回のミックスビル、できることならもう一度観たいっ。忙しいので無理だろうけど。。。

たばこ工場の男たちと女たち
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マクナリーさん
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タマちゃんはとってもきれい
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by zerbinetta | 2010-05-06 22:28 | バレエ

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