思いっきり音浴び   

henri dutilleux: métaboles
messiean: turangalila symphony
joanna macgregor (pf), cynthia millar (om),
valery gergiev / lso @barbican hall


メシアンのトゥランガリーラの音楽会2回目です。トゥランガリーラは大好きなので演奏されれば行っちゃうんですね。会場に着いてプログラムをもらったら(ロンドン・シンフォニーのプログラムはただなんです)、紙がはさまっていて、なになに?ソリスト変更?もしやトゥランガリーラのソリスト替わっちゃうのってドキリとしたら、悲しいお知らせが。メシアンの優秀な弟子にして、卓越したピアニスト、メシアンの音楽の最高の解釈者、2番目の妻にして生涯の伴侶、イヴォンヌ・ロリオさんが月曜日にお亡くなりになったとのこと。享年86歳。天寿を全うされたとは言え、またひとり偉大な音楽家がこの世を去ったというのはやっぱり悲しいです。今日の音楽会はそのロリオさんに捧げるという案内でした。

最初の雅楽の三管のような鋭い音を聞いたとき、あっこの曲知ってるって思った。ディティユーの音楽のCDって確かル・ドゥーブルの入ったのしか持ってないと思うけど、なんか他の作曲家の曲のCDにちょこちょこ入ってたりするのね。それでついでによく聴いてたみたい。ディティユーは、独自路線の現代曲だけど耳に馴染みやすい音楽を書いていた人。今シーズンのゲルギーは彼の作品を中心に据えて、フランスの20世紀音楽のプログラムを組んだのでした。マーラー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチのプログラムを組んできて、次は、と考えたときディティユーが思い浮かんだそう。思い入れがあるんでしょうね。ディティユーに会ったときのことが、、シーズン・ブロウチャーに載っていたけれども、「彼とストラヴィンスキーやラヴェル、プロコフィエフやドビュッシーの話をしたとき、彼は彼らのことを覚えていた」まさに20世紀の音楽を共に生きた「生きる伝説」(彼は94歳の現在も御存命です)。20世紀フランス音楽を鳥瞰する中心に置くのにうってつけではないでしょうか。もちろんメシアンを中心に据えれば、ブーレーズやクセナキスなどまた違ったプログラムが組めると思うのですが。
って無駄話が多いですね。演奏は感激しました。ゆったりと柔らかな演奏で、LSOもとっても上手くて、わたしは多くの演奏を聴いたことがあるわけではありませんがこれは名演だと感じました。ディティユーの叙情性がゲルギーの音楽性(旋律的な音楽を好む(本人談))にぴったりはまって、作曲者も演奏者も聴き手も幸せな時間を共有できたと素直に感じられたとてもステキなものでした。現代音楽のみのプログラムなので会場も(空席が目立ちましたが)音楽をよく知っているお客さんが多くて、とっても暖かい拍手を送っていました。わたしもいっぱい拍手しました。先週と今日の音楽会は録音されていて後にLSOライヴとして販売される予定だそうですが、このディティーユも入っていればいいな。メシアンだけじゃもったいない。

トゥランガリーラは前回とはまた違う席で聴いてみました。今回はステージに近め。職場の友達に会ってびっくり。彼女もよく音楽会に来るそう。知らなかったぁ〜。オンド・マルトノとオーケストラが一瞬ずれたところがあってドキリとしましたが、オンド・マルトノってやっぱり合わせるのが難しい楽器じゃないかと思います。聴く場所によって聞こえ方がずいぶん変わるし、音が後から出てくる感じなのでトランペットみたいな金管楽器みたいにストレイトに音が届く楽器と同じタイミングではずれて聞こえる感じがするんですね。ドキリとしたのは1カ所だけだけど、難しそうって思いました。
今日はロリオさんの追悼ということで、特別なことはしていないけれども、かなり気持ちが入っていたのではないかと思います。それに2回目なので慣れもあるし、大音響の音楽を最大のパワーで響かせていました。前回と同じようにゲルギーはスコアに書かれた音をそのまま塊のように音に響かせるタイプの演奏です。音響が身体に心地良い反面、小賢しく頭で聴く面白みが少し犠牲になっていたかなと思います。でも、やっぱり好きなのでとっても楽しめました。最後、ゲルギーの穏やかな笑顔がとても印象的でした。彼としても満足のできる演奏だったのでしょう。初めて聴くという友達も、始まる前にこの曲すごくうるさいよって忠告しておきました、エクサイティングって言ってました。
そうそう、バービカンのホールって大きなオーケストラなら1階よりも2階や3階席の方が音が良く聞こえる気がします。3階席の左右の前の方は一番安いし、コスト・パフォーマンスが一番良いんじゃないかな。と、音響とかそういうのにちっとも詳しくないわたしが言うのもなんですけど。
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by zerbinetta | 2010-05-20 19:44 | ロンドン交響楽団 | Comments(2)

Commented by かんとく at 2010-05-25 06:34 x
つるびねったさん こんにちは。これ、私も行きました。また、感想はアップしますけど、この曲、自分にはちょっと難し過ぎたなあ~。もっと聴かないと分からんのだろうなあと思いました。
Commented by zerbinetta at 2010-05-25 06:43
かんとくさんの感想楽しみです。
確かに1回目では取っつきにくいかも知れませんね。素直に音の饗宴の中に身を置いて音浴びできればいいのかも知れませんが。こういう系の音が苦手だときついかも。

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