なんでや〜〜   

handel: semele
danielle de niese (semele), jaël azzaretti (iris), vivica genaux (juno/ino),
stephen wallace (athamas), richard croft (jupiter), peter rose (cadmus/somnus),
claire debono (cupid), sébastien droy (apollo)
christophe rousset / les talens lyriques, théậtre des champs-élysées choir
@barbican hall


なんと今日の開演時刻は6時半です。ヘンデルの長いオラトリオ(?)、セメレです。これ、オペラのようでオペラじゃないんですね。本来劇なしです。プログラムにはオラトリオと書いてありましたが、本物のオラトリオでもないんです。キリスト教音楽ではないので。でも、コヴェント・ガーデンで初演された際には新聞にオラトリオの様式でと書かれてあったみたいです。と、まずは珍しく蘊蓄から。
あらすじはグーグルで検索するか、こちらを見てね。と、無責任。だってあらすじ書くの苦手なんだもん。セメレの妹のイノー(セメレの婚約者アサマスが好き)とジュピターの妻ジュノー(ジュピターとセメレがいい仲になったのでセメレに復讐を企む)を同じ人(ヴィヴィカ・ジェノーさん、名前繋がりかな?)が歌ったので、あらすじを覚えていなかったわたしはちょっと戸惑ってしまいました。だってイノーとジュノーは性格付けが正反対なんだもん。でも後であらすじを読んだら納得。ジュノーはイノーに化けるのね。この人、細っこいのにとっても良く声が出ていて上手かった。ジュノーを歌ってるときは顔が怖かったけど、美人。アリアの後に一際大きな拍手をもらっていました。テナーのクロフトさんはUSにいたときよく聴きました。華のある人ではないけれども堅実な歌で、とっても重要な脇役を歌うオペラ・ハウスに掛け替えのない人です。ご兄弟、兄だったか弟だったかは忘れちゃったけど、も歌手で、バリトンです。やっぱりクロフトさん、上手かったです。むちゃ好印象。それから、ソムナスを歌ったバスのピーター・ローズさんもとってもステキでした。笑いをとる演技もすてきっ。そうなんです。今回はセミ・ステージ形式で歌手がオーケストラの前で簡単な演技をします。コンサート形式の曲とは言え、ちょっとしたお芝居があると分かりやすいし楽しめます。アポロのセバスティアン・ドロイさんは最後ちょこっと出てきただけだったけどちょっと好み。他の歌手たちも全く不足なくとおっても楽しめました。音楽も最初の序曲とガボットはちょっぴり退屈で早く劇が始まらないかなぁって思ったけど、それからはもう素晴らしい。さすがヘンデル。最初にティンパニが出てくるところなんかは(ジュピター(雷神)が出てくるのね)、もうティンパニの連打がステキすぎてわくわく、のりのり。ロックな感じ。

って、忘れてるわけじゃないよ。タイトル・ロールのダニエレ・デ・ニース(ドゥ・ニースという記載も見られるけど、フランス系の人じゃないし、本人もデ・ニースと発音してるのでデ・ニースと書きます)さん、なんともかわいくてとっても良かった。といいつつ手放しで褒めるんじゃないけど、だって、第1幕はちょっと声の輪郭が柔らかくぼやけて聞こえてもう一歩かなぁって思ったから。2幕、3幕と進むにつれてすごく良くなりました。彼女、まだ今年で30歳なんですね。19歳の時、メトのフィガロの結婚でバルバリーナを歌ってデビューしてるんですけど(とプロファイルに書いてあった)、なんと!その公演、わたし観たんです。ちょい役だったけど、とってもかわいい人だなぁって思ったんです。その彼女が大きくなって帰ってきました(って思ってたより大柄なんですね。華奢な方ってイメジがありました。二の腕立派だったです)。30代は歌手として脂がのって充実していく時期だと思うので、これからも世界中のオペラ・ハウスで彼女の活躍が期待できそうです(もう活躍してるけど)。
歌以上に彼女の類い希な美質は、その表情の豊かさ、かわいらしさ。ほんと、彼女、自分がどうしたら一番良く見えるのか、魅せ方を知ってる。それが演技にも出ていて、例えばジュノーにそそのかされて鏡を見ながらわたしって美人かもって歌うアリアはとおってもかわいらしくてステキでした。そのあとジュピターを拒否してぷんぷんしたような表情も彼女の表情は素晴らしくって、もうずうっと彼女に見とれてました。

それにしてもこのオラトリオ、最後、セメレは彼女に懇願されて本来の雷神の姿になったジュピターの雷に打たれて死んでしまうんだけど(セメレの最後のアリアはとっても悲しい静かな歌です)、いきなりハッピー・エンドになって終わるんですね。セメレの灰からフェニックスが生まれる、なんてアポロが出てきて歌い出し、イノーはアサマスは結ばれて、ってなんでや〜〜さっきまで悲劇じゃなかったんかい。っていきなり関西弁。まぁ、当時の人たちは純粋な悲劇を嫌っていたそうなんですが。突然の変わりようでびっくり。でも、ステキな夜でした。

ローズさん、ドロイさん、アザレッティさん
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デボーノさん、デ・ニースさん、ジェノーさん、クロフトさん
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デ・ニースさんとジェノーさん
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by zerbinetta | 2010-07-08 21:12 | 海外オーケストラ | Comments(0)

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