また新たな星   

lindberg: al largo
mendelssohn: violin concerto
walton: symphony no. 1
agata szymczewska (vn)
osmo vänskä / lpo @royal festival hall


ときどき友達に、今日のコンサートはなに?って聞かれるんだけど、答えられないことが多いわたし。だって、まとめてたくさんチケット買ってるので、今日がどれだか覚えてないんだもん。それと、会場に着いて新鮮な驚きがあった方がいいかなとか思って。今日の音楽会もそうでした。会場に着いて、ステキなオスモ・ヴァンスカさんが振ること、大好きなウォルトンの交響曲が演奏されることを知ったのでした。それにしてもウォルトンの交響曲なんて珍しい(確か今シーズンはBBCシンフォニーでも演るみたいですが)。それにしてもヴァンスカさんがウォルトンなんてびっくり。っていうかイギリス人(イギリス関係者)以外でこの音楽を採り上げるのって珍しいような気が。

始まりは、ヴァンスカさんのお国もの、リンドベルイの新作、アル・ラルゴ。ニューヨーク・フィルハーモニックと、我らがロンドン・フィル、カサ・ダ・ムジカ・ポルトの委嘱で書かれて、この6月にニューヨークで初演された曲。リンドベルイは人気の作曲家で、この2年の間に3回聴きました。現代作曲家としてはかなりの頻度ではないでしょうか。
いきなりホルンのファンファーレで始まった音楽は、シベリウスの交響曲第6番の世界を現代の言葉で焼き直したみたいでとっても美しく、今まで聴いたリンドベルイの音楽の中で一番って思いました。調性的だけど旋律はない、旋律はないけど抒情的な音楽で、シベリウスも旋律を断片的に扱って独特の世界を創っているように、この曲でも断片の構成が生きています。まさに、シベリウス得意なヴァンスカさんにぴったいりの音楽。ヴァンスカさん、かなりの熱演でした。オーケストラもとてもいい音で好演。30分弱の充実した音楽と演奏でした。

2曲目はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。何度聴いたことでしょう。ヴァイオリニストは全く名前も性別さえも分からなかった、アガタ・シムチェフスカさん。若いきれいな人です。そして驚いたことに、彼女の音楽とっても良かったんです。なにも特別なことをしてるわけではないのに新鮮に聞こえるメンデルスゾーン。音色もわたしの大好きな、清楚で優しい系でホッコリと聴けるんです。心が静かに惹かれる音楽。ヴァンスカさんとロンドン・フィルもソリストと音楽を一緒に創るように積極的に伴奏していました。終わったあとは盛大な拍手と歓声。ええっ!もうファンが付いてるの?って思ったら、あとで分かったんだけど、今ロンドンで音楽会をしているヴェネズエラのユース・オーケストラの人たちが空いた席に招待されていたんですね。あれは南米のノリだったのか。分かるよ〜分かる。アンコールにはポーランドの民謡調の曲を弾いてくれました。これもうっとり。それにしてもあまりにアガタさんがステキだったので帰ってきて早速調べてしまいました。彼女、ポーランド人、現在25歳(24歳かも)、2006年のヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで一位をとっているんですね。レコーディングは少ないけど、ピアノのツィメルマンさんたちとバツェヴィチのピアノ5重奏を演奏したCDとかあるみたいです。彼女は現在、ロンドン・ミュージック・マスターズのLMMアワードをもらってて、今回のロンドン・コンチェルト・デビュウはそれゆえ。この奨学金は2012年まで続くので、またロンドンで演奏する機会があることが期待できそうです。あったらぜひ聴きに行かなくっちゃ。わたしとしては今後絶対活躍して欲しい。ファンになるぅ。これからは親しみを持ってアガタとファースト・ネームで呼ぶことにしましょう。

休憩の後は大好きなウォルトンの交響曲第1番。実は。。。クラヲタ白状だけど、この曲のスコア持ってるのね。日本に置いてきているので今は手元にないんだけど、それくらい好きなんです。この曲第1楽章は、リズムが先導する刻み系の音楽家と思っていたら、結構リズム・セクションがお休みになってカオスになるのね。ヴァンスカさんは、大胆にでもさりげなくひっそりとテンポを動かしていたので、リズミカルさがあまり強調されなくて、あれれ〜こんな曲だっけ〜って思っちゃった。ほんとにカオスのような気にさせられるのよ。それがまたいいのだけど。で、この音楽、なんだかシベリウスの交響曲第5番に通じるところがあって、ああ、それならヴァンスカさんのもっとも得意とするところよね〜って思った。実は演奏するのがかなり難しい音楽のように思えたけど、ヴァンスカさんは破綻なくオーケストラをコントロールしていて、でも、弾いてる方は、飛び出たらまずいとか落ちちゃうとか、かな〜り緊張するだろうなぁ。自分が奏者だったら絶対弾きたくない曲だわとか思った。でも聴いてる分には緊張しながら、曲芸のような演奏を楽しめた。いやホントは結構苦渋に満ちた音楽でもあるんだけどね。最後は盛大に勝利して終わるんだけど。堪能しました。大好きな曲をこんなにステキな演奏で聴けるなんて。BBCシンフォニーである方も聴きに行きたいなぁ〜。でも確か別の音楽会と重なってて聴けないのよね。

今日の音楽会はBBCのi playerで聴くことができます。ぜひ、音楽をシェアしましょう。
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by zerbinetta | 2010-10-13 07:05 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

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