闘いはたのしくハードに   

berlioz: overture, benvento cellini
elgar: cello concerto
strauss: ein heldenleben
alban gerhardt (vc),
david zinman / lpo @royal festival hall


連続ロンドン・フィル。今日の音楽会も何を演るのか分かっていませんでした。ソリストの変更があったこともあとから会場のポスターで知る始末。そんなこんなで切符があるので来てみたコンサートでも(チケットを買ったときは若干ハイになってたとは言え聴きたかったのには間違いないので)、実はとっても良かったです。デヴィッド・ジンマンさん初めて聴くし。
ジンマンさんの演奏はCDでは聴いたことがあるんです。でも、実演ではまだ。元我がメリーランドのボルティモア・シンフォニーの音楽監督をされてたのに〜。ってかわたしがいた頃はちょうどテルミカーノフさんに交代したときだけど。あっでもなんと、ボルチモア・シンフォニーもまだ聴いたことないんですけど。

ベルリオーズのベンヴェント・チェリーニの序曲。始まったとたんびっくりしてしまいました。なんと重い低弦の音。ジンマンさん、オーケストラの音を変えてしまいました。わたしには、この音や演奏、少し重たすぎるように思えましたが、でも、オーケストラの音をここまで自在に操れるなんてジンマンさん凄い。最近、CDでも好調との噂。噂に違わぬ人です。こういう人大好き。ロンドン・フィルと言えば弦、と言われるオーケストラですが、今日のロンドン・フィルの弦楽セクションは抜群に冴えてました。

エルガーのチェロ協奏曲はわたしの大好きなチェロ協奏曲。雰囲気がとってもいいのです。雨の日の古い図書館。本の匂いがして、音は消え、時間が止まる。でも世界中に、過去でも未来でもどこにでも心をとばせる場所。ゆっくりとひとり静かに本を読むように、静かに音楽に心を傾けます。チェロの音ってなんだかセピア色の古い本の背表紙みたい。第3楽章の溌剌とした音楽も、雨に打たれた窓ガラスを通してみるようで、そんなモノトーンな世界が、英国の初冬の悲しげな憂いを青空の中にも含んでいる感覚にぴったり。チェロを弾いたのは、アルバン・ゲルハルトさん。どこかでお名前を見たことがあると思ったら、来年アリーナとシューベルトのトリオを弾く人でした。結構若い人。ときどき、きゅっと高い音が混じるのが気になると言えば気になったけど、音楽はとっても良かった。音色もわたしの好きな音。そしてちょっぴりイケメン(多分)。

英雄の生涯はこれはもう見事な演奏でした。とってもわくわくした。生涯と言ってもこの曲、作曲者30代半ばの作品。まだ、サロメもバラの騎士もアリアドネも書いていない若者の音楽。老練な音楽ではなくて、若者らしいストレイトな希望に満ちた音楽。だったら、批評家との闘いもたのしくハードに明るいテロを(@DEEP)、勝利の悦びも明るく輝かしく。ジンマンさんの音楽はそんな音楽でした。リズムは切れまくり、溌剌と、音が奔流となって流れてきます。なんと、心地の良いことか。この曲ってホントにかっこいい。ということをかっこつけないできちんと表現できるのってかっこいい。ストーリーは陳腐でも痛快な活劇を観ている気分。終了後はすっきり爽やか。魂を揺すぶられる思いはないけど、理由なんていらない、そんな感動だってありです。そういえば、アキハバラ@DEEPも同じような感動だったな。
ジンマンさん、意外と小柄で、お髭の様子が映画に出てくる小隊長のよう。きっとたのしくオーケストラを訓練したに違いない。でも、打楽器の叩き方なんて相当こだわりがあったので、細かく指示を出してしっかり練習したんだろうなって感じ。実は鬼軍曹かも。
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by zerbinetta | 2010-10-15 06:01 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

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