好きになりたい   

28.10.2010 @barbican hall

britten: four sea interludes
stravinsky: violin concerto
bartók: concerto for orchestra
viktoria mullova (vn),
kristjan järvi / lso


クリビー(クリスチャン・ヤルヴィさん)のことはお気に入りリストに入っているので聴きに来ました、ロンドン・シンフォニー。オケコン聴きたかったしね。と、珍しく略して書いてみましたが、バルトークのオーケストラのための協奏曲。去年、体調不良でサロネンさんのを聴き逃したやつです。話ついでに順番は違うけどまずこの曲について書きましょう。一言で言うとオーケストラの上手さをまざまざと見せつけられた、聴かせつけられた演奏でした。管楽器のソロ(ソリ)はもうどのパートもむちゃ上手い。上手すぎ。特に今日はハープが耳に残りました。って、ハープって上手いってあまり思ったことないんだけど(目立たない?)、びっくりしました。さて、オーケストラのための協奏曲ってオーケストラを楽しむヴィルトゥオーゾ風に演奏することもできるし、故国への郷愁の思いを込めた哀しい音楽のように演奏することができると思うんです。で、クリビーの音楽はどちらでもなかったの〜〜。なんというか、物静か。トランクイロという言葉がぴったりの空の雲の形まで反映する湖面のような。ちょっと不思議な感覚。でも、面白くなかったと言われればそうでもなく、最初に書いたようにオーケストラの冴えは見事だし、クリスタルのようにきらきらと輝いて、第4楽章のメランコリックな旋律は恋愛映画の一シーンを観ているような気持ちにさせてくれるし。ただ、クリビーの音楽ってもっとのめり込むようなとこあったんだけどな、って思って、今日は踊り控え目だし、誰かに指揮台で踊るの止しなさいよとか言われたのかしら、なんて思ってみたり、でも最終楽章はやっぱりノリノリで踊っていた。お隣の家族はずいぶん興奮してたから演奏は良かったんじゃないかしら。あっわたしもそんなにネガティヴな気持ちじゃないんです、ただ、不思議なものを聴いた感じで虚を突かれたみたい。

クリビーって怖い顔って言われるけどそう?
c0055376_2054155.jpg

始まりのブリテンの4つの海の間奏曲はロンドンではわりとよく演奏される曲目。心とろけるような和音の木管楽器のアルペジオはとってもきれい。このアルペジオをクリビーは多分楽譜のリズムの通りアクセントをつけて吹かせたんです。その結果、シンコペイションが生きて、リズミカルに聞こえました。クリビーは、リズムをきちんと強調したかったんですね。雰囲気に流しちゃう演奏が多い中でこれは新鮮で面白かった。でも、今日のクリビーはなんか控え目。もっとノリノリのクリビーが好きなのにな。

さて、鬼門はムローヴァさん。相性がとっても悪いんです。客観的に見て彼女がすばらしいヴァイオリニストであることは分かります。CDなんかの評価もむちゃ高いし。でも、ダメなんですよ、わたしには。そんなヴァイオリニストには、他に、生で聴くクレーメルさん(CDでは大好きなんです)がいます。指揮者だったら、以前ラトルさんがダメでした(今は好きです)。どうしてなんでしょう。もうホントに相性が悪いとしか言いようがない。ラトルさんのように、突然気が変わって好きになるかと期待はしたんですが今日もダメでした。もう少し待ちましょう。
曲は、プロコフィエフなのに意外と小編成でやるんだって思っていたら、始まったらストラヴィンスキーだった。びっくり。ムローヴァさんは譜面を見ながら弾くのだけど、これはソリストとしては異例。でも、去年のブラームスのとき(指揮は奇遇、兄のパヴォビーでした)も譜面を見ていたので、ムローヴァさんはそういうスタイルで弾くことにしたのでしょう。ムローヴァさんの演奏はもの凄く機械的。と言うとなんだか貶しているようだけど、本当は全然違って、この曲ってそういう音楽だと思うんです。擬古典スタイルで書かれているので、感情があまりはいる余地はないし、ストラヴィンスキー自身も感情的な音楽を書く人ではなかったし。でも、第3楽章に出てくる、重音の下の方のバッハを思わせるコラール風のメロディの歌わせ方はとっても良かったな。それから、ムローヴァさん音色が多彩。こんなにステキなヴァイオリニストさんなのに相性悪いなんてもったいない。いつか好きになる日が来ればいいな。

ムローヴァさん 赤と黒の衣装がステキでした
c0055376_2064074.jpg

[PR]

by zerbinetta | 2010-10-28 19:58 | ロンドン交響楽団 | Comments(0)

<< 好きです 今日のびっくり >>