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布少なめでうふっ   

6.11.2010 @covent garden

léo delibes: sylvia
lauren cuthbertson (sylvia), sergei polunin (aminta),
thomas whitehead (orion), johannes stepanek (eros),
itziar mendizabal (diana), etc.
frederick ashton (choreography),
boris gruzin / royal opera house


バレエ・ダンサーの人たちとマイムマイムを踊りたいみゅうです、こんにちは。ロイヤル・オペラ・ハウスはバレエばかり観に行ってますね、最近。でも、今はバレエ好き。いろんなダンサーを観ておきたい。というわけで、今日のシルヴィア、この演目を観るのも初めてですが、主役のおふたり、シルヴィアを踊るローレン・カスバートソンさんとアミンタを踊るセルゲイ・ポルーニンさんをきちんと観るのも初めてです。カスバートソンさんはイギリス出身でロイヤル・バレエの生え抜き。2年前にプリンシパルにあがった女性では一番新しいプリンシパル。生え抜きと言うことで人気もあるそうです。ポルーニンさんは、実はすでに何回か観ていますが、主役で観るのは初めて。今シーズンからプリンシパルにあがったぴちぴちのダンサーです。まだ二十歳くらい? 若王子様。
このバレエ、ストーリーはちょっとありきたりで物語としてはあまり面白くないのだけど(今日の席は舞台が少し見切れていたので、実は何をやっているのかよく分からないところもありました)、アシュトンの振り付けによる踊りは、とっても高度で技術的にも体力的にもかなりのものを要求されるらしいんです。ロイヤル・バレエのプリンシパル、ゼノウスキーさんのインタヴゥー記事によると白鳥の湖をフルマラソンとするとシルヴィアはトライアスロンだって。そんな苦労を観る方は知らず、なんとも優雅でステキなバレエなんですね。

アミンタを踊ったポルーニンさんはなかなかステキでした。なにより衣装が少ないのでセクシー(って失礼)。ときめきます。踊りもとっても安定していて良い感じ。ジャンプの瞬間、空中でスローモーションのように見えるのも凄い。まだまだ若いのでこれからの活躍が期待できそうな、よしっ決めたっファンになるぅってライヴァル多そう。実はわたし、バレエって女性中心の芸術って最近まで思ってたんです。男性はどちらかというとサポート役に徹するというか、古典バレエって女性が華ですよね。なのでずうっとバレリーナさんたちに注目して観てきたんですが、よく観ると男性ダンサーって地味(?)だけど、高さも速さもあるし、なにげに難しいことやってるんですよね。最近それを観るのが楽しみで。今のところ好きな男性ダンサーは、ABTのマルチェロ・ゴメスさんとロイヤルのクラ・ケンタさんです(うわっ告白したみたいで恥ずかし〜〜)。ゴメスさんは白鳥の湖のロッドバルトみたいな悪役がよく似合うんですよ(ABTの白鳥の湖はロッドバルトにも重要な踊りのシーンがあります)。クラさんは、いつもものすご〜く楽しんで踊ってる感じがステキ。それに、ソアレスさんと、この間観たキシュさん。コボーさんにマクレーさんでしょ。うわ〜〜んみんな好き。だってかっこいいんですもの。

期待のカスバートソンさんは、あれれ? 第1幕ではちょっとおかしかった。踊りがとっても不安定。大きな失敗はないけど、ぐらついたり、思い切りがないというか踊りが小さくなっちゃってたり、なんだかプリンシパルらしからぬ感じ。今日がロール・デビューで緊張してるのかしら。第1幕のステップがとっても難しいから。観てるわたしがドキドキしちゃった。なのでわたしはちょっとのれなかった。
でも、第2幕からは別人のように良くなったんです。シルヴィアは幕ごとに(第2幕は前半と後半でも)性格が変わる複雑で多面的な役柄なんですけど、第1幕のどちらかというと建前的な性格よりも、素のようなそして、機転の利いた女性の方が演じやすかったのかもしれません。幕間の休憩の間、上手く修正できたのでしょう。第2幕以降は安心して観てられました。この人もまだ若いのでこれから伸びていくのでしょう。ロイヤル・バレエで育った地元の人(イギリス人)ということでお客さんの期待感も拍手のとき伝わってきました。女性では唯一のイギリス人プリンシパルですものね。わたしもイギリス人じゃないけど応援しますよ〜。

主役のおふたり以外もステキでした。エロスのステパネックさんが布を被ってシャーマンに化けて、足先だけで演技するユーモアと表現力の豊かさ。オリオンは、この役は苦み走ったゴメスさんにぴったりと思ったけど、ホワイトヘッドさんもなかなかどうして。そして、山羊役の(結構見せ場あるんですよ)タカダ・アカネさんが相変わらず存在感ありました。まだファースト・アーティストになったばかりなのに、名前の載る役を多くもらっていて、彼女、このままどんどんステップ・アップして、わりと早くファースト・ソリストまであがるんじゃないかしら。日本人は他にコバヤシ・ヒカルさんとヒラノ・リョウイチさんが出ていました。日本人の活躍は嬉しいですね。

演奏の善し悪しはバレエではあまり気にならないけど、今日はとても良い演奏だったと思います。指揮者のグルージンさんは、ロミオとジュリエットでも聴きましたが、バレエといえどもしっかりと音楽を作ってきますね。知らない曲だと思っていたら、第3幕で突然聴いたことのあるファンファーレが鳴ってびっくり。知らないうちに聴いたことがあったんですね。

指揮者のグルージンさん、端っこでごめんなさい 指揮者とカスバートソンさんの間にヒカルさんがいらっしゃいます
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ディアナを踊ったメンディザバルさんとエロスのステパネックさん
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山羊のアカネさん、後ろにオリオンのホワイトヘッドさん
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カスバートソンさんとポルーニンさん
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by zerbinetta | 2010-11-06 02:43 | バレエ

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