今年も見事な富士額   

26.11.2010 @royal festival hall

mozart: piano concerto no. 25
bruckner: symphony no. 9

andreas haefliger (pf),
günther herbig / lpo


昨日の事件後まだキズが癒えないまま音楽会へ。週日に4日も連続して音楽会があるときつい。どうしてこんなチケットの取り方しちゃったんでしょう。ばかばかばか。
でも、今日は去年のシーズンに聴いていいなと思った、ギュンター・ヘルビヒさんの指揮。白髪に見事な富士額がいいの〜〜。さて今日はどんな音楽を聴かせてくれるのでしょう。ちゃんと聴けるかしら。

前半はモーツァルトのピアノ協奏曲、K503のハ長調。モーツァルトの音楽は心のリハビリにぴったりですね。人間の感情が全て美しい音楽の中に含まれてる。なんて言いつつ、モーツァルトの音楽を好きになったのは結構後のこと。そして今でもちゃんと聴けてるとはとうてい言えない。いつかモーツァルトの音楽が本当にわかる日が来るのでしょうか。わたしもマーラーみたいに死ぬときモーツァルトと言ってみたい。と余計なことを書いちゃったけど、このハ長調の協奏曲はオーケストラにトランペットもいたりして堂々として絢爛。ステキだなぁ〜と思いながらぼんやりと聴いていました。指揮者もピアニストもオーケストラも突出してない代わりに安心して音楽に身を委ねられる演奏。ピアニストのヘフリガーさんって有名な歌手のヘフリガーさんの息子さんなんですね。わたしの記憶が正しければ、お父様の歌、ではなく語り(グレの歌)を聴いたことあります。あっ何わたし、お父様の思いで語ってる。アンドレアス・ヘーフリガーさんは、モーツァルトを丁寧に弾いて良かったですよ。わたし、モーツァルトを弾くのが一番難しいと思っているので、こうして心にすっと来るモーツァルトを弾く人を高く評価しています。と言いつつ、はっとする瞬間がもっとあったら良かったな。第1楽章のカデンツァは良かったけど。

後半はブルックナーの交響曲第9番。ロンドン・フィルは過去にブルックナーでは交響曲7、8、6番と名演を聴かせてくれているので期待していました。このオーケストラ、マーラーよりもブルックナーの方が得意な感じだしね。ヘルビヒさんのブルックナーは比較的速めのテンポで音楽の流れを作っていくもの。第1楽章なんかはブロック構造が明確というか極端な感じな音楽だけど、ヘルビヒさんのはそこで流れが淀まない。とてもスムーズに音楽が流れていくの。フレーズもレガートでくっつけないで、きちんと一音一音明確に切る部分もあって新鮮。最初はあまり目立たなかったテンポの変化も、少し音楽が進むと大胆になって、速い部分では短いパッセージでもおっ!っと思うくらい速くしたり、これはちょっとオーケストラが戸惑っていたこともあったけど、ブルックナー好きの人に言わせればブルックナーらしくないって言われるかもしれないけど、どうせブルックナー分かるはずない女子(そう言われたことある)のわたしにはとっても良い感じでした。ヘルビヒさんの良さは音をとても開放的に良く鳴らすことです。金管楽器、特にホルンを思いっきり気持ちよく鳴らしていて、テンポの変化と共にブルックナーの音遊びをとても上手に聴かせてくれたと思います。きちんと練った演奏だったと思うけど、テンポを揺らす部分では自由な感じに聞こえて、なんだかオルガンの即興演奏を聴いてるみたい。ブルックナー最後の交響曲、生への別離の音楽、なんてCDの帯に書かれると必要以上に重厚長大になっちゃいそうですが、ヘルビヒさんのは、てらいのないちょうど良い大きさの演奏。わたしはこのくらいのブルックナー、好きだな。ただ、ひとつだけ残念だったのは、会場のロイヤル・フェスティヴァル・ホールの残響が短くて(かなりデッドなホールです)、休止部の余韻がなかったこと。残響の長いホールで聴いていれば教会のオルガンみたいでいいのにな、もったいないなって思いました。
実は、第7番やあの第8番でとんでもない名演を聴かせてくれたネゼ=セガンさんが今シーズンは第9番を演るんじゃないかってシーズン前は期待してたんです。彼はマーラーに回ってブルックナーはなし。でも、ヘルビヒさんのも良かったので満足です。と言いつつ、来シーズンはネゼ=セガンさんでブルックナーの交響曲第5番を期待したいな。ヘルビヒさんはベートーヴェンかブラームスを演ってくれないかな。と、勝手に思ったり。そういえば、ロンドン・フィルってベートーヴェンあんまり演奏しないなぁ。
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by zerbinetta | 2010-11-26 09:07 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(2)

Commented by かんとく at 2010-12-01 06:12 x
いや~、記事の中身とは全く関係ないですが、つるびねったさんの記事タイトル、センスいいっすね~。私にはとても浮かばないタイトルです。良く思い出すと、私も富士額を横からしげしげと鑑賞していたことを思い出しました。この記事のお陰で中身よりもビジュアル系で記憶に残る演奏会になりそうです。
Commented by zerbinetta at 2010-12-01 09:07
変なタイトルでごめんなさい。でも80近いお歳であれだけふさふさと髪の毛があるの凄いですね。そして、かんとくさん曰く、ビジュアル系指揮者! でも中身も凄いですよ。彼の音楽は地味だけどとっても充実してるし、金管楽器の開放的な響かせ方がステキ。

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