ホルン4本!   

27.01.2011 @barbican hall

adams: sionimsky's earbox
bernstein: symphony no. 1 'jeremiah'
beethoven: symphony no. 7

kelley o' connor (ms)
gustavo dudamel / lap


初ドゥダメルさんです。一昨年、ロンドンに来ているのに、存在を全く知らず、聞き逃したり、彼の噂を聞いたあと、チケット取ろうと思ったらソールド・アウトだったりで聴けなかったんです。世界中の噂が彼を賛美しているのを目にする度に忸怩たる思いがありました。その間に彼は、フィルハーモニアに来たサロネンさんの後を受けてロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督になったり、さらなる大活躍中。今年弱冠30歳。ロンドンでも大人気の指揮者。今日も明日もソールド・アウトです。
ドゥダメルさん、わたしのイメジを一新してしまいました。まぁ、今まで見たことも聴いたこともなかったので勝手な先入観だったんですけど、そのイメジとは。

髪の毛大爆発
 → 全然そんなことない。キーシンさんとかラトルさんとかもっと爆発してる人いるし
お尻振り振り踊りながらの指揮
 → 前に見たコスタリカ出身の指揮者がそうだったから中南米系はサルサのノリって勝手に思ってたけど、普通に落ち着いた指揮。踊る指揮者なら、クリビー(クリスティアン・ヤルヴィさん)の方が上
ノリノリの音楽
 → わくわくする音楽作りであるけれども、音楽の美しさをとっても大事にしてる

音楽会の始まりは、ジョン・アダムスさん(確かこの人、ロサンジェルス近郊在住?)のシオニムスキーのイヤーボックス(耳箱?) 。初めて聴く音楽だと思ってたら、さっき検索したら自分のペイジが引っかかってきて、前にヴァンスカさんとミネソタ交響楽団が来たときに聴いていたのでした。すっかり忘れてた。あのときはジョシュア・ベルさんに興奮してたから。。。
アダムスさんの作品は好きなんですけど、今日のはとってもステキな演奏でした。オーケストラの明るい音色が、カルフォルニアの太陽がきらめくような音楽の音色にぴったりで、しかも、音に勢いがあって滾々とわき出てくる泉のよう。みんな自分たちの音楽だって確信を持って演奏していました。

2曲目はバーンスタインの交響曲第1番「エレミア」。実はこれが聴きたかったんです。大好きなんですよ。バーンスタインのシリアス系の音楽。特にこの曲と交響曲第2番の聴いたあとの、心にぽっかり大きな穴が空いたような空しさが、わたしの心を浄化するのに必要になることがあるんです。世界は、だって、見方によれば大きな穴がぽっかり空いていますよね。それを確かめて、なお、また穴を埋める作業に戻っていくのです。
ドゥダメルさんの演奏はゆっくりとした雄大なもの。音色の美しさを追求しつつ、音楽の流れを停滞させないのは流石。特に変拍子でリズミカルな第2楽章は、終始ゆっくり目のインテンポで、感情の赴くままに加速する誘惑を我慢に我慢。作曲家自身だって盛り上がってアチェレランドかけてるのに。でも、それによって焦燥感みたいのが表現されていたのは慧眼。お終いの楽章も同じアプローチ。時間をかけて丁寧に丁寧に音楽を描くことで音楽の美しさが際だった演奏です。ひとつだけ残念だったのは、歌手のオコナーさんの声が弱音でちょっと力を失ってしまっていたこと。そのため、最後の虚しさがちょっと足りないと感じられました。健全な音楽を聴いた感じが残ってしまいました。わたしの力を奪い取って欲しかったのに。それにしても、バーンスタイン、この曲を20代の最初の数年に書き上げたなんて天才。ドゥダメルさんと天才の共演ですね。
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最後はベートーヴェンの第7交響曲。やっぱり音色にこだわるアプローチは同じ。音楽作りは丁寧で、細かくテンポを揺らしたりフレーズの最後のまとめ方に個性があったり。でも、第1楽章はもっと溌剌とした躍動感が欲しかったかな。飛び跳ねて踊るような、ちょっと羽目を外したスリルが欲しかったです。第2楽章の盛り上がりのところでは、ええっ!こんなにホルン聞こえたかって、びっくりして見たらホルン4人。木管楽器は律儀に2人ずつだったから、ドゥダメルさん、こだわりを持ってホルンを増やしたんでしょう。実際、とっても効果的でした。ホルンを意識的に増やしたのはここだけで、第4楽章も4人で吹くところはあったけど、そちらはついでだからという感じで、音が際だって強調されているわけではありませんでした。
ドゥダメルさんの音楽作りにはとっても共感できました。彼の音楽には根本的に喜びがある。そしてそれは、聴いている人誰にでも共感できるもののように感じられます。そんなふうに考えると、彼のベートーヴェンの第9交響曲聴いてみたくなりました。

アンコールはブラームスのハンガリア舞曲とバーンスタインの、あああ、知ってる曲なのに名前思い出せない。弦楽合奏のかわいらしい曲です。熱くなった気持ちを少し冷ますのにぴったりの音楽でした。
ところでドゥダメルさんはシャイで謙虚な方とお見受けしました。拍手を受けるときは、オーケストラの中に入って決して前に出ようとしないの。ただ、曲が終わったあと、1回は客席に向かってお辞儀して欲しかったな。ねえこっちむいて♪恥ずかしがらないで♪みんなあなたの笑顔が見たいんだから。
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by zerbinetta | 2011-01-27 09:33 | 海外オーケストラ | Comments(0)

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