超興奮 ニューヨーク・フィルハーモニックのデジタル・アーカイヴ   

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最近、オーケストラやオペラ劇場のデジタル・コンテンツが充実してきてるよね。チケットがインターネットで買えるのは今やもう当たり前だし(日本はちょっと遅れてる?)、最たる例では、ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール(日本語もあるのね、ソニーの陰謀?)。お茶の間でベルリン・フィルの音楽会が観れるのね。メトは、世界中の映画館でオペラを上映するし、地味なところでは、アーカイヴで過去の上演記録が見られる。今日の話題のマーラーがここで1908年から10年の間にいくつかのオペラを振ったことが分かります。
で、ニューヨーク・フィルハーモニック。最近デジタル・アーカイヴのコーナーができて、興味深いコンテンツが。このオーケストラもマーラーとゆかりの深いオーケストラで、実際マーラーが自作を振ったり、マーラー指揮者の先駆け、ワルターやバーンスタインが振ったりしている。デジタル・アーカイヴでは、そのときに使われたスコアが見られるのです!!
目立つペイジにバーンスタインが書き込みをしたマーラーの交響曲第9番のスコアが出ていて、このペイジの上の方のスピーカー・マークをクリックするとそのときのバーンスタインの演奏(ただし第1楽章だけ)が聴けるんだけど、バーンスタインが書き込みをしたスコアを追いながら音楽を聴くとまた格別。
で、実はこれで終わりじゃないのよ。
アーカイヴのペイジをよく見ると、バーンスタインの書き込みのあるマーラーの交響曲のスコアは全曲見られるし、な、なんと! マーラーが書き込みをしたベートーヴェンの交響曲第9番(でも、バーンスタインもその上から書き込みをしているのでどの部分がマーラーによるのか分からないけど)や自作の交響曲第1番も見られるんです。しかも、これにはマーラーが最後に施した重要な変更の跡が残されてるんです。これって凄くない! もう大興奮。恐るべし、デジタル・アーカイヴ。
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追記: マーラーが1909年に振ったときに使ったこのスコアは1989年にァインベルガー社から出版されたものなんですね(いわゆるベルリン稿)。マーラーはその後改訂をして、1906年にウニフェルザル社から新しい版を出版しています。なので、楽譜に書き込まれたマーラーのペンによる変更(赤ペンのものだと思います)は、すでにウニフェルザル版に採り入れられたものもあるし、この音楽会に向けて新たに加えられたものもあるのかも知れません。でも、こうして音楽が作られる過程が見られるのは(特にマーラーは面白い)、もの凄く興味をそそります。
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by zerbinetta | 2011-02-15 09:38 | 随想 | Comments(6)

Commented by voyager2art at 2011-02-17 05:12
つるびねったさんこんばんは。

これは凄い! 巨人のスコアにマーラー自身とワルターとバーンスタインの書き込みなんて、ちょっとぞくぞくしてます。貴重な情報をありがとうございます。時間のあるときに、というより、時間を作ってじっくりと見ます。週末が待ち遠しい・・・
Commented by voyager2art at 2011-02-17 07:25
・・・などと週末まで待てるわけもなく、巨人を聴き通してしまいました。
いやー、すごい!! これは本当に面白かったです。音楽が生み出されるその場に居合わせているような臨場感に、鼻血が出そうなくらい興奮しました。2楽章のリズムの修正は彼の執念を感じるし、他にも大胆に音を削っているところがあったりして、マーラーがオーケストラにどんな指示を出していたか、彼の耳に自作がどう聴こえていたか、そういうことが手に取るように明確に伝わってきます。
現行版の楽譜と見比べながら聴いたのですが、このリンク先の楽譜から更に修正が入っている部分も結構あるようですね。

あと、楽器名をあちこちに書き込んでいるのは、指揮者の便宜のためなんでしょうけど、トライアングルが△マークだったのがかわいくて笑えました。

素晴らしい情報を教えて頂いて本当にありがとうございました。
Commented by zerbinetta at 2011-02-17 09:17
ふふふ、待てませんとも!!
わたしも見つけたときには興奮で、ざざっとスコアを読みましたよ。
それにしても、こういう貴重な資料が、簡単に見られるというのはもの凄く嬉しいですね。ニューヨーク・フィルハーモニック太っ腹。伝統のあるウィーンやベルリン、コンセルトヘボウなんかでもライブラリアンさんががんばってやってくれればいいのにな。
マーラーが使ったスコアを、ワルターやバーンスタインも使っていたというのには感慨深いものがあります。こうして、オーケストラの見えない財産、伝統が築かれていくのですね。
そういえば、ロンドン・フィルのマーラーを聴くと、テンシュテットの音が聞こえる気がするときがあります。オーケストラって人は入れ替わっても幹は綿々と続いていくんだなあって思います。
Commented by zerbinetta at 2011-02-17 19:48
バーンスタインが使った交響曲第4番の楽譜。冒頭の笛と鈴のところにはしっかりとnon ritと書かれていますね。バーンスタインが、笛と鈴はインテンポで、クラリネットとヴァイオリンはリタルダンドを書けて時間をゆがめる演奏をしていたことが分かります。
Commented by voyager2art at 2011-02-19 19:52
zerbinettaさんおはようございます。

4番はマーラーの書き込みのあるスコアもライブラリにありますね。冒頭の笛と鈴、マーラー自身が明確に"ohne rit."と指定していました。
ちなみにネットで検索していたら、マーラー5番の自筆譜が公開されているのを見つけました。
http://www.themorgan.org/music/manuscript/115214

これらのスコア、そのまま印刷して出版してもらえたら嬉しいんですけどね。ものすごく面白いし、マーラーの交響曲の演奏スタイルに大きな影響を与えると思います。
Commented by zerbinetta at 2011-02-20 00:04
遅く起きたのでこんにちは。
マーラー書き込みの交響曲第4番うっかり見落としていました。ありがとうございます。それに交響曲第5番の自筆譜!これまた鼻血もんですね。時間を見つけてゆっくり見てみたいと思います。
マーラーの自筆譜は、確か以前キャプランさんが校訂した交響曲第2番と、第7番のファクシミリ版が出ていたと思うんですが、ほんと、あるならどんどん出版して欲しいですね(できたらお安く)。
マーラーの音楽はスコアを見るのがとっても楽しいです。と言いつつ、今手元にあるのはクック版の交響曲第10番だけなんですが。

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