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05.03.2011 @royal opera house

tchaikovsky: swan lake

alina cojocaru (odette/odile),
johan kobborg (siegfried), etc
anthony dowell (production),
marius petipa, lev ivanov (choreography),
boris gruzin / orchestra of the roh


いよいよわたしの白鳥の湖が始まりました。リハーサルは1月に観てるのに本番は今日が初めて。今日はコジョカルさんとコボーさん。彼らのチケットは今日しか取っていないのが悔やまれる。そして立ち見。でも、1階の立ち見は10ポンドだけど、コスト・パフォーマンス最高! 元気があったらこの席は絶対お勧め。ただし、取るのが難しくてフレンズでもなかなか。

白鳥の湖はあと何回か観に行くので、今日は簡単に。まず音楽。音楽の方からバレエに入っていったわたしには音楽は大事。白鳥の湖って、チャイコフスキーの音楽がステキで、舞台もステキで、わたしにとってもうバレエの基本中の基本、バレエの王道、バレエと言ったら白鳥の湖なのです。だからうっかり、チケットたくさん取っちゃって。。。しばらく白鳥の湖三昧です。。。
今日は、グルージンさんが指揮。この人、ロイヤル・バレエでもう何回も聴いています。バレエ専門の指揮者さんみたいで、とっても良い音楽をするんです。今日もそうだったんだけど。。。ちょっと音楽的にやり過ぎちゃったかな、とも思いました。静かな部分はかなり音を小さく丁寧に演奏して、でも、バレエの伴奏なんだからもう少し賑やかでもいいんじゃないかなってわたしは思ったんです。盛り上がるところではずいぶん盛り上がっていたんだけど、静かな部分は舞台に負けちゃってる感じがしました。それと、ダンサーの踊りとの間に微妙なずれが。これはダンサーにも責任はあるのかも知れないけど、今日のは指揮者の方の責任が大きいなって思いました。素人考えですけど。

今日絶対書き留めておきたいのは、第1幕のパ・ドゥ・トワ(パ・ド・トロワって書くのが一般的かな?)。高田茜さんと小林ひかるさん、ブライアン・マロニーさんが踊ったんだけど、マロニーさんがジャンプの着地で足を怪我してしまって、舞台の袖に引っ込んでしまったんです。取り残された、茜さんとひかるさん、一言言葉を交わしたように見えましたが、そこに後ろから王子の友達のひとりとして踊っていた蔵健太さんが。さあっと出てきて、ふたりと踊りを続けたんです。これがもう、最初っからそうなってるんじゃないかって思えるくらい自然で、蔵さんの機転とかっこよさに感激。このシーンを観て、涙を流して、今も思い出して涙。本番の舞台の上で、もちろん、何が起こるか分からない舞台で、何が起こってもいいような準備はしているんでしょうけど、あんなに自然にかっこよく振る舞えるなんてステキすぎ。蔵さんは大好きなダンサーでしたが、これでますます惚れ直しました。図らずも3人の日本人で踊ることになったのですが、彼らは、きっと練習でも一緒に踊ったことがあるのでしょう。事故があったなんて思えないくらいに、ぴたりと息が合っていました。踊りが終わると大きな拍手とブラヴォー。今日一番の大きな拍手だったかも知れません。

コボーさんの王子は、とっても良い感じ。こんな王子様がいたらわたしだって恋したい。コボーさん、最近なんだか絶好調のように見えます。役になりきってるし、踊りに自信が感じられるし。充実してるんでしょうね。前は少しなよっとしたところがあったような気がするけど。
そして、コジョカルさん。やっぱりやっぱりステキすぎ。白い白鳥のときは、もう腕の動きが繊細で、ほんとに羽のよう。そして表情の付け方、表現の仕方がもう、神がかってるとしか言いようがない。もちろん踊り、特にゆっくりした踊りは絶品なんだけど、それ以上に舞台にいる全ての瞬間がきれいで表現力があって観ていて吸い込まれそう。第2幕の飛べない白鳥という感じの悲しみは観ていて胸を打たれました(人である白鳥は白鳥として生きていくにはあまりに悲しいから)。
オディールは、また表情を変えて、でも、コジョカルさんのかわいさがちょっと出ちゃったかしら。わたし的には冷たく妖艶な悪女を演じて欲しかったんだけど、でも、あんなかわいく迫ってこられたら王子じゃなくたっていちころでしょう。32回転は、スポーティーな切れのある回り方をする人は他にもいるので(わたしが観た中ではジリアン・マーフィーさんが凄かった)、コジョカルさんはソフトに感じられたけど、でも、物語の中の表現力では群を抜いているでしょう。ニーナ・アナニアシヴィリさんと同じタイプですね。
それにしてもコジョカルさんもコボーさんもそれぞれ凄いんですけど、このおふたりが出ると、化学変化が起きて、もうひとつひとつの仕草に意味が出てきて、っていうかこのおふたりの音のない会話はほんとに素晴らしいです。最後の幕の愛の勝利もそりゃもうおふたりにはふさわしい。
コジョカルさんってとっても小柄なダンサーだけど、場面によってはとっても大きく見えることがあって、表現力で体の大きさを自在に変えることができるみたい。凄いです。

あと、やっぱり、お后役のロサトさん、ステキだな。ああいう人にわたしはなりたい。
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4羽の白鳥。コープさんがやっぱり好き。
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2羽の白鳥。バヴナーニさんとフィルピさん
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ロットバルトのマリオットさん。以外と可愛らしい顔
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コジョカルさんとコボーさん
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by zerbinetta | 2011-03-05 09:24 | バレエ

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