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 瞬間への凝集 ロイヤル・バレエ リハーサル   

27.09.2011 @linbury studio theatre/roh

rehearsal -marguerite and armand

zenaida yanowsky, federico bonelli
jonathan cope (ballet master), robert clark (piano)


ロイヤル・バレエのリハーサルを観てきました。ゲネプロではなくて、まだ衣装ではなく、ピアノの伴奏で踊りを作るところ。ダンスのコーチが修正していきます。ロイヤル・オペラ・ハウスのリンバリー・スタジオやクロア・スタジオで行われるリハーサルは人気があってなかなかチケットが取れないんです。内容も行くまで何をやるか分からず、何回か行ったことのある人の情報だと、日によってまだ振り付けし始めだったり、完成間近だったりいろいろあるそうです。今日は10月12日に初日を迎えるボネリさんとゼナイダさんのペアの稽古。嬉しいのは怪我でジュエルズを降板したボネリさんが復帰すること。ジャンプはまだ本気で跳ばずに、位置だけを確認するにとどめるようにとコーチに言われてましたけど(素人目にはかなり跳んでいるように見えましたけど)。指導するのはコープさんです。演目はマグリートとアルマン。椿姫の物語です。音楽はなんとリストのピアノ・ソナタ。今日はピアノで弾かれましたけど、本番はオーケストラ編曲? ちょっと怖いもの聴きたさです。

コープさんが指導していくのですけど、実際は、さすがプリンシパルのペア、彼らが積極的に作っていってコープさんは微修正。まだ、細かなステップの入りとかの打ち合わせはあるけど、おふたりとも技術的には踊れているので、二人で合わせるときの足の位置とか顔の向き(ゼナイダさん、わたしの方が(背が)高いからどうしようか、なんて言ってました)、踊り出しのタイミングとかをまず合わせていました。それ以外はほとんど芸術的な修正。ボネリさんの方がもうしっかり役が入ってる風なので、ボネリさんがこうしたいとかこうした方がいいとかきびきびと意見を出して、ゼナイダさんは受ける感じ。前にゼナイダさんのゲネプロを観たとき、上手くいかない部分があって思いっきりシャウトしたのを観たことがあったので、ゼナイダさんって激しい人だなって印象があったのだけど今日は大人しかったです。で、ちょっと確認してみたら、ゼナイダさんこの役初めて踊るんですね。これから本番に向けて役を作っていくのでしょう。コープさんも芸術的な意見を言いながら、形を見せたり、抱きついたり、熱血指導でした。
リハーサルを観て感じたのだけど、やはりリハーサルと本番では違うんだなって(当たり前のことだけど)。もちろんリハーサルとはいえ、技術的にはきっちり踊っているし、表現も付けてるんだけど、修正していかなければいけないから、力を抑えて客観的に観ているふう。これが本番になると役にのめり込んでいくから発散されるエネルギーが違うんです。本番を踊るというのは凄まじいことなんだなって改めて確信しました。
それにしてもステキなバレエになりそうな予感。椿姫の物語をリストの30分ほどの音楽に凝縮するなんて。会場からの質問に答えて、ゼナイダさんがおっしゃってましたけど、数秒の間に長い時間がたったり、フラッシュバックがあったり、時間を超えた表現をするのが難しいとのこと、確かにその通りだと思いました。でもそれができるのがバレエなんですね。もちろんそれには研ぎ澄まされた表現力が必要だろうと思うんですけど。あの曲でバレエ?なんて最初思ってましたが、リハーサルを観てたら、音楽とバレエが結びついちゃって、きっと本番を観たら、バレエを思い出さずにこの曲を聴くことはできなくなるかもしれない。それは困ったことなのですが。でも繰り返し回帰されてくるテーマが物語の中でどんな役割を持って変容していくのか楽しみです。

わたしリハーサル大好きだし、こういう創造の途中経過を観ることができるってとてもステキです。ほんの一部だけれども、ダンサーたちの考え方や作り方を知ることができてほんとに興味深い。ただ、難点は、会場が小さいのでチケットがとっても取りづらいんですね。わたしも今日のはやっとこさ取りました。
こうしておふたりのを観ると、これからどう作って、本番はどう踊るのか想像するだけで楽しくなってきます。がーーーーん。なんと!わたし、このおふたりの日のチケット持ってないぢゃありませんか。うわわわん。

by zerbinetta | 2011-09-27 09:02 | バレエ

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