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未来の看板の鮮烈デビュウ カスバートソン、ポルーニン 「マノン」   

08.11.2011 @royal opera house

massenet: manon

lauren cuthbertson (manon), sergei polunin (des grieux)
josé martín (lescaut), gary avis (monsieur g.m.)
itziar mendizabal (lescaut's mistress), christina arestis (madame)
bennet gartside (the gaoler), james hay (beggar chief), etc.

kenneth macmillan (choreography)
martin yates / orchestra of roh

ロイヤル・バレエって今難しい過渡期に入ってると思うの。今シーズンを最後に芸術監督のメイスンさんが退任して新しい監督を迎えることになるし、ダンサーの世代交代の時期にも入ってる。マノンは春のシーズンには、ベンジャミンさん、タマちゃん、コジョカルさんたちが踊ったけど、このシーズンは、春のシーズンでマノン・デビュウを果たしたマリアネラさん、春にも踊ったラムさん、マルケスさんが踊ります。そして、ロイヤル・バレエの最年少プリンシパル・ペア、カスバートソンさん(27)がマノン、ポルーニンさん(21)がデ・グリュー・デビュウです。今日は、そのデビュウの日を観に行ってきました。

もうマノンのあらすじはいいですね。
では、脇を固めたダンサーから。もちろん!! 一押しは世界一のエロ・ムッシュ、ギャリーさん。わたしはこの人のムッシュを観るためだけにマノンに通いたいくらいのエロ・ギャリーさん好き。できたらわたしがマノンになってギャリーさんに足をしゃぶられたいっ!本当にこの人のムッシュは素晴らしいし、っていうかギャリーさんは舞台に立ってるだけで目が行っちゃうほどステキというか吸引力ありすぎ。あっでも英国王子は勘弁してください。うっかりエロく見えちゃう。もちろん、今日も素晴らしい演技でした。最高!
レスコーの愛人にはファースト・ソロイストのメンディザバルさん。先日のクレアさんもかわいらしくて良かったけど、やっぱりメンディザバルさんは格が違いますね。存在感が違います。どこがとは言えないけど上手いんですよ、やっぱり。
レスコーにはマーティンさん。わたし的には絶対的レスコーはティアゴさんなんだけど、マーティンさんしか観ていなければ、全く満足できるレヴェル。非を打つ言葉は見つからない。でも、ティアゴさんはもう本当にはまり役ですからね〜〜。
娼婦宿の女将のアレスティスさんって、長身で本当に美人なんです。と言うわけでちょっと上品すぎるかな。
今日の看守はガートサイドさん。好き。この役ほんとに嫌な奴なんですけど、ガートサイドさんはちょっと完全に悪になりきってないとこあるかな。だから、わりとあっさりと観ることができる。この役は、心底嫌な奴なホワイトヘッドさんのが好きです(本人が嫌な奴な訳じゃないんですよ〜)。でもこれは完全に好みですね。100%嫌な奴だと逆に救いようがなくなって観て嬉しいものじゃないですからね。

ではいよいよ、どちらもロール・デビュウの主役のおふたり。
ポルーニンさんは、この間も「マルグリートとアルマン」でアルマン・デビュウしたばかりなので役デビュウづいてますね。ポルーニンさんは能力のとっても高い人なので何でも踊れちゃう感じなんだけど、そしてやっぱりひとりで踊っているところはほんとに上手かった、リフティングの多いこの演目、さすがに技術と共に経験が必要な部分では、未熟さがちょっぴり出てしまった感じ。もちろんそれでも上手いのですけど、慣れない不安は感じられました。こればかりは、経験で上手くならなきゃいけないので、初めてだからしょうがないのです。というかわたしてきには、将来すごいダンサーになるだろうポルーニンさんの初々しい姿を観られてとっても幸せです。
今日ひとつ気がついたのはいかさまトランプのシーン。ポルーニンさん、下手なんです。あああ、こんなんじゃ見つかっちゃうよぉ、もっと上手にやりなさいよ〜っても最初思ったのですが、でも考えてみると、真面目なデ・グリュー、いかさまなんてやるの初めてに違いない。だったら、危なっかしいくらい下手なのが本当なんじゃないかって。そう考えたら、ポルーニンさんの下手さは、彼自身なのか演技でやっているのか分からなくなっちゃいました。そういう見るものに与える奥行きの深さも「マノン」の魅力。

カスバートソンさんは、去年の「シルヴィア」から観ています。それは、1年にもわたる闘病からの復帰作のひとつだったんですね。わたしのシルヴィアを観た感想は、最初ちょっとプリンシパルらしからぬ不安定だなって書いてたけど、あのときわたしはその闘病のこと知らなかったんですね。プリンシパルに上がってさあこれからというときに、病気で1年間も休まなければならなかったのって、なんて過酷な運命なのでしょうって今なら思います。病気と闘って復帰できるかどうか分からないし、長い休みで元のようには踊れないかも知れない。でも、幸いなことに、それからの彼女は徐々に良くなっていったようにわたしには見えました。「アリス」のタイトル・ロールはほんっと!かわいらしかったし、さあ、マノンはどうなるのか、不安もありつつ、期待最大。
で、結果から言うと、とってもステキでした。何よりも踊りが切れてた。登場のシーンでは、彼女のマノンはかわいらしい系かなと勝手に思っていたのに、そうではなく、クラス委員長系。ファム・ファタルのマノンとはちょっと違ったイメジ。お嬢様タイプというかこの人が落ちていくの〜ってびっくりしちゃうタイプ。なので、ムッシュの元に走って愛よりお金!って女になっても、まだどことなく清楚な部分が残ってるというか、それがちょっとカスバートソンさんのマノンの弱いところかな。わたし、カスバートソンさんってナラティヴな踊りをする人だと思っていたんです。タイプで言うと、タマちゃんよりもコジョカルさん寄り。それはアリスで見せてくれたから。でも、今日のマノンの踊りは、踊りを踊りとして完璧に踊るタイプのように踊っていると思いました。タマちゃんタイプ。だから踊り自体はとっても切れがあって良かったの。ただ難を言えば、息つく暇なく連続的に踊っていくので、わたしがちょっと気持ちを入れる隙間がなかったかな。わたしの気持ちは少し置いてけぼりを喰らってしまったようです。

でもね、おふたりともこれからの人。少なくとも今日のおふたりの踊りは、大きな未来を感じさせるものでした。次に「マノン」を踊るときのおふたりの成長ぶりが楽しみだし、観れるものなら絶対に観たい!って思わせるに十分な踊りでした。このペア、「眠れる森の美女」も踊るし(くくぅ、チケット取ってなかった)、来年は、ロミオとジュリエットや当たり役の「不思議の国のアリスの冒険」があります。もうもう、今からとっても楽しみ〜にしています。
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今日の看守はガートサイドさん
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メンディザバルさん、アレスティスさん、そしてギャリーさん(エロ)
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マーティンさん
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カスバートソンさんとポルーニンさん
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by zerbinetta | 2011-11-08 09:31 | バレエ

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