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LSOのパワーに脱帽 ゲルギエフ、ロンドン交響楽団 ショスタコーヴィチ交響曲第10番   

27.11.2011 @barbican hall

gubaidulina: in tempus praesens
shostakovich: symphony no. 10

anne-sophie mutter (vn)
valery gergiev / lso


またまたロンドン・シンフォニーです。だってタコですよ。タコ10。たまりませんもの。そして今日は、またグバイドゥーリナなんですけど、ヴァイオリン協奏曲、ムターさんが弾きます。ムターさん大好きなんですよね。ヒラリーやアリーナのプチ追っかけをやる前は、ムターさんが好きでした(CDたくさん持ってます)。彼女もヴェテランというか、第一人者になりましたね。
そのグバイドゥーリナのヴァイオリン協奏曲「今この時に」は、ムターさんのために書かれた作品。4年前にラトルさんとベルリン・フィル、そしてもちろんムターさんのヴァイオリンで初演されています。オーケストラが出てきて、あれ?今日はリーダーの人お休み?って訝しく思ったら、この曲オーケストラはヴァイオリンを使っていないんですね。かといって小さな編成のオーケストラかというとそうではなくって、管楽器も打楽器もいっぱい。むしろ大きなオーケストラ。
ムターさんは真っ青な細身のドレスで、むっちゃスタイルいい!そしてかっこいい、というかもうすでにオーラが出てる。さて、音楽なんだけど、わたし、情けないことに音楽の内容は全然覚えていないんです。覚えているのは、それがすごくいい曲で、前回のバヤンのための協奏曲より好きだし、将来、ヴァイオリン協奏曲のレパートリーのひとつになるんじゃないかと思ったこと、オーケストラもヴァイオリン・ソロもがんがんに弾いて、パワフルで音浴びのようだったこと、そして何より、ムターさんのヴァイオリンに圧倒されてしまったことです。もうなんというか凄いというしか言いようがないの。わたしは若手の人を応援するのが好きで、ヒラリーだったりアリーナだったり大好きでプチ追っかけてるんだけど、ムターさんは格が違うと思った。もちろんヒラリーもアリーナも、超絶に凄いんだけど、ムターさんの年季の入った凄さは若い人には絶対できないもの。しかも、ムターさんのために書かれて、ムターさんにぴったりの音楽だから、もうなんというか筆舌に尽くせない。でも、ヒラリーもアリーナもあと20年したらあんな凄さが身についてくるんだろうな。それは楽しみ♡

ショスタコーヴィチの交響曲第10番は、超かっこよかったーー。今日はオーケストラが完璧でびしばし決まる。速めのテンポでがんがん攻めてくるから、もうこっちは必死に音楽の圧力に吹き飛ばされないように食らいついていくだけ。ゲルギーのタコは意外にもソ連とか、哲学とか、そういうこびり付いたものがなくて、音楽だけで攻めてくる。タコの音楽を楽譜通り完璧に演奏したらこんなにも凄いものができた、みたいなひとつの究極の形を作っていたと思う。最初から最後までぴーんと張り詰めてゆるいところがなくって音楽の力を裸で感じました。超絶に上手いオーケストラだからこそなせるわざかも。これがたった1回の音楽会で失われていくなんてもったいない。でも、だからこそライヴの音楽なんだけどね。聴き終わったあとは1万メートルを全力疾走したような爽快感と疲労感。

そういえば、ロンドン・シンフォニーって今、オーボエが主席の人ひとりしかいないんです。だから彼がお休みの日は、オーボエのパートのオーケストラのメンバーが一人もいないという事態が発生します。この間も今日のそうで、音楽会の前半は、元主席のアビュールさん、後半は、我らがシスモンディさんが主席の椅子に座っていました。わたしは、彼女のオーボエが大好きで、何回も客演しているうちにロンドン・シンフォニーのスタイルにもなじんできたような気がするし、ぜひ、主席で来て欲しいなぁ。シスモンディさん、舞台を下りるときタコのメロディを口ずさんでいましたよ。彼女もタコ好き?

by zerbinetta | 2011-11-27 10:15 | ロンドン交響楽団

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