さあ、ブルヲタであることを認めよう ユロフスキ、ロンドン・フィル ブルックナー交響曲第1番   

30.11.2011 @royal festival hall

matthias pintscher: towards osiris
beethoven: piano concerto no. 5
bruckner: symphony no. 1

lars vogt (pf)
vladimir jurowski / lpo


わたし、素直に告った方がいいのかもね。ブルックナー好きって。ブルヲタだって。ああこうしてかわいい系女子の仮面ははがされていくのだわ。って、普段から、ショパンやモーツァルトが好きですなんて言わないで、タコ好きを公言してる時点でダメダメなんですが。そう、なんと、今日はゲルギー、ロンドン・シンフォニーのタコ6があったんですよ。それなのにそれなのに、苦渋の選択でブルックナーなのは、タコ6は1回聴いたことがあるので、演奏されることが滅多にないブルックナーの交響曲第1番を聴いてみたかったのと、ユロフスキさんの初ブルックナーがどんな風になるのか興味があったからです。ロンドン・フィル贔屓だし。でも泣く泣く。

1曲目、ピンシャーさんのお名前初めてだっけ?と思ったら、今シーズンの始めに同じくユロフスキさんとロンドン・フィルで聴いたいたのですね。今日のは、トランペットが大活躍する短い曲。ロンドン・フィルのトランペットと言ったら、ステージに出てくる際、必ず最後に出てくる主席のベニストンさんにパートの人が立って握手しながら挨拶するという鉄の規律があるのだけど、今日のベニストンさん、トランペットを3つも持って手が空いてないのに、何とかひとつをわきに抱えて握手してましたよ。やっぱり鉄壁な規律だ〜。
ベニストンさんのトランペットはとっても冴えていて、おおおと思ったし、音楽も聴きやすくていい曲だと思ったんだけど、終わった瞬間、会場にいたひとりのおじさんがゴミって叫んでましたね。この間の音楽会で、ぶーたれながら出て行った男でセンシティヴになっているのか(音楽会が始まる前もわたしの近所はその話題で持ちきりでしたしね)、曲の合間に会場の係の人たちがその人を囲んで、注意してました。でも、そのブーイングに賛同する人はいなくて、反対にこれ見よがしの拍手がわき起こっていました。

2曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番。ピアニストはフォークトさんです。これは良演でした。フォークトさんのピアノの音が弾けるようにキラキラとしていて、この曲にぴったり。色とりどりのビー玉が弾ける感じで華やかなベートーヴェン。ユロフスキさんも、ピリオド楽器的な演奏の良さ(トランペットはナチュラル、ティンパニのばちは固いものを使ってました)を現代のオーケストラに取り入れた感じの溌剌とした音楽で、彼の古典派の音楽の作り方は本当に良い、のを再確認。今の若手の指揮者で、間違いなく古典派の音楽をステキに演奏できる人のひとりでしょう。明日のことを語れば鬼が笑う(んでしたっけ?)でしょうけど、ベルリン・フィルの次期音楽監督にはユロフスキさんを推薦したいなぁ。そういえば、第3楽章でピアノに聞き慣れない音が聞こえたのは、ピアノの調律のせいで、変な倍音が響いたからかしら。鍵盤を間違えて叩いたとは思えないし。何だったんだろう?

休憩のあとはいよいよブルックナー。初めて聴きます(一応CDではカラヤンの演奏を聴いていたんだけど、全然違った。版の違い?)。正直に言うとちっとも分からなかった。やっぱりブルヲタ失格ね。ちょっとほっとしてる。
プログラムによるとリンツ稿だそうだけど、旋律が全然ないのね。短い断片的な旋律ばかりで、むしろオーケストラをおもちゃのラッパのようにならして音遊びしている感じ。やっとこ、旋律らしい旋律が出てきたスケルツォのトリオでほっ。本物のブルヲタの皆さんは、こういう曲でも楽しめるのかしら?
でも、演奏はとっても充実して良かったんですよ。オーケストラも上手いし、ユロフスキさんも勢いを持ってこの曲を指揮していました。ユロフスキさん、マーラーでは毎年1つずつ1番から順番に演奏していくという姿勢でいますが(今シーズンはお休み)、ブルックナーもこれからひとつずつ階段を上がっていくのでしょうか。彼とブルックナーの相性はこの曲からは、判断するのは難しいけど、後期の充実した音楽をどう演奏していくのかとっても興味があります。
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by zerbinetta | 2011-11-30 09:42 | ロンドン・フィルハーモニック | Comments(0)

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