オペラと裸
2011年 12月 25日
それはオペラとかも。例えば、USのメトでは、オペラでも裸のシーンはほとんど出てきません。わたしが7シーズン観た中でいわゆる裸の人が出てきたのは、オーソドックスな演出を好む劇場のせいか、「サロメ」の踊りの最後のシーン、1回だけでした(それも衣装を脱ぎ捨てたとたんに舞台が暗転したので実際ヌードがあったのかはよく分かりません)。「アルジェのイタリア女」の中でも裸の女性が部隊から走り去るシーンがあったけど、これは裸に見えるコスチュームだったと思います。ワシントン・ナショナル・オペラでは皆無です。対してロンドンでは、観た数はUSでより遙かに少ないんだけど、舞台に全裸の男女が登場することは、たまにあります(ヌード・ショウではないのでいつもじゃないよ)。サロメは裸にならなかったけど(いえ、なったかもしれないけど、わたしからは見えませんでした)、舞台には全裸の女の人が出ていたし、アディスのオペラでは全裸の男の人が出ていました。来シーズン再演される「リゴレット」は、すでにDVDになってるけど、最初のパーティー・シーンが猥雑で全裸の男女が登場します。あっそうだ。これ、日本で発売されてるのはどうなってるんだろう?ぼかしが入ってるのかな?
もちろん、オペラですから、ことさらに裸を強調することもないし、歌手の裸を観てもあまり嬉しくないと思うんだけど、わたしは、芸術上の自由は保たれていた方がよいと思うんですね。必然的な手段は、なるべく制限なくできるように。日本はどうなんだろう?オペラのDVDにぼかしは入れて欲しくないし、必要であればオペラの中に裸の人が出てきてもいいと思うけど。日本は何でもかんでも(英語でも)アメリカの真似をする傾向にあるけど、世界は広いんだし、いろんな考え方があった方がいいなって思います。いいことは積極的に真似して、悪いことは真似しないように。と、ヨーロッパに出てわたしも初めて気がついたのでした。
by zerbinetta | 2011-12-25 23:57 | 随想