バレエと音楽
2012年 01月 03日
この「くるみ割り人形」組曲、序曲があって、性格舞曲が続くんですけど、どういう訳か(チャイコフスキー自身が編んだものだけど)金平糖の精の踊りが3曲目に入って、花のワルツで華々しく曲を閉じるんですね。わたしはこれに慣れていたので、最初にCDで全曲版を聴いたとき、せっかく華々しく終わったのに、また音楽が始まってびっくりしました。付け足さなければいいのになんても思っちゃったりもして。
でも、ロイヤル・バレエのライト版のバレエは、花のワルツのあとの、まさに、付け足しの部分に踊りのクライマックスを置いてるんですね。ここでやっと一番の踊りの見せ場があってプリンシパルの人が踊るという。チャイコフスキーの音楽も実はそうなってるんですね。音だけしか聞いてなかったときは付け足しだと思っていたのに、バレエを観ちゃうと、もうここが必要不可欠のクライマックスになっちゃうんですね。バレエを見慣れてしまうと、今度は組曲版が物足りなくなって。音楽がバレエのシーンと連結してるので全部なければ嫌なんです。せめて、抜粋でも物語を追えるように。アバドさんの「ロミオとジュリエット」(抜粋)は、ものすご〜く美しい名演だけど、プロコフィエフの編んだ組曲版を下地に話のポイントとなる部分の音楽を足してるので、物語がちゃんと追えないのが(音楽の順番が変わったりして)ちょっと残念。とっても好きな演奏なんですけどね。
by zerbinetta | 2012-01-03 20:59 | 随想