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映画の音楽 プロコフィエフ 国民的作曲家?第5夜 ユロフスキ、ロンドン・フィル   

28.01.2012 @royal festival hall

prokofiev: incidental music to egyptian nights
prokofiev/levon atovmyan: ivan the terrible

ewa podeleš (ca), andrey breus (br),
simon callow, miranda richardson (narrator)
vladimir jurowski / lp choir, lpo


プロコフィエフ・シリーズも第5夜。相変わらずユロフスキさんはマニアック路線。最初の劇付随音楽「エジプトの夜」なんて存在すら知らなかったし。それにしてもお客さんよく入ってるなぁ。7-8割方の入りです。このプログラムで。フリーのプレ・コンサート・イヴェントがあって、プロコフィエフの珍しい室内楽曲が演奏されたんだけど、こちらは仕事が終わらず聴くのを断念。聴く気満々だったのに残念です。

実は「エジプトの夜」、プログラムにエジプトの文字をみたときわたしはすっかり出エジプトの物語だと思ってしまいました。でも、音楽が始まってみると、というか劇の部分が語りなんですけど、シーザー、シーザーとかいう単語が聞こえて、あれれ?と思ってるうちに、クレオパトラまで出てきて、出エジプトではなくクレオパトラの物語だったんですね。シーザーと言うようにドラマの部分(合唱も)は英語でした。音楽の部分が少なくてラジオ・ドラマを聴いている感じでした。音楽もプロコフィエフにしてはとても軽い感じだったし。

後半は「イワン雷帝」。実はこの曲の原曲、映画に付けた音楽だそうですが、がどんな風になっているのか知らないのですが、今日のはアトヴミヤンという人が編曲したヴァージョンの世界初演。編曲は1961年になされていて50年も眠っていたそうです。解説によると、映画での順番を無視して音楽的に整合性をとってまとめられたオラトリオ。オーケストレイションや合唱も手が入れられているそうです。と言っても、わたしがこの曲を聴くのは2度目。昨シーズンにロンドン・シンフォニーで聴いているのですが(もちろんこのヴァージョンではないのでしょうね)、細かいところは覚えていないのでどこがどう違うかはちっとも分かりません。ってか、完全に忘れてた〜〜。途中のバスバリトンが歌う歌が「カルミナブラーナ」に出てくる歌と同じなんだけど、カルミナブラーナに似てるなぁなんてのんきに思っただけで、前に聴いたとき、カルミナブラーナと同じなのねって思ったことすっかり忘れてました。重厚で音楽だけで十分楽しめる充実した曲。最後、皇帝万歳で終わるかと思ったら(めちゃ輝かしい音楽)、そのあとに皮肉な音楽が始まって、最後はロシア万歳で終わったのは、やっぱり社会主義なのかしらと思ったり。
演奏はほんと充実してました。出番は少ないけど横から見ると髪型が、ガンダムとかに出てくる敵の皇帝みたいで(あれ?そんな人出てくるのかな?あくまでもイメジ)、ちょっといい感じ。コントラ・アルトのポドレシさんも深いアルトらしい良い声で、とっても良かったです。この方、前にオペラで聴いていてもっと聴いてみたいと思ったんですよね。オーケストラもいうまでもなく絶好調。今日はゲスト・リーダーにゲオルギエヴァさんというブルガリアの若いきれいな人が入っていました。ロンドン・フィルの合唱団もアマチュアながらとても良く、何故かアルトにひとり男の人が混じってました。この光景前にも見たことある、ロンドンでは女声に男性が混じるのもありなのかなって、自分のブログを調べたら、同じ、「イワン雷帝」のとき見たんですね。もしかしたら、プロコフィエフがアルトに男性が混じるように指定したのかも知れません。

プロコフィエフ・シリーズもあと1回。最後は、主席客演指揮者のネゼ=セガンさんで、有名曲です。

by zerbinetta | 2012-01-28 08:26 | ロンドン・フィルハーモニック

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