闇は栄光の光りを際だたせる アンドリュー・デイヴィス、BBC交響楽団   

23.03.2012 @barbican hall

hugh wood: violin concerto no. 2
tippett: a child of our time

anthony marwood (vn)
nicole cabell (sp), laren cargill (ms),
john mark ainsley (tn), matthew rose (bs)
sir andrew davis / bbcsc, bbcso


今日はエルガーの「ゲロンティアスの夢」を聴くんだぁと勇んで行ったら違う曲でした。ぎゃぽん。メインはティペットの「我らの時代の子」。ティペットはイギリスの作曲家なのに、あまり演奏されません。今まで聴いたのは、「コルレリの主題による協奏的幻想曲」とバレエの伴奏の2回だけ。とっても分かりやすいステキな音楽を書く人なのに演奏されるのが少ないなんて。今日の結論。もっとティペットを! と思ったら、来シーズンBBCシンフォニーはティペットを集中的に採り上げるんですね。

マーウッドさんをソリストに迎えてのウッドさんのヴァイオリン協奏曲第2番は、2009年に初演されていて、今日がロンドン初演。アレグロとかラルゲットとかの速度表示がなされているように、古典的な作品。聴いているときは、聴きやすいしなかなか良いなって思ったんですが、聴いたあとは印象がすうっと抜けてあまり覚えてないんです。わたしの中にすうっと入ってきて、すうっと出て行った音楽。音楽会で遭遇するのはステキだけど、積極的に聴きたいとは思わないなぁ。そういう通りがかりに見えるきれいな風景みたいな音楽。
ヴァイオリンのマーウッドさんは、プロフィールを見るとイギリスの中堅どころのヴァイオリニスト。ソロで活躍すると同時に室内楽奏者としても大活躍で、つい先日解散したフロレスタン・トリオの一員だったんですね。必要十分の上手さだったんですけど、例えばベートーヴェンの協奏曲のようなわたしが知ってる曲で、聴いてみたいです。

ティペットの「我ら時代の子」は、何となく子供のためのカンターターって勝手に思っていたら、そうではなく深刻な内容の作品だったんですね。戦争に反対する受難曲のようなオラトリオで、でもスコアのタイトル・ペイジに t.s. eliot の詩の一部、「the darkness declares the glory of light」という言葉が引用されていて、希望を固く信じる作品でもあります。大きな合唱とオーケストラのための音楽で、ティペットらしい分かりやすい音楽だけれども、とっても力強い充実した作品でした。途中、合唱がどこかで聴いたことのあるメロディを歌い出してドキリ。黒人霊歌が何曲か引用されているんですね。こういう引用もティペットの音楽を親しみやすくしている要因のひとつ。合唱もオーケストラもソリストもみんな高いレヴェルでまとまっていて文句なし。素晴らしい音楽と演奏でした。指揮者のアンドリュー・デイヴィスさんも相変わらずにこやかで、でも演奏後は流石にちょっと疲れて頬がこけた感じ。全身全霊で音楽を演奏したんですもの。
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by zerbinetta | 2012-03-23 20:37 | BBCシンフォニー | Comments(1)

Commented at 2012-05-16 19:55 x
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