アリーナ見納め? どっぷり浸かってアルヴォ・ペルト、BBCSO   

28.04.2012 @barbican hall

pärt: symphony no.1 'polyphonic'; no. 3; silhouette;
berlinar messe; tabula rasa

alina ibragimova, barnabás kelemen (vn)
tǒnu kaljuste / bbcsc, bbcso

正直言ってアルヴォ・ペルトがこんなに人気のある作曲家だと知らなかったんです。チケットを取った時点で、おや!意外と売れてるんだなと思ったんですが、一日中ひとりの作曲家に浸るトータル・イマージョン・シリーズのアルヴォ・ペルト、なんと売り切れです! わたしは最後のBBCシンフォニーの音楽会だけ取ったんですが、びっくり! もちろんわたしの取った目的は何たってアリーナ。ロンドンを離れる予定のわたしにとって、多分、これがアリーナ見納めになります。むちゃ悲しい。

もちろん、ペルトさんというと、ティンティナバリ(鈴)様式。静謐な音楽なのだけど、最初の交響曲第1番と第3番はその様式を獲得する前の作品。第1番の方はオーケストラをがんがん鳴らすカラマノフ(実は好き)系音楽。第3番は、グレゴリオ聖歌への傾倒が聴かれて、後期の音楽への橋渡し的な音楽にもなっています。というのが聴いた感想。確かに力強い音楽だけど、この曲だけならペルトさん、人気は出なかっただろうし傍系の音楽家。でも、化けるべくして化けたのよね。

プログラムの後半からはいよいよ、ティンティナバリ様式の音楽。切り詰めた無駄のないシンプルな音、でもミニマリズムにならないのがいいの(ミニマム音楽苦手なわたし)。
2009年作曲の「シルエット」は、副題に「エッフェル塔へのオマージュ」。パリ管弦楽団とパーヴォ・ヤルヴィさんのために書かれた音楽です。短いけれどとても充実した音楽で、作曲家が今でも深化していることを伺わせます。無駄を極限までそぎ落とすとどこまで行くのだろう?

ベルリン・ミサは、ペルトさんらしい宗教曲。弦楽オーケストラと合唱のための作品。合唱団にターバンを巻いた男の人がいてちょっと可笑しかった。ターバンって衣服の一部なんですね。帽子はダメだけどターバンはいいのかな。この曲、わたしには歓喜の音楽とは感じられませんでした。どうしてかいつも不安がつきまとう。演奏のせいかわたしのせいか、曲そのものなのかはよく分からないんですけど、もちろん、ペルトさんは喜びが爆発するような音楽は書かないし、静かに静かに音楽は流れるのでそのせいもあるのかもしれませんが、でもやっぱりわたしにはもっと根源的な不安が横たわっているように感じました。

いよいよ、最後に「タブラ・ラサ」。ふたりのヴァイオリン・ソロ、プリペアード・ピアノ、弦楽合奏のための音楽です。実はわたし、この曲と「フラトレス」を勘違いしていて、音楽が始まったとたんびっくり。ありゃりゃ、違う曲だって。
もちろんわたしは、アリーナ目当てだったのでアリーナのヴァイオリンに聞き耳を立てましたよ。ほんと、彼女の音は透明できれい、そして精確。静謐なのにアグレッシヴ。もう素晴らしすぎ。アリーナの音が聴きたかったのでもうひとりのヴァイオリンはいらないって思っちゃいましたよ。もうひとりのソリスト、ケレメンさんは、わたしにとっては当て馬だったんだけど、音色にもう少し繊細さが欲しかったかな。ちょっと荒っぽかった。
プリペアード・ピアノが鐘のような音色で、前半部分ではヴァイオリンの動的な動きを沈静する大きな役割を担っていて、これが後半の静的な音楽につなげる複線になるのね。演奏は前半はかなりアグレッシヴ。プリペアード・ピアノの分散和音で始まる後半は風のない曇天の湖の湖面のように静か。ときどき、底からあぶくが湧くようなピアノの分散和音。そういえば、前半はピアノはクラスターの和音を弾いてたのに、後半はひとつずつバラバラに弾くのね。

もうわたしはアリーナの魅力に胸きゅん。ロンドンではもう聴くことが多分できないけど、世界を股にかけて活躍していくアリーナ。どこかでまた聴くことができるのを願っています。アリーナの発見が同じ、BBCシンフォニーの音楽会で、リゲティの協奏曲だったので、最後もまた現代曲で締めるというのは巡り合わせでしょうか。

アリーナとケレメンさん
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so cute!!!
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by zerbinetta | 2012-04-28 23:59 | BBCシンフォニー | Comments(2)

Commented by ありこ at 2012-05-22 13:39 x
つるびねったさんのアリーナinロンドンレポが見納めだなんて…寂しいです~|||||/(=ω=。)\ガーン|||||
知らない曲こそ、アリーナがどんな音で表現するのか興味津々でしたのに~。

が、どこの国でもアリーナを追いかけ続けましょうねvvv
私もいつか日本でないところで、アリーナの生演奏を聴きたいな~と夢見つつ…とりあえず来年の日本公演を楽しみにすることにします。

余談ですがケレメンさん?のヴァイオリンの顎あては私の前の顎あてと多分同じ形で、アリーナの顎あては、つい先日ミーハーにamazonでお買い求めしたものと多分同じ(いやでもこの写真を見ると微妙に違うかもですが)タイプですvvv
Commented by zerbinetta at 2012-05-28 08:38
アリーナ見納めなんて言いつつ、昨日ちゃっかり、チアロスキュロ・カルテットの音楽会聴いてしまいました。近所の大きなお家でのサロン・コンサートみたい感じで、40人ほどの人数で贅沢な時を過ごしました。
普段着のアリーナはめちゃかわいらしかったです。
アリーナはこれから世界中を駆け回ることになるので、例えロンドンに住んでいても聴く機会は減るのでしょうね。実際カルテットの方はロンドンではほとんど弾いてくれないし。活躍は嬉しいけど寂しいですね。
来年はまた来日するのですね。今度は何を弾いてくれるのでしょう。聴きに行けるといいですね♪

顎当て、大好きな人と同じだと嬉しいですねっ。

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