積み木崩しのシベリウス ヴェデルニコフ、BBC交響楽団   

10.05.2012 @barbican hall

shostakovich: the bolt, suite
kalevi aho: trombone concerto
sibelius: symphony no. 1

jörgen van rijen (tb)
alexander vedernikov / bbcso


BBCシンフォニーのシベリウス交響曲全曲演奏シリーズ、今日が最終回。第1番です。指揮者は何故かウマが合うヴェデルニコフさん(ゾンビ)。楽しみ〜〜。

タコのボルトの組曲は管楽器のソロが大活躍する音楽。ポルカやタンゴなんて楽しげな音楽も混じっていて、この組曲版は、もともとのバレエの物語など関係なく、音楽としてあっけらかんと楽しめるのがいい。それにしても、BBCシンフォニーの管楽器の皆さんほんとに上手かった。アクロバティックなソロを難なく吹いて、スリリングな音楽を楽しませてくれます。オーケストラの質量のある音色がぽんぽん跳ねるのも愉しい。拍手のとき、フルートのムカイさんが立たされたけど、この曲は彼女がソロを吹いていたんですかね。とても良かった。

アホさんのトロンボーン協奏曲は去年の作品でイギリス初演。トロンボーンはロイヤル・コンセルトヘボウの主席、フォン・ライエンさん。アホさんってこの間、打楽器協奏曲の新作を聴いたばかりだから、最近アホさんづいてるんですかね〜。ついうっかりアホやねん、と言ってしまいそうです。アホさんは、ずいぶん前に交響曲第9番という実質トロンボーン協奏曲を聴いたことがあるのだけど、正直言って今日のトロンボーン協奏曲は、それに比べてつまらなかった。重音なんかの技巧的な要求も高いのだけど(しかも高音をかぶせていた)、トロンボーンらしい、グリッサンドやスラーや各種ミュートや、そういうものを引き出してるとは言えなかったし。前の交響曲第9番の方がトロンボーンらしさを上手く引きだしていた感じ。今日の音楽はわたしには退屈でした。トロンボーンのフォン・ライエンさんは、完璧に吹きこなしていました。ちょっとかっこいい。プチ・ヴィジュアル系。

シベリウスの交響曲は、なんかちょっと変な感じ。ヴェデルニコフさんはいつもわたしのツボなのになぁと戸惑いながらおろおろ聴き始めました。何かが違う?なんだろう?
シベリウスの音楽って、息の長い旋律が歌われるよりも、小さな積み木のような音がたくさん組み合わさって出来てると思うんです。それは、後期の音楽になるほど顕著だけれども、この初期の作品(チャイコフスキーっぽいとも言われます)からもその萌芽を聞き取ることが出来ます。ところが、ヴェルデニコフさん、その積み木を上手く組み上げることが出来ずに、積み木と積み木の間に小さな隙間を作ってしまったので(決して音と音の間に隙間を空けて演奏しているというわけではありません。もっと感覚的なもの)、積み木が大きな構造にならないのです。その分、細かな構造が見えてきて面白いのですが、最初のうちは戸惑いました。でも、もともとわたしとヴェデルニコフさんの相性はいいので、そしてそれはえこひいきにもつながるのですが、慣れてくるとこれも面白いな、と。BBCシンフォニーは質感のある落ち着いて輝く銅色の金属のような色彩の音で、シベリウスのどこか明るいのに薄暗いひんやりとしてるのに情熱の熱さが迸る音で弾いてるし、わたしは、いいねボタンを押しました。わたしの評価甘過ぎかなぁ。でもいいの。わたしは楽しんでるから。

そうそう、今日はチェロに見慣れない日本人が。あとで調べたらロイヤル・フィルハーモニックで弾いてらっしゃるハナオカさん。ただの客演かしら?それとも入団へのトライアル?
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by zerbinetta | 2012-05-10 09:07 | BBCシンフォニー | Comments(0)

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