餅屋さんにな〜れ ズーカーマン、ロイヤル・フィル ショスタコーヴィチ交響曲第10番   

23.05.2012 @royal festival hall

mozart: the marriage of figaro, overture; violin concerto no. 5
shostakovich: symphony no. 10

pinchas zukerman (vn) / rpo


カレンダーを観てたら1日音楽会のない日が空いてたんですよ。ふむふむ、と思って調べたら、音楽会があるではないですか。最近好印象のロイヤル・フィルハーモニックの。しかもタコ10。指揮はヴァイオリニストのズーカーマンさんなのが不安だけど(だからチケット買ってなかった)、タコだし聴こうかと思って行ってきました。ばか。

わたしは、ときどき書いてるように、餅は餅屋の人なのでヴァイオリニストのズーカーマンさんの指揮はあまり興味ないのだけど、前に1回聴いたとき以外と好印象だったので、まっいいか、と思ったんです。そして始まった、「フィガロの結婚」序曲。これがまあ、めちゃくちゃ良かった。スザンナのように可愛らしくて溌剌として機転が利いて。音楽会の始まりをワクワクさせるような演奏。まさかここで掴まれるとは。やるじゃん、ズーカーマンさん、ロイヤル・フィル。

2曲目は、ズーカーマンの弾き振りで、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」。ズーカーマンさんって美音系の一昔前のスタイルのヴァイオリニスト。ジュリアード系と括れちゃうくらい特徴あるよね(もちろん個々の奏者にはそれぞれ個性があるけど、何となく同じ向きを向いてる)。そんな彼のヴァイオリンだから、今は珍しいロマンティック・モーツァルト。わたしにはちょっとべたべたしてたかな。そして1番の問題は、ズーカーマンさんのテクニックの衰え。もちろん、大きな瑕はないのだけれども、今の若い人は、テクニックがあるのが当たり前だから、そういうのに比べるとちょっとテクニックが危ういし、前はもっと上手かったと思うのね。指揮者と2足わらじのせいかしらと何となく思ってみたり。

ロイヤル・フィルの音楽会、何故かお客さんの質が低い。後ろに座ってた人、演奏中もぺちゃくちゃしゃべってたので、思わず休憩後席を移りました。

最後のタコの交響曲第10番。オーケストラはとても良く鳴ってたし、音的には文句はないのだけど、そして音浴びは楽しかったんだけど、音楽が終わったとたん、ぽっかりと音楽がわたしの中から消えました。何だろう、このキッパリ感。確かに立派な音になってるのに(オーケストラはとてもステキに演奏してくれました)、何も心の中に残らない不思議。ズーカーマンさんは何を言いたかったのだろうって思いました。確かに最近の傾向は、ショスタコーヴィチから、政治とか社会とかもろもろの垢を取り除いて純粋に音楽を演奏するというものだけど、それにしても何もない音楽って。ズーカーマンさんは何を表現したかったんだろう?最後までわたしには分かりませんでした。2足のわらじはどちらにも中途半端になってしまうような気がします。どちらかを捨てる覚悟が必要なんじゃないか、と他人事ながら僭越に思いました。餅屋さんにな〜れ。
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by zerbinetta | 2012-05-23 08:28 | ロイヤル・フィルハーモニック | Comments(0)

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