ジュビリー? ヌニェス、キッシュ、ロホ パゴダの王子   

02.06.2012 @royal opera house

the prince of pagodas

benjamin britten (music)
kenneth macmillan (choreography)
barry wordsworth / oroh

marianela nuñez (princess rose), tamara rojo (princess épine)
nehemiah kish (the prince), alastair marriott (the emperor)
alexander campbell (the fool)
bennet gartside (king of north), valeri hristov (king of east)
steven mcrae (king of west), ricardo cervera (king of south), etc.


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(最後のシーン)

ダイアモンド・ジュビリーです。実はわたしよく分かってないんだけど、女王さまのお誕生日?戴冠うん十周年?で、世間様ではいろいろな行事が予定されてるみたいですよ。なので連休です。ロイヤル・バレエの「パゴダの王子」もジュビリーに合わせたとか合わせなかったとか。開演前のピアノのところにちっちゃな国旗がさしてありました(演奏が始まったらなくなっていましたけどね)。
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「パゴダの王子」が上演されるのは10数年ぶりだそうです。今日はその初日です。マクミランの振り付けた最後のフル・レングスのバレエ。噂によると、微妙だってことだったんですが。。。でも、音楽が始まってびっくり。ブリテンの音楽ステキじゃない!シンプルで、楽器が重ならないのは演奏がとっても難しいと思うのだけど、音楽だけでCDにしてもらいたいと思う音楽。さすがブリテン。わたし的には彼のオペラよりいいなぁ。

お話は単純で(たくさんの象徴や隠喩を含んでるみたいですが)、皇帝が、ふたりの娘に領土を分かつとき、性格の悪い姉のエピーヌ姫には小さい方、優しいローズ姫には大きい方をあげようとしたら、エピーヌが怒ってローズ姫の婚約者の王子をサンショウウオに変える。そしていろいろあって(4人の求婚者がエピーヌの元に来るもローズに魅了されてまたまたエピーヌ怒るとか、ローズが黄泉の国に下るとか)、結局最後は、ローズのキスでサンショウウオの魔法は解けて二人も国もめでたくハッピー・エンド。
ってかいつまんじゃうと他愛のない話ですが、踊りがとってもステキなんです。とってもきれい。特にローズ姫のソロはうっとり。

今日のキャストは、もちろん初日なのでファースト・キャスト。ローズ姫にネラ(マリアネラさん)。エピーヌ姫にはタマちゃん。王子にキッシュさん。性格的な踊りの多い皇帝にマリオットさん。物語をリードしてぴょんぴょん跳び回る道化にはキャンベルさん。そして4人の王にはガートサイドさん、フリストフさん、マクレーさん、セルヴェラさんの豪華メンバー。

皇帝は、死にそうでよれよれな役なんですが(さらにエピーヌに王座を奪われてへろへろ)、コミカルな踊り、特に足のステップがとってもステキ。マリオットさんは、本当に足腰大丈夫かしらっていうくらいの迫真の演技。ユーモアもあってきりりと舞台を締めます。最後、まわりの反対を押し切ってお踊り出すところもきちんと演技して面白いし、勢いに乗ってくるくる回っちゃうのも、もう演技と言うより、皇帝そのもの。こういうキャラクターの作り方をみているとやっぱり演劇の国のロイヤル・バレエはさすがだなぁって思います。

道化のキャンベルさんは得意のジャンプ系を危なげなく披露して安定感のある踊り。舞台をリードする役だけど、ここにプリンシパルじゃなくてソロイストをもってくるのは何か理由があるのかしら(キャンベルさんが良くなかったという意味では間違ってもありません!)。で、4人の王のひとり、西の王にマクレーさんを配して、って素人考えだと逆じゃないかなって思うんですけど。マクレーさんは、役作りが堂に入っていて、シニカルな王が上手いこと上手いこと。踊りも4人の中では一歩抜き出ていました。(実は、メイクが濃いので最初、マクレーさんと分からなくて、顔つきはステパネクさんかなぁって思っていたのはナイショです)
他の王様の皆さんもそれぞれの性格を上手に表現していて、面白かったです。フリストフさんが鏡を持って踊った東の王のゆっくりとした踊りが一番難しそう。フリストフさんかなり神経を使って踊っていたふう。

キッシュさんの王子は、意外と良かったんだけど、もっと良かったのはサンショウウオになってから。キッシュさんって体柔らかいんですね〜。サンショウウオらしいにゅるにゅるした感じで、わたし一番のサンショウウオ。実はわたしサンショウウオ好きなんですよ〜。サンショウウオ捕りに行ったことあるくらい。あっもちろん、ちゃんと池に逃がしてあげましたよ。
ネラは、満を持してというか、もうさすが。ゆったりとした踊りでのバランスなんてどうしてこんなに美しくピッタリ止まるんだろうって鳥肌が立つくらい。バレエのことを何も知らないわたしでも、凄すぎて見入ってしまう。それに、音楽に合わせた、寂しさを秘めた感情表現がとっても上手くって、わたしがネラ大好きなのは抜きにしても、素晴らしすぎ。本当にネラを観てきて良かった。わたしが、ここで、ネラを見つけてずっと観てこれたことが、運命的な出逢いのように思えて、嬉しくて嬉しくてたまりません。それに、最近は、ネラとキッシュさんのパートナーがとってもステキでこのふたりの踊るシルエットがものすごくきれいなんです。ネラはキッシュさんと組むことでさらに輝きそうだし、ロイヤル・バレエはキッシュさんを採って大正解だったんじゃないかしら。まだ若いしまだまだ勉強することもたくさんあるとは思うけど、このおふたりの未来はとっても輝いてる。

とネラを褒めたことをひっくり返すように、強烈な力でオーラを放って舞台に君臨していたのがタマちゃん。むちゃ恐いエピーヌ。それがもうタマちゃんにはまっちゃって。タマちゃんってずばずばものを言うし、きつい人というイメジがあるのだけど、まさにそんなタマちゃんにぴたりの役。踊りはもちろん見事だけど、ネラのオーラを跳ね返すほどのオーラはやっぱすごすぎ。タマちゃんが出てきて一瞬でこの舞台はタマちゃんのものだなって思ったもの。今シーズンを最後にロイヤル・バレエを離れてイングリッシュ・ナショナル・バレエの芸術監督になるので(踊るのはまだ止めないみたいですが)、もしかするとこれがタマちゃん、ロイヤルでの最後の全幕もの。そんな特別な思いもあるのかもしれません。

それにしても、今日は凄いものを観ました。このキャストでもう1度観るので、もう今からわくわくです。これは絶対観ておかなければならない舞台。それを観られたことはなんて幸福なんでしょう。

マリオットさん、ネラ、キッシュさん、タマちゃん、キャンベルさん
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4人の王様、ガートサイドさん、フリストフさん、マクレーさん、セルヴェラさん
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タマちゃん
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ネラとキッシュさん
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by zerbinetta | 2012-06-02 22:11 | バレエ | Comments(0)

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