人気ブログランキング | 話題のタグを見る

こんにゃくゼリーには気をつけて ピレシュ、ハイティンク、ロンドン交響楽団リハーサル   

10.06.2012 @barbican hall

(rehearsal)
purcell: chacony in g minor
schubert: symphony no. 9
mozart: piano concerto no. 20

maria joão pires (pf)
bernard haitink / lso


LSOのディスカヴァリー・デー、シューベルトで、午前中、ロンドン・シンフォニーのリハーサルがあったので行ってきました。ほんとは1日のプログラム(午後はLSOセント・リュークスでシューベルトについての講演と「鱒」の演奏)だったんですが、日曜日に早起きしたせいで眠く、よるも音楽会があったので、午後の部はスキップしてしまいました。

さて、朝10時のバービカン・センター、人が閑散としていて、なんだかいつもの場所じゃないみたい。ロンドン・シンフォニーのメンバーも私服で三々五々集まってきます。リハーサルの朝のこんな雰囲気好き。ハイティンクさんも私服でステージに出てきて、指揮台には椅子があったけど指揮するときはほとんど立ったまま指揮していました。元気なおじいさん。

1曲目のパーセルのシャコンヌは弦楽合奏のとってもきれいな曲。それにしても、当たり前ですが、ロンドン・シンフォニーはリハーサルでもロンドン・シンフォニー。もう上手い。上手すぎる。とろけるように音色がきれいで、もうこれ以上何を望むとこあるのって思うくらいだし、ゲネプロだからもうほとんど出来ているんだけど、ハイティンクさんは、途中止めて気になるところを繰り返させてました。オーケストラの方からもリーダーのシモヴィックさんをはじめとして何人かから意見が出て、お互いに納得のいく音楽作りをしていました。この曲を聴いただけでも今日来た甲斐があります。

2曲目は本番と順番が違ってシューベルトの交響曲第9番(とプログラムに書いてあるのでそう書きます。もちろんハ長調の大交響曲)。ホルンのユニゾンが始まった瞬間、えっ!っと思ったとたんこんにゃくゼリーを飲み込んで喉に詰まらせてうぐうぐびっくりした感じ。テンポが速くてレガートで、わたしの好みとは全然違った。ハイティンクさんはこの曲は、部分部分しかリハーサルしなかったので、全体の音楽がどうなってるのか分からないので、何とも言えませんが、どうなんだろう?序奏ではなく主部の一部(第3主題的に)としての扱い?ううむ。全体を聴いてみたくなりました(残念ながら本番は聴きに行かないのです)。
それにしても、ロンドン・シンフォニーのリハーサル、遅刻してくる人が何人かいて、ロンドンらしくてゆるいなぁって思いました(ロンドンは地下鉄がよく止まるので目的地に時間どおりに着けない、というのをどうやら普通のこととして思ってるフシがあるのですよ)。
そうそう、今日のオーボエの人、めちゃくちゃ上手くて、わたしは、シスモンディさんをロンドン・シンフォニーに呼ぶ会(CLYK)会長なんだけど、今日の人も正直、ロンドン・シンフォニーのスタイルに合ってるし、この人でもいいなか、と悔しいけど思いました。で、あとで調べてみると、なあんだ、フィルハーモニアの主席のコーウィーさんでした。それならロンドン・シンフォニーに横滑りはないかな。安心して(?)CLYKを続けることが出来ますね。

休憩があって最後は、ピレシュさんとモーツァルトのピアノ協奏曲第20番。これは通しで演奏されました。これがもう至福。ピレシュさんのピアノが聞こえたとたんに心がメロメロ。ピレシュさんのピアノは端正で、音楽しか感じさせない。感情も情景も音符の中に、出てくる音の丸い粒の中にビー玉の模様のように閉じこめられていて、音だけが心の上に撥ねるの。本物の音楽を弾くピアニストのひとり。あんなに小さくて手も小さいだろうからハンディもあると思うんだけど、全くそんなことを感じさせない、ナチュラル系のお洋服のように飾らない自然な音楽。ロンドン・シンフォニーも柔らかな上質の音でピレシュさんをサポート。リハーサルでこれだけのものを聴かせてくれるんだから、本番ではさぞかし幸せなときが流れるんだろうな。

PS 本番を聴かれたMiklosさんのブログはこちら

by zerbinetta | 2012-06-10 00:25 | ロンドン交響楽団

<< わたしだったらずるしちゃう エ... 急ぎすぎてないかなぁ ベアトリ... >>