祝!初プロム! でもわたしは音楽会を観に行くんだなぁ   

9.8.2012 @royal albert hall

sibelius: symphony no. 6
delius: cynara
grieg: piano concerto
per nørgård: symphony no. 7
sibelius: symphony no. 3

roderick williams (br)
steven osborne (pf)
john strorgårds / bbc philharmonic


BBCプロムスは、もともとの名前を、なんとかこんたか(確か人の名前)プロムナード・コンサートと言うんだけど(詳しくは各自ググってね)、それは、あらゆる人に安く、気軽にクラシック音楽を聴いてもらいたいからということで始まったそうです。プロムナードは、散歩の意味で、最初は自由に出入りできたり、サンドウィッチを食べながら聴ける音楽会だったようですね。BBCプロムスと名前が変わった今は、演奏の途中で出入りしたりそぞろ歩いたりサンドウィッチを食べるのはできないけど、プラスチックのコップに入ったワインやビールを飲みながら聴くのはOKだし、5ポンドの立ち見の席(ステージの前の一番良い場所と上のギャラリー)はシーズンチケット以外は当日券のみで、誰でも気ままに(とはいえ人気の公演はかなり前から並ばなければいけないんですが)聴ける雰囲気は残ってます。そしてその立ち見の席で聴くことをプロミングと言って、立ち見の席に熱心に通うファンをプロマーと呼ぶんです(プロムに通っても席で聴いてる人はプロマーとは言わない)。わたしは、軟弱者で、当日券に並んだり、音楽会の間ずうっと立って聴いてるなんて、芸当できないから、今までプロムしたことなかったんです。でも、これじゃいかん、一生の思い出に(大袈裟)プロムしようということで、人気がなさそうで空いていそうな(ぎりぎりに行っても入れる&後ろの方で座って聴ける)音楽会を選んでみたのでした。今まで見た感じ、今年はオリンピックのせいかいつもより空いているような気がしたし、国内のオーケストラは空いてる傾向にある気がしたので、今日のBBCフィルハーモニックのシベリウス・プログラムにやってきたのでした。シベリウスはイギリスでは人気だけど、今日のプログラムはマイナーな交響曲第3番と6番なので、真ん中にグリーグのピアノ協奏曲が入るとしてもきっと空いてるでしょう。わたし的には、交響曲第3番と6番はシベリウスの交響曲の中で1、2を争う大好きな曲なので、よくぞ2曲いっぺんにというヨロコビのツボです。でも、こんなマイナーなプログラムでも、ロンドンに来てからシベリウスの交響曲全曲演奏会が2回もあったので、聴くのは第3番は3回目、第6番は5回目です!

いやあずいぶんと前置きが長くなってしまいましたが、のこのこと開演時間ぎりぎりにやってきたわたしも、途中下の通路で音出しをしていたオーケストラの人にすれ違ったり、雰囲気を楽しみながらアリーナへ。もちろん前の方で聴いてやろうという気は端からなく、後ろの方の隙間にちょこんと腰を下ろしました。久しぶりの体育座り。
ぼんやりと天上を見上げていると、清楚なヴァイオリンの響きが聞こえてきて。ああ、大好きな交響曲第6番。でも、今日は耳を澄まして聴くというより、天上にある丸いマッシュルームのようなオブジェを見ながら、音の世界に遊んだという感じです。この曲、作曲家の吉松隆さんもおっしゃっていましたが、わたしも宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い描いてしまうんですね。だからつい上を見上げてしまう。星は出てないけど。演奏はとてもステキでした。雰囲気が良かったし、宙の彼方の構成の光りのような白い冷たい光りが降り注ぐ感じ。初めて聴くBBCフィルハーモニックも堅実に上手くてびっくり。マンチェスターのオーケストラなんですね。イギリスの地方オケも侮れないなぁ。

と、聴いていたのはここまで。今度は寝っ転がって(わたしの他にも寝ころんでた人いたんですよぉ〜)、聴いてるうちにうつらうつら。それにしても突然歌が聞こえてきたときにはびっくり。歌付きの曲だったんですね。ステージが見えないのでステージで何が起こってるのか分からないのです。これはディリアスの「サイナラ」という曲でした。ひと聴きしてディリアスと分かる音楽。
ここでわたしの記憶はぷっつり。グリーグのピアノ協奏曲は、全く覚えていません。うわ〜寝ちゃった。駄目ですね、横になると。とたんにリラックスしちゃう。

休憩のあとは、デンマークの作曲家、ノルガルドさんと発音するのでしょうか、交響曲第7番。デニッシュ放送交響楽団の本拠地のホールのこけら落としのために作曲された曲です。と、こんなことは、聴かなくてもプログラムを見れば書けるのですが、はい、ちゃんと聴いてませんでした。何だかよく分からない曲だなぁ〜とぼんやり。今日のプロム、わたしのやる気のなさが思いっきり反映してますね。アリーナは前に立って気合いを入れて聴いてると違うのでしょうが(たいていそうしてる)、わたしみたいに後ろの方でやる気なさげに座ってるという時点で負けです。まあ、わたしの場合立っていてもちびっ子なので前が見えないから、どちらにせよ負けなんですが。

最後のシベリウスの交響曲第3番は大好きなので、体育座りに座り直して聴きました。ストルゴーズさんのシベリウスは、一切奇を衒わずにそのまま、素直に音楽を作った感じ。そこが物足りないと感じることもあるけど、すうっと音がしみこんでくる。音に棘がないから、引っかからないんですね。わたしが透明になって音がわたしの中を流れゆく感じです。それは、交響曲第3番と6番に共通した特徴でもあると思うんです。

初めてのプロミング、いろんなことを感じました。一番は、わたしは音楽会を観に行くんだな〜ってこと。わたしにとって音楽は聴くだけのものではないということを再認識しました。ステージにいるイケメンくんを探したり、演奏している姿を観るのがわたしの音楽にとって切っても切り離せない、うんと大切なものなんだと分かりました。わたしがちゃんと音楽を聴くには耳だけでは足りないんです。鼻をつまんだらどんなおいしいお料理も味が分からないのと一緒でしょうか。
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by zerbinetta | 2012-08-09 07:57 | イギリスのオーケストラ | Comments(0)

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