極上の生クリームのお菓子の笑顔 ブロンフマン、ラトル、ベルリンフィル ブラームス&ルトスワフスキ   

31.8.2012 @royal albert hall

brahms: piano concerto no. 2
lutosławski: symphony no. 3

yefim bronfman (pf)
sir simon rattle / berliner philharmoniker


滅多に聴けないベルリン・フィルがプロムスに来るというので、わたし的には盛り上がったのだけど、実はうっかり、2公演のうちの1公演しかチケットを取らなかった(取ったつもりになってた)のにしょぼーん。でもね、今日は大好きな大好きな、ルトスワフスキの交響曲第3番が聴けるというのでもう興奮していたのでした。
もちろん、貧乏なわたしは安い上の方の席(でも、立ち見のプロムは、ベルリン・フィルのような人気の公演はずいぶん並ばなければ入れないらしいので却下)で、でもさすが、世界最高のオーケストラのひとつだけある、がんがん音を響かせていました(弱いオーケストラだと遠くで聴くと音が枯れちゃうんです)。

まず、ブラームスのピアノ協奏曲第2番。冒頭からホルンの柔らかな音色にじゅーーん。これは。言葉にすれば野暮になる。極上の生クリームを使ったとろけるようなお菓子。こぼれでる笑顔で、静かにしみじみと味わいたい。わたしの楽しみとして、そして楽しみは笑顔で共有して。本当に上手いオーケストラは、ひとりひとり全員が音楽を理解して弾いている。だから、ちょっとした目立たない和音もはっとするほどきれい。特に弦楽パートのひとつに揃った和音はステキ。木管楽器や金管楽器のソロはもちろんのこと、和音を付ける2番奏者以下もみんなほれぼれするほど上手。この中で演奏しているひとりひとりは本当に心から音楽を楽しんで幸せそう、そしてそれを操るラトルさん、ピアニストのブロンフマンさん、そしてそして、聴いているわたしたちもがみんな幸せになれる音楽。ラトルさんの音楽作りには、人をにこりとさせる幸福感がいつもある。だから、秋のしみじみとした風景のような第3楽章や、風の中を紅葉がきらきらと揺れたり蜻蛉がすいっと横切る第4楽章はもう至福の時。誰のどの演奏がいいとか、そんなことを言い出す意味がなくなるような、ステキな演奏でした。幸せ〜。

休憩のあとはいよいよ大好きなルトスワフスキ。大好きな交響曲第3番。もうこれは、ベルリン・フィルの極上のカラフルな美しさ満開。各パートが恣意的な時間差で入ってくるソロ的な扱いなので、個人の技術と音色がピンと際だって、名人集団のベルリン・フィルにふさわしい。それにしてもすべすべと透明でセロファンを入れた万華鏡のようにきれいでちかちかと色が動き回る。そして最後は真っ白な太陽の光に目が奪われるように天に昇っていく。柔らかな光。わたしが今まで聴いていた、サロネンさんとフィルハーモニアの演奏はもう少し鋭角的だったように覚えてるけど、時を経て(サロネンさんの録音はもう20年以上前?)、音楽もまろやかに熟成してきた(?)。今日はこれが聴けて幸せ。光りに包まれた天使の気分。

会場はもちろん盛大な拍手。「普通はルトスワフスキのこんな素晴らしい作品のあとに何かを演奏することはないのだけど、世界で一番ステキな聴衆のために・・・」とラトルさんのアナウンスで、ドヴォルジャークのスラヴ舞曲から1曲。これまたスピーディーでステキな演奏でした。みんなが楽しげに演奏しているのもラトルさんマジックですね。
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by zerbinetta | 2012-08-31 07:53 | 海外オーケストラ | Comments(0)

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