BBC交響楽団やっと開幕 パパビー降板 サラステ、BBC交響楽団 狂気のタコ4   

4.10.2012 @barbican hall

michael zev gordon: bohortha (seven pieces for orchestra)
mahler: rückert-lieder
shostakovich: symphony no. 4

alice coote (ms)
jukka-pekka saraste / bbcso


最後に、ってロイヤル・フィルさんごめんなさい、BBCシンフォニーのシーズン開幕です。今シーズンのBBCシンフォニーは、前主席指揮者のビエロフラーヴェクさんの退任、次期主席指揮者のオラモさんの就任が来シーズンからなので主席指揮者なしです。ビエロフラーヴェクさんは確か1回振りに来られるんですけど、残念ながら、わたしは聞き逃すことになりそうです。でも、たこよ〜ん。というわけで、ご存じ(?)タコ好きのわたしはとっても楽しみにしてたのでした。シーズン前にアナウンスされていた指揮者はパパビー(何でもヤルビー、じゃなかった、ネーメ・ヤルヴィさん)でした。降板でがっかり、と言いたいところだけど、ごめんパパビー、パパビーとは少しウマが合わなかったのでラッキーって思っちゃいました。サラステさんかっこいいし。

始まりはゴードンさんの「ボホーサ」。ボホーサはコーンウォールの風光明媚な小さな村。BBCシンフォニーが委嘱した新作。初演。副題が示すように7つの小品からなる静かなオーケストラ曲です。次に演奏される「リュッケルト・リーダー」を意識したのでしょうか、マーラーの音楽をちらりと引用していて、耳に親しげな音楽。心に突き刺さる音楽ではなく、ちょっとモダンな前菜みたいな、ケとハレの場面転換を担当するような、それだけでは物足りないけどあとで来るものを期待させるような音楽でした。

2曲目はアリス・クートさんの歌でマーラーの「リュッケルト・リーダー」。クートさんって結構大柄なんですね。オペラでズボン役で観たので小柄に見えたのだけど、女性としてみると大きいんだな。さて、演奏の方。正直言ってわたしの好みではありませんでした。さばさばとザッハリッヒな感じで、テンポも速めで、この曲にもっと甘やかな夢、愛のようなものを求めているわたしとしては(だって、この曲集ラヴ・レターよね)すうっと恋人に立ち去られたあとの後ろ髪を持ち去られてしまった感じ。この曲、男声に歌われる方が好きかも。

でも、最後のタコ4は、サラステさんのザッハリッヒな表現が生きて、クレイジーでとても良かったです。やっぱりタコには狂気がないと。ぐいぐいとノミで削っていく感じ。もしくは、光りを求めて闇雲にトンネルを掘っていく感じ。求心力があるというのが褒め言葉だと思うのだけど、この演奏にはものすごい遠心力があって、しっかり掴まってないと振り落とされてしまいそう。暴れ馬に乗ってるみたいな(想像です)。丸く収めておこうという気配がなくて、外に向かう表現力が凄いです。サラステさんの汗たっぷりのダイナミックな指揮ぶりも惚れ惚れしちゃいます。やっぱりこの人かっこいいです。BBCシンフォニーの重心重めの演奏もとっても良かった。
でも、この時代のショスタコーヴィチって破天荒でアナーキーだけど、音楽の最後には一抹の希望がちゃんとあるのですね。暗く終わったにしても。今日の演奏にはそれを強く感じました。破壊尽くしたあとに(こそ)希望があるということかしら。ちょうどタコ、転換期の音楽。だって、4番はそれまでの純粋共産主義若者路線を捨てて自我の確立に四苦八苦してる作品ですものね。そして若い魂はどんな状況でも未来を信じたいし信じられるんだと思うんです。未来への希望がなくなっていくのは後年の交響曲第13番くらいからかなぁって。そんな音符の後ろまで感じられた演奏でした(それがわたしの独りよがりでも間違っていてもわたしにとって重要なことではありません)。音楽会はこうでなくっちゃ。
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by zerbinetta | 2012-10-04 10:19 | BBCシンフォニー | Comments(0)

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