荒ぶるスミスさんのマーラー5 ヴァルチュハ、フィルハーモニア   

14.10.2012 @royal festival hall

mendelssohn: violin concerto
mahler: symphony no. 5

renaud capuçon (vn)
juraj valčuha / po


マーラーの交響曲第5番、今年フィルハーモニアで聴くのは2回目、全部で聴くのは3回目です。春に聴いたガッティさんとフィルハーモニア、MTTさんとロンドン・シンフォニー、どちらも超名演だったので、もういいやという感じもしたのだけど、今日は期待の若手、ヴァルチュハさん、聴かずにはおれませんよね。

つかみのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、美形チェリストのお兄さんのヴァイオリニスト、ルノー・カピュソンさんがソロってなんていう紹介の仕方、ルノーさんもイケメンなんですよ、ただわたしの好みが弟ってだけで、と思ったら今日はいつもより格好良かった。♡♡♡
ルノーさんは、わたし的にはマッチョ系ヴァイオリニストだと思うのだけど、その彼のたっぷりと脂の乗った広々とした音は、メンデルスゾーンの協奏曲に合うと思うんです。メンデルスゾーンは繊細な音でなよっと弾かれるより、男っぽく弾かれるのが好き。まあとはいえ、ルノーさんのマッチョは汗たっぷりのマッチョではなくて、爽やかマッチョなんですけどね。音がとってもクリアで、今までどうしてあまりピンと来なかったんでしょうって思うくらい今日はステキでした。ルノーさん見直しちゃった。そしてメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲って名曲ですね〜(いまさら)。いろんな人のヴァイオリンで聴いたけどそれぞれが違ってステキ。今日また新しいステキがわたしのファイルに加わりました。

マーラーの交響曲第5番は、ものすごく熱い演奏でした。音楽の幅が大きく、もの狂うように荒々しくて、嵐のよう。疾風怒濤の音楽。若いです。疾風怒濤スタイルは、交響曲第1番の頃で、不惑を迎えたマーラーのスタイルではないかもしれないけど、後年作曲者自身が認めて改訂した若気の至り的なものは、改訂されない音楽の要旨に残ってると思うし、マーラーが最後に書いたベートーヴェン流の弁証法的スタイルは、がりがりと演奏されても似合うと思いました。ストレイトな若者のアイディア。チェコスロヴァキア出身のヴァルチュハさんは、都会に染まってない逞しい木こりのような音楽で、オーケストラをがしがしと鳴らす思い切りの良さは、快哉を叫びたい感じ。ジェットコースターでぐううんと加速度に身を嬲られるような爽快感。
でもその若者指揮者の中心にいたのは実は名物ティンパニのスミスさん。今日のスミスさんの叩きっぷりといったら!荒ぶる音楽を陰に日向に支えるなんてそんな生やさしいものじゃなく、完全に音楽をリードしていたというか、スミスさんに合わせて音楽を設計していた、なんて言っても過言ではないくらいのぶっ叩きぶり。いいもの聴いたぁ。スミスさんファンのわたしは大喜び。大太鼓もばしっと叩いていましたヨ。

それにしても、こんな原初的で混沌としたワイルドなマーラーもいいですね。最近、楽譜が見えるようとか緻密で現代的なのが流行みたいだけど、血湧き肉躍るを具現するような演奏もいい。興奮して夜も寝られない感じ。熱いよ、わたしの血。
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by zerbinetta | 2012-10-14 22:41 | フィルハーモニア | Comments(0)

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