ブリテン・シンフォニアお誕生日コンサート アリーナも出るよ   

27.10.2012 @barbican hall

purcell: hear my prayer, o load
nico muhly: looking forward
bach: concerto for two violins in d minor
britten: les illuminaties
james macmillan: one
prokofiev: symphony no. 1
pekka kuusisto: omg hbd
bach: keyboard concerto no. 5
moondog / macgregor: sidewalk dances

bitten sinfonia, britten sinfonia voices with many guests


ブリテン・シンフォニアの二十歳のお誕生日音楽会。オーケストラに関係の深いゲストの人たちをたくさん迎えて盛りだくさんの音楽会。アリーナやクラシック、ジャズ・ヴァイオリニストのクーシストさん、テナーのパドモアさん、作曲家のニコ・マーリーさん、ピアノのマグレガーさんなどなど。幅広い音楽性のゲストが集まったところは、ブリテン・シンフォニアの面目躍如。

ブリテン・シンフォニア・ヴォイシスの合唱でパーセルの「主よ、わたしの祈りを聞いてください」から始まって、あれれ楽器が入ってるよって思ったら、そのまま重なってマーリーさんの「looking forward」期待とか希望って感じの意味でしょうか。シームレスにそのままパーセルの音楽につながって、ロイヤル・バレエで初演された「マシーナ」でもそうだったけど、バロック音楽との相性の良さを感じました。美しい曲。マーリーさん、オーケストラでチェンバロ弾いてました。髪型で浮いてたけど。

その次はわたしのお目あてのアリーナの弾くバッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲。もちろんアリーナひとりで2挺のヴァイオリンをアクロバット弾きするのではなく、もうひとりはクーシストさんが担当。アリーナが弾き振りです。といいつつ、アリーナが弾き振りすると、去年のAAM(アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック)のときもそうだったのだけど、どこか引っ込み思案で、前に出てぐいぐいと音楽を引っ張る感じじゃなくて、遠慮気味にアインザッツを揃える感じになるんです。というわけで、音楽はどちらかというと(前面に出てるわけではないけど)手練手管の鬼才、クーシストさんが若干リードする感じになりました。アリーナはまだ、オーケストラをリードするよりも、指揮者のいるオーケストラと競奏する方が持ち味が出るんじゃないかなって思いました。でも、控えめながらも肩肘の張らないステキなバッハでしたよ。(あとでプログラムを見たら、アリーナの弾き振りではなくて、振りなしでした。確か事前アナウンスでは弾き振りになってたんだけど。。。うっかりしてました)

というわけで、アリーナを聴きに来たわたしにとってはあとは付録のつもりだったんだけど、わたし的には今日はパドモアさんが歌った、ブリテンの「レ・イルミナティ」が圧巻でした。パドモアさんはほんとにもう大好きな歌歌いだし、ブリテンの音楽がとってもシンプルで素晴らしいの。短い歌曲が9曲続くのだけど、どれも詩情があって、それにパドモアさんの声がのってきて、見事な夕焼け色の世界。これを聴いただけでも十分幸せだな〜。この曲のとき、アリーナは一番前の隅っこの方の席で聴いてました。パドモアさんの出番が終わった次の曲では、アリーナの隣にパドモアさんが入らして、一言二言言葉を交わして音楽を聴いていました。そうそう、全然関係ないけど、この間のアリーナのソロ音楽会に引き続いて、チアロスキュロス・カルテットのセカンド・ヴァイオリンの男の子が聴きに来ていました。彼もアリーナの追っかけ?

マクミランさんの音楽は、何回か聴いたけど、スコットランドのローカル作曲家のイメジです。ローカルだけど国際的だから流行のグローカルだと思ってググってみたら、グローカルって国際的だけどローカルな活動のことなんですね。マクミランさんは反対。ローカルなものを強く根に持ちながら、国際的な普遍的なセンスを持ち合わせている。静かでシンプルな音楽はいつもそう。

さらに(今日は盛りだくさん)、プロコフィエフの古典交響曲。古典と言いつつこの曲ちっとも古典じゃないと思うんですね。結構プロコフィエフらしいとげがいっぱい刺さってる。指揮者のいない、ブリテン・シンフォニーの演奏は、指揮者のリードする個性がないゆえ中立的で、プロコフィエフのとげが丸くなってしまった感じがしました。古典的な演奏も以前はいいと思ったけど今日はシャープな現代的な演奏を聴きたいと思ってしまったのでちょっと物足りなかったです。意外とOAEなんかが昔の楽器、昔のアーティキュレイションで演ったら面白いかなぁ。20世紀の作品だけど。ここでやっと休憩。

休憩後はいきなり雰囲気変わって(何が始まるのかと思ったよ)、クーシストさんのソロで、なんて言うのでしょう、現代音楽とポピュラー音楽のクロス・オーヴァー。エレクトリック・ヴァイオリンを足下にあるたくさんのペダルで音を加工しながら(多分半分即興で)音楽を作っていくんだけど、正直あんまりよく分かりませんでした。結構長かったぁ。

そして、いよいよマグレガーさん登場。マグレガーさんは音楽会シリーズを持ってたくらいブリテン・シンフォニアと親密な関係。この人もクラシックとポピュラーの間を自由に飛び回る音楽家。超かっこいい女性。最初は弾き振りでバッハの協奏曲BWV1056。彼女のバッハ、評判いいので楽しみでした。そして楽しみ通り。バッハの持つかちかちとした矩形が角が取れて丸みが帯びた感じで、幾何学的なピアノの音がとんとんと心を打つ。智と情のとっても絶妙のバランス。

最後は、ムーンドッグ。アメリカのジャズの音楽をマグレガーさんが編曲したそうですけど、ジャズに疎いので原曲はちっとも知らず。でも最初っから親しみやすいのでとっても楽しめました。マグレガーさんはここでは弾き振りと、ピアノが入らない曲では指揮台に立って指揮をしました。黒のパンツスーツ姿のマグレガーさんがかっこよくて超ステキ。指揮姿のマグレガーさんもっと観たいと思いました。ドラムスとか、サックスとかゲストの音楽家がたくさん入って賑やかにお誕生日をお祝い。それにしても今日の玉手箱をひっくり返したような音楽会。ブリテン・シンフォニアの柔軟性をしっかり堪能できたわ。

ブリテン・シンフォニアのお誕生日なのに肝心のブリテン・シンフォニアについて書かなかったので最後に。このオーケストラ、多分全然有名じゃないけど無茶上手いです。古楽から(古楽器を積極的に使うオーケストラじゃないけど)、現代物、さらにはクラシックの外側の音楽まで、幅広い適応性で、どれでも一流のレヴェルでこなすし、指揮者を立てない団体なので自律的なアンサンブルも完璧。全体がひとつの生命のように演奏します。レパートリーもユニークだし、もっと知られてもいいなぁ(と言いつつわたしも聴いたの2回目)。
何はともあれお誕生日おめでとうございます。これからのさらなる発展を願って。30年後、50周年のお誕生日でお会いしましょう(ってわたし、いくつになってるんだ)。
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by zerbinetta | 2012-10-27 22:54 | イギリスのオーケストラ | Comments(2)

Commented by ありこ at 2013-03-21 11:01 x
アリーナのドッペル、いつか生で聴きたいな~vvvと思っていたので、羨ましいです~!
最近自分の弾ける曲を、好きなヴァイオリニストがどう弾いているのか、プロはどう弾くのか、真面目に聴くようになりました。聴くだけでも違いはわかりますが、見ると色々な着眼点があって、面白いです。

Youtubeで視聴したメニューイン先生(Vn1)&オイストラフ(Vn2)の演奏は、メニューイン先生の方にちょっとロマンティックな雰囲気があって、オイストラフが退いて合わせている感じだったのですが、逆にオイストラフ父(Vn1)子(Vn2)の演奏はカッチリしていたんです。
アリーナは今回退きですか~~どんな音か興味津々です。
Commented by zerbinetta at 2013-03-24 13:35
ええ、聴きましたです。2重協奏曲。でもこのプログラム、最初はアリーナのソロでバッハの無伴奏になっていたのだけど、いつの間にかに2重協奏曲になっていたのでした。ラッキー♪
わたしは初めて聴くので、ぼんやりと音楽を楽しみました。確かアリーナって、メニューインのお葬式でニッキーと一緒にこの曲弾きましたよね。
アリーナは出しゃばらないソロで、でも求心力のあるさすがアリーナっていう感じでした。とても音楽を楽しんでいる様子でした。

ありこさんはもう秋のアリーナとセドリックさんの公演のチケット取ったんですね〜。わたしも名古屋の方に行けたら安かったのに。。。東京のチケット発売はまだなので、ドキドキします。その頃にはシューベルトのCDも出ていますかね〜。

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