ロンドンからびっくりニュウス オシポワさん♡ロイヤル・バレエのプリンシパルに
2013年 04月 09日
わたしは、とても良かったと思います。ロイヤル・バレエ、去年のシーズンを最後にタマちゃんが辞め、さらにガレアッツィさん、ベンジャミンさんが今シーズンでの引退を表明しています。3人もプリンシパル・バレリーナがいなくなると、これだけ多くの公演をこなすバレエ団には無理が生じそう。ダンサーの負担も心配です。だから、新しいプリンシパル・ダンサーが早急に必要。そういう意味でも、若いプリンシパルを迎入れられることは、バレエ団にとって大きなメリットです。
でも、でも、外から招くより,自前のダンサーを昇格させれば,という意見もあるでしょう。でも、素人の意見で申し訳ないけど、今すぐにプリンシパルに上がれそうなダンサーはいないのが現実。一番近いのは、ユフィさんだと思うのだけど、技術的にも上手くてとてもステキな踊りを踊る方だけど、勢いというか、プリンシパルに備わってるオーラみたいのがまだ感じられないんです。数年前に初めて観た頃は、ファースト・ソロイストになりたてで、上に登る勢いがあったように思うんです。今は少し安定しちゃった感じ。オーラが出てくれば確実にプリンシパルに上がれる人だと思うので、がんばって欲しいです。今、勢いがある人は、ソロイストのベアトリスさんとファースト・アーティストの金子扶生さん。高田茜さんは怪我で長く休んだので出直しですね。怪我をする前は,一気にプリンシパルに行くんじゃないかってくらいの勢いがありました。ここ何年かでプリンシパルに上がる人は、この4人プラス一皮剥けるクレアさんかしらね〜(わたしの予想)。ただ、誰にせよ,すぐに上がれるというわけではないですね。
ファンの人たちが,一番心配しているのは,彼女の踊りのスタイルが,ロイヤル・バレエのスタイルとかなり違っていること。技術的にもうんと良いものを持ってるし、煌びやかなオーラもあるんだけど、ロイヤル・バレエに合うかどうか。去年、白鳥の湖に客演したとき,わたしも観に行ったのですが、確かに異質。かなり異質。
でも、異質なものを投げ入れて化学反応を起こさせるのは、とっても大事な、そして良いことだと思うんですね。伝統とかいうけど、伝統って同じことをずうっと続けることではない。保守的で出る杭を打ってしまう日本人のわたしたちからみれば、えっと思うかも知れないけど、多分、イギリスの保守は全然違う感じ。伝統ありながらも、産業革命とか科学とか近代資本主義とか帝国主義とか最新鋭のものを生み出してきたように、新しいもの異質なものへの寛容があると思うんです。ロイヤル・バレエだって世界中からダンサーを集めて、それでもきちんとロイヤル・バレエという揺るぎない伝統を保ってる。良い悪いではなくそれがロシアのバレエ団と決定的に違うとこ。オシポワさんは、ナトリウム(ナタリーのNa)を水に入れた時みたいに、激しい化学反応を引き起こすかも知れないけど、それはもしかして良くない結果を生み出すことになるかも知れないけど、それでも化学反応を求めるバレエ団には拍手をしたい。去年芸術監督を引退されたモニカさんの言葉、「変化こそがわたしたちを成長させる'change is what makes us grow.'」がしっかりと実践されてる。これはステキなことじゃない♡
わたしは、正直言ってオシポワさんの踊りはあまり好きではありません。でも、それ以上に、彼女が入ることで引き起こされる変化を期待します。
ただちょっと残念だったのは、オシポワさん、来シーズンの最初の演目、「ドンキホーテ」を踊るのではなく,デビュウはジュリエットなんですね。もったいない。
じゃなかった、もっと残念なのは、来シーズンの秋の公演の主役にプリンシパル候補(とわたしが思う)人たちが、「くるみ割り人形」を除いてキャスティングされていないこと。ファースト・ソロイストやソロイストたちにもチャンスを与えて欲しいです。個人的にはジュリエットでユフィさん観たかったし(観に行けないけど)。唯一、なんと!金子扶生さんがキトリを踊りますね。なんか凄い!超期待。
というわけで、離れてしまっても元地元のロイヤル・バレエが気になるわたしです。
by zerbinetta | 2013-04-09 22:37 | バレエ