指揮者バブル 東京のオーケストラ   

せっかく、日本に帰ってきて東京の近所に住んでいるので、地元らぶ主義のわたしとしては、どこかホーム・オーケストラを決めたいなって思ってるんです。ロンドンでは,ロンドン・フィルがそうでした。そんなわけで、東京のオーケストラのこといろいろ調べてるんだけど。ちょっとびっくり。

まず、それは、指揮者さん。なんでこんなにいっぱいいるの〜〜?指揮者のポジション・バブル。インフレイション。

例えば、N響は、
名誉音楽監督(music director emeritus)
桂冠指揮者(conductor laureate)
桂冠名誉指揮者(honorary conductor laureate)
名誉指揮者(honorary conductor)
名誉客演指揮者(honorary guest conductor)
正指揮者(permanent conductor)

読響は、
常任指揮者(principal conductor)
正指揮者(resident conductor)
桂冠名誉指揮者(honorary conductor laureate)
桂冠指揮者(conductor laureate)
名誉指揮者(honorary conductor)
名誉客演指揮者(honorary guest conductor)
特別客演指揮者(special guest conductor)

東京都響
プリンシパル・コンダクター(principal conductor)
レジデント・コンダクター(resident conductor)
プリンシパルゲスト・コンダクター(principal guest conductor)
桂冠指揮者(laureate conductor)
永久名誉指揮者(permanent honorary conductor)

東京交響楽団
音楽監督(music director)
桂冠指揮者(conductor laureate)
常任指揮者(permanent conductor)
正指揮者(resident conductor)
首席客演指揮者(principal guest conductor)
永久名誉指揮者(permanente honorary conductor)

東京フィル
常任指揮者(chief conductor)
桂冠名誉指揮者(honorary conductor laureate)
名誉指揮者(honorary conductor)
桂冠指揮者(conductor laureate)
専任指揮者(permanent conductor)
指揮者(conductor)
永久名誉指揮者(permanente honorary conductor)

と、切りがないんですけど,何でこんなにたくさん?東京フィルの「指揮者」なんていうのはナゾだし、ここには挙げなかったけど新日フィルには、ミュージック・パートナーとかミュージック・アドヴァイザー(このふたつの違いが分からない)が音楽監督の他にいるし、セイジの友達なんて役職まである。職位がインフレなので、対応する英語も四苦八苦。resident conductorなんて、residentは研修生という意味が強そうだから正指揮者の訳としては無理がありそうだし(もしかしてほんとに研修指揮者のことをいってるのだったらごめんなさい)。permanent指揮者も、本当に亡くなるまでずうっと指揮者なのかしら。N響はそうみたいだけど。音楽のこととか運営のこととかでけんかしたらどうするのだろう。名誉職ならいざ知らず。

我らがロンドン・フィルは、とってもシンプル。
principal conductor(首席指揮者)と
principal guest conductor(首席客演指揮者)だけ。

ロンドン・シンフォニーはちょっぴり多くて、
president(総裁)
principal conductor(首席指揮者)
principal guest conductor(首席客演指揮者)
conductor laureate(桂冠指揮者)
assistant conductor(副指揮者)←研修生みたいなの

フィルハーモニアは、
principal conductor & music adviser(首席指揮者、音楽アドヴァイザー)
conductor laureate in life(終身桂冠指揮者)
conductor laureate(桂冠指揮者)

ニューヨーク・フィルは、
music director(音楽監督)
assistant conductor(副指揮者)
laureate conductor(桂冠指揮者)
music director emeritus(名誉音楽監督)

シカゴ・シンフォニーは、
music director(音楽監督)
helen regenstein conductor emeritus(名誉指揮者)

ベルリン・フィルやコンセルトヘボウ、ゲヴァントハウスは、ウェブで分かるのは、ひとつだけ。それぞれ、
chefdirigent、chef-dirigent、kapellmeisterです。
基本的に職位が少ないんだけど,さらに、各職位はロンドン・シンフォニーのゲスト・プリンシパルはふたりいるけど基本的にはひとりずつ。名誉職の指揮者だって、たいていはひとりで新しい人がなると古い人の名前は外されていく。東京のオーケストラの方は,ひとつの職位に何人も指揮者がいたりして。なんか、誰が音楽上の責任持つの?って、船頭多くしてって感じがする。

実際そこが心配。だって、ウィーン・フィルはいざ知らず、オーケストラって、ひとりの指揮者が中心になってオーケストラの音を作っていくもんでしょ。たくさんの指揮者がいて方向が上手く定まらないじゃない。N響なんて名誉職しかいないし。どういうふうに、指揮者を雇ってるか知らないのだけど、こういう職名にお金を払ってるんなら全くの無駄。もしかして、東京のオーケストラお金持ち?

ちらりと言ったように、わたしはオーケストラの音は指揮者と(+ホールと)の共同作業によって作られていくと思うので,きちんとしたヴィジョンのあるオーケストラを好きになりたい。だから、音楽監督(music director)、常任指揮者(principal conductor or chief conducor)は大事。だけど、まだしっかりとはチェックしてないんだけど、各オーケストラで、常任指揮者(名前はどうでもいいけど中心になる指揮者)がオーケストラを振る割合が少なすぎない?半分とは言わないけど、定期公演の3分の1くらいは振ってもらわないと。特に上を目指すオーケストラはね。
ロンドン・フィルがわたしのオーケストラだったのは、そこに理由があります。ロンドンで1番首席指揮者(ユロフスキさん)が多く振っていて、指揮者とオーケストラの勢いがありました。

そんなわけで、まだホーム・オーケストラを決めかねてるわたしです。わたしの好きなオーケストラは上手なオーケストラではなくて、勢いのある進む方向が明確に見えているオーケストラです。オススメのオーケストラがあったらぜひ教えて下さいね。
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by zerbinetta | 2013-04-12 23:20 | 随想 | Comments(0)

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