バートウィスルさんの音楽を聴いてみる   

今度、勢いでハリソン・バートウィスルさん(サー・ハリーさん,1954年生まれ、イギリス)の音楽会を聴きに行くことになって、慌てて予習。っていつもはそんなことしないのだけど、全く初めてというのもあれだし、CD持ってるし、せっかくだから手元にあるCDを聴いてみることにしました。音楽会で聴く曲とは別の曲です。でもどんな曲を作る人なのか傾向はきっと分かるでしょう。

って、CD持ってるなら初めてってことはないでしょう、とおっしゃった方,鋭い。音楽会日記の中にも彼の名前が出てきたハズと気づいた方、それはちょっとストーカー気味よ。自分でも忘れてたんだから。と言うわけで、初めてではありません。CDの方は持ってるだけで、なぜか、わたしが持ってたCDプレイヤーで認識してくれず(今家にあるのは大丈夫です)。

持っているCDはブーレーズさん指揮のアンサンブル・インテルコンタンポラン、ソプラノのクリスティーン・ホイットルジーさんの演奏で、言葉の意味が分からないので原題で書くと「tragoedia (1965)」「five distances (1992)」「three setting of celan (1989-94)」「secret theatre (1984)」が入っています。のっけから,なんだか能管のようなフルートで、キーンとする耳に鋭い響きが続くと思いきや、メロディっぽいのがあったり,和声的であったり、上手に過去の様式を取り入れていて、意外に上手い具合に親しみやすい音楽だったりして、心地の良い音楽。そして、大事なことは、音楽に力があるので、聴いてとっても面白いんです。何回も聴いてみたくなる、聴くに耐えうる音楽。

芸術音楽って現代音楽に限らず、最初、聴き慣れないととっつきにくいというか,分からないというか、難しく感じちゃって構えちゃうよね。わたしも、クラシック音楽を聴き始めた頃は,ベートーヴェンもモーツァルトもすぐには分からず、退屈でした。マーラーやショスタコーヴィチに至ってはがんがんと音が鳴るだけでちっとも分からず。でも、何回も聴いてるうちに身体になじんできて、今でもよく分かってるとは言えないけど、楽しんで聴けるようになってきました。音楽ってツンデレなの。ツンとされても聴き始めなきゃ仲良くなれないの。
多分、聴き慣れていない音楽を最初に聴くにはコツみたいなのがいるのかも知れません。それはいろんな音楽の経験で培われていくのでしょうけど、なんて言わないで、何でも聴いてやろう,かかってきなさい、じゃなくて、ぽわんと素直に聴いちゃえばいいんじゃないかなぁ。現代音楽ってムズカシイって言うけど,それってほぼウソで(きっとアンチゲンダイ音楽組織の陰謀キャンペーンの成果)、普段なにげに耳に入ってくる音楽って、今の音楽だから音の世界は意外と耳なじんでると思うんです。テレビや映画の背景にかかってる音楽だって、よく聴いてみると結構イケテル音楽かかってるし。それにサー・ハリーさんの音楽そんなに難しくないよ。

サー・ハリーさんの音楽は、劇場的な音楽なので、頭の中で何かドラマの場面を思い浮かべて聴くのも良いかも知れませんね。って言うとそれは間違いって怒る人もいるかも知れないけど、聴き方は自由であっていい。聴いて楽しんじゃったもの勝ち。ショスタコーヴィチやベルクまで聴いてる人は、きっと楽勝に聴けると思うし、今の音楽を楽しむ入り口にはぴったりな感じの音楽なんですよ。新しいものをぜひ聴いてみましょうよ。聞かず嫌いは止めてさ。と、1000円で聴ける学生さんにはぜひ言いたい。うらやましいぞ。


サー・ハリーさんについては、わたしの長閑なブログを読むより、以下のステキなペイジを読まれるのがよっぽど良いでしょう。

サー・ハリーさんのお弟子さんのなかにしあかねさんの文章

ツイ友の音楽ライター、後藤菜穂子さんの文章

今回、日本初演が行われるヴァイオリン協奏曲。2011年のプロムスでの演奏(イギリス初演)がここからダウンロードして聴けます。
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by zerbinetta | 2013-05-21 00:19 | 随想 | Comments(0)

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