絶対クラヲタいる! 船橋たちばな管弦楽団 第7回定期演奏会   

2013年8月31日 @習志野文化ホール

チャイコフスキー:スラヴ行進曲
グラズノフ:ピアノ協奏曲第2番
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

御法川恵里奈(ピアノ)
井田勝大/船橋たちばな管弦楽団


8月も最後の日だというのにむわ〜んと暑いです。風があるだけまだマシかしら。今日は、船橋たちばな管弦楽団を聴きに津田沼に行ってきました。駅から習志野文化ホールまでの道が、無機質な感じでちょっと変なデザインの構造で炎天を有無を言わさず浴びるのであまり好きではありません。頭焦げちゃいます。

船橋たちばな管弦楽団は、珍しい(?)船橋市立高校のオーケストラの卒業生が中心になってできた団体。団員の中には白髪の交じった人も混じっていましたが、大学生、社会人の若いオーケストラです。若さがどう出るか、ドキドキワクワク。指揮者は、前にバレエの公演でとても好印象だった井田勝大さん。

最初は、チャイコフスキーの「スラヴ行進曲」。中学生の頃、吹奏楽の人たちが演奏してるのを聴いたことがあります。出だしは、なんだか、弦楽器、木管楽器、金管楽器のそれぞれのテンポ感が微妙にずれてるようでちょっと目眩。正直、今日はどうなるんだろうって思った。でも、フォルテになると俄然、鳴らして、縦の線をきれいに揃えてきて、ああ、やっぱりアマオケはフォルテだわって感じ。なかなかいけるじゃんって思いました。突き出しはちょっと古い枝豆かなってがっかりしたら、2品目に出てきた揚げ出し豆腐は、うん、なかなかって感じ。ぷはーっとビール。

次は、グラズノフのピアノ協奏曲第2番。えっ?どうやらこの曲、日本初演だそうです。ついこの間、プロムスで、トリフォノフのピアノ、ゲルギーとロンドン・シンフォニーで演ったんですね。奇遇。
それにしてもよくこんな珍しい曲拾ってきたな。ステージ・ビルによると、団員がやりたい曲、という曲で選んだそう。多分、マニアックなクラヲタさんがひとりいて、絶賛推薦推し押ししたんだろうな。CDか何かを聴かせて。普通だったら、やらないよね。ロシアだったら(奇遇なのかわざとなのか今日はロシア・プログラムです)、ロシアのピアノ協奏曲で変化球なら、チャイコフスキーの第2番とかスクリャービンのが普通よね(えっ?)。
曲は、なんだか気の抜けた感じの弦楽器のメロディから始まりました。ううむ。たくさんきれいなメロディが出てくるんだけど、なんだかとりとめがなく、メランコリックになったり、快活な舞曲になったり、もう旋律の流れにぷかぷか浮いて流れていくようにぼんやり聞くのがいい感じ。最後は、無理やり全曲を統一するモチーフで締めたけど、確かにきれいだけど印象に残らない人、みたいな、クラヲタ向けの知られざる佳曲にふさわしい感じでした。
ピアノもはっとするようなものを聴かせてくれるでもなく、きれいなメロディをなぞっていく感じに書かれています。今日ピアノを弾いたのは、御法川恵里奈さん。Kカンパニーでコレペティートルをやってる人なんですね。指揮の井田さんもKカンパニーで振ってるのでそのつながりかな。すらっとした美人さん。とても丁寧に整った演奏だったのだけど、曲が曲だけにあまりインパクトがなかったです。リスクを犯しての、オーケストラへの挑発があればって思いました。もう少し音量があったら良かったかな。
素直に言って、曲そのものに力のない作品の演奏は、多分それを上手く演奏しただけじゃダメ。何か突っ込んで解体して再創造していかないと心に残る音楽にならないと思うんですね。曲の価値以上の演奏をするのを若いアマチュア・オーケストラに望むのは酷かなぁ。3品目に頼んだ、お豆腐のふわふわ淡雪は、なんだかよく分からない創作料理だけど、上手くまとまっているけど、ぼんやりした印象で記憶に残らない感じ。お箸を置いたら何を食べたか忘れてしまいました。

最後は、タコの交響曲第5番。出だしの鋭い低弦は、若者のオーケストラでは重さが足りない。もっと内側からえぐるような力が欲しかった。弦楽器も管楽器も健闘してるんだけど、技術的に少し足りないのが惜しい。(大好きなタコなので厳しいこと書きます)特に、音程の悪さが、不協和音を汚くしちゃってるし、セカンド奏者の曖昧さがそこにあるはずの音楽を見つけづらくさせていました。それから、レガートのフレージングに音を変なふうに膨らませる癖が全体にあって、聴き心地の悪さを感じました。どのパートも同じようにそうしていたので、もしかしたら高校の指導者の癖?第2楽章と第4楽章みたいな盛り上がる音楽は、上手く弾けてたのでおしいなぁ。フルートのトップの人がひとり気を吐いていました。あとは、フルートとソロを取ったときのオーボエ、フルート、コントラファゴット、小クラリネットの人が上手かったです。井田さんは、安全運転で自分のやりたいことができていなかったように聞こえました。オーケストラの今できる最良の音を引き出すのに精一杯だったような。最後の方でテンポを上げたのが唯一の主張かな。残念ながらオーケストラの人たちがまだ、ショスタコーヴィチの音楽を理解していないように思えました。最後終わったとき、オーケストラの人の多くが、なんだかぼんやりとした表情をしていたのが残念です。この音楽から、演奏して、心を動かされたというのが見えなかった。充実感みたいのも見えなかったし、どうして演奏してたんだろう?わたしの方も、ベルトのバックルが変だなぁとか、ジャケットのボタンはするのしないの?とか、どうでもいいようなことを気にしながら聴いてしまっていたんですが。大好きなタコの唐揚げが薄味でタコのうま味が生きていなくてちょっとがっかりしたみたいな。

でも、若い人たちのオーケストラ。これからどんどん成長していって欲しいです(コンサートマスターの人もステージの仕切り方を勉強してね。拍手が終わっても退出しないのでオーケストラの人もお客さんもどうしていいのか分からず困っていましたよ)。まだまだ伸びしろあるのですから。ひとりひとりは上手いし、ポテンシャルは十分あると思うんです。しっかり練習して、歳(年)と共に成長していくことを期待してます。音楽の演奏でずっとつながっていけるなんて幸せでなんて羨ましいんでしょう。貴重な美しいときを大切に育てて下さいと、昔若かったわたしは思うのです。情熱、有り余ってるでしょ。

アンコールはグラズノフの「ライモンダ」から「キャラクターの踊り」。(ピアノとハープの人、出番がないからといってステージを降りることないと思うよ)もう一度、ビールをぷはー。って飲めないわたしは、エア・ビールだけどね。
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by zerbinetta | 2013-08-31 23:58 | アマチュア | Comments(0)

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