プロコフィエフってもっと快活でユーモアのある人だと思うよ 都民交響楽団第116回定期演奏会   

2013年9月28日 @東京文化会館大ホール

シベリウス:交響曲第6番
プロコフィエフ:交響曲第5番

冨平恭平/都民交響楽団


連戦です。中野から上野に行く間、電車にゆられてアマチュア・オーケストラをどんなふうに聴くか、楽しむかつらつら考えていました。一流のプロの演奏を聴くのと同じなのか、聴く方として同じように音楽を楽しめるのか、なんてことをとりとめもなく。答えがでるでもなく、いつかこのお話はしてみたいと、未来に向かって賽を投げて。

都民交響楽団は幻のアマチュア・オーケストラとも言われているそうです。なぜって定期演奏会が全部往復はがきで申し込みの招待制だかららしいんです。招待制っていうのはいいんだけど、往復はがきとは。。。それを当日、会場でチケットと引き替えなきゃいけなくて、長蛇の列。2000人ばかりの人にふたりの人で対応するのだから。これもうちょっとなんとかできないのかなぁ。来た人に良い席から確実に配分できるのは良いことだけど(無料の指定券を送る方式だと来ない人もいるだろうから)、それでもちょっとアナクロ感はぬぐえないよね。並ぶの嫌いだし。

そんな負の感情のまま音楽会へ。ところが。音合わせの音を聴いて、しゃきん。いい音じゃない。期待してもいいかな。でも、プロコフィエフはともかく、シベリウスの交響曲第6番は、始まりの透明な弦楽アンサンブルが命になるので、アマチュアには難しいかなって思ったんです。でも、このオーケストラの透明感はどうでしょう。プロ並みと言ったら言い過ぎだけど、ものすごく高いレヴェルで音楽してる。っていうか、技術的なことにあまり惑わされずに音楽に集中できる。すっきりした演奏もわたしの好み。前に聴いたサラステさんの演奏のような解釈。第1楽章の真ん中あたりの木管楽器の速いパッセージのバランスとか、第1楽章の最後で大胆にテンポを落とすとか、平穏さを保ちながら進む最終楽章とか。弦楽器があまりヴィブラートをかけないのもステキ(これは、アマチュアのオーケストラの弦楽器の特徴かな?)。演奏の姿勢に、ではなく純粋に音楽に感動しました。

プロコフィエフの交響曲第5番は、ねっとりと糸を引く重さ。なんだかとても気分が重くなるような暗い音楽。テンポは基本的にインテンポで、焦らされるほどにゆっくり目。確かにプロコフィエフのこの曲にそんな面もあると思うんですよ。でも、同時にプロコフィエフの音楽って突き抜けるユーモアもあると思うんです。そのユーモアの部分がほとんど感じられませんでした(特に第3楽章と第4楽章のヴォーカロイドの歌が似合う速い楽章で)。最後もっとはちゃめちゃに速くなってくれーーーって思いながら聴いていたけど、息が苦しくなるまで潜って、死にそうになって最後、水面に出てぷはーと息した感じ。我慢に我慢を重ねて我慢し尽くした。そこまで徹底的に重苦しい曲なのかな、とプロコフィエフ好きのわたしは思うのです。そう言えば、前に聴いた金山さんの演奏も同じような感じだったな。経験が少ないのに強引だけど、日本の人はプロコフィエフの音楽をこういうふうにみてるのかしら。もっとたくさん聴いてみたくなりました。

オーケストラは穴がなくてとても上手い。コンサートマスターの人のソロはなかったけど、この人めちゃ上手そう。ずっとにこやかに弾いていて。あとで調べたら、ヴァイオリンの先生で、練習用のCDまで出している方なんですね。どうりで。このオーケストラは、練習が厳しくて(毎回出席することを義務づけてる)、団員になっても4年に1回、試験があるそうです。めちゃ音楽に真面目。こういうオーケストラを聴くのはいいな。(ただ、全てのアマチュア・オーケストラがみんな、こんなふうに厳しくなるべき、とは思いません。趣味で音楽をやるのにはそれぞれいろんな制約があるでしょうから)

アンコールには、シベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」。弦楽器とティンパニの音楽。この曲もとても美しく演奏されました。シベリウスステキ。管楽器はお休みだったので、きっとあると思っていたとおりアンコールはもう1曲。今度は、プロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」から行進曲。この軽快な行進曲もなんだか随分重く演奏されちゃいました。ユーモア満載のオペラなんだけどな。冨平さん、シベリウスはとってもステキに演奏するのに、プロコフィエフはわたしの好みからするとちょっと重すぎ。この人は透明度の高い音楽の方が得意なのかも。

このオーケストラ、一発で好きになってしまいました。はがきを出しても当たるかどうか分からないけど、せっせと聴きに行こうと思います。チケットが必ずもらえる賛助会員になればいいのかな。
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by zerbinetta | 2013-09-28 23:59 | アマチュア | Comments(0)

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