小粒かな〜 オーケストラ・プロジェクト2013   

2013年11月13日 @東京オペラシティコンサートホール

金田潮兒:管弦楽の為の『音聲三態・Ⅲ』~尺八独奏部分を含む~
糀場富美子:「わだつみの波」管弦楽のために
小山和彦:ピアノ協奏曲第2番
土居克行:M.ソプラノと管弦楽のための R.Mリルケによる「三つの詩」

福田輝久(尺八)、及川浩治(ピアノ)、山下牧子(メゾソプラノ)
大井剛史/東京交響楽団


招待券のプレゼントに当選したので聴いてきました。オーケストラ・プロジェクト2013。現代音楽の音楽会です。実は、ワーグナー生誕200年、ルトスワフスキ生誕100年という宣伝文句だったので、彼らの曲が演奏されると思ったんだけど、全然違った。日本人の作曲家4人の作品。全部初演!

オーケストラは1990年からずっと担当している東京交響楽団。女子率の高いオーケストラです。指揮は大井さん。前に、アマチュアのプロースト交響楽団で聴いたことがありましたね。

最初の曲は、金田さんの「音聲三態・Ⅲ」。この曲は申し訳ないけど、わたしはダメでした。学校の先生が書いたみたいな感じでちっとも面白くない。途中で尺八が客席から現れるんだけど(そして舞台袖に出て行く)、尺八のメロディが、せっかく尺八を使ってるのに西洋のイディオムだし(音色だけが欲しかった?)、アクセントを効かした3つの分散和音の音がしつこいほど繰り返されて耳について、結局なんだったんだろう、耳に残るのはそれだけみたいな。それだけでいいの?いいはずないって感じ。

2番目の糀場さんの曲は、始まり、清とした美しさに心惹かれました。確かに魂が波に漂うような音楽。中間ではちょっと烈しい部分が「春の祭典」に大まかなニュアンスとして似た感じがあって、最後はすうっと静かに引いていくように終わるのだけど、最後の部分がもっとステキだったらと思いました。出だしがとても良かったので、あんな空気感を引き摺って終われば(もちろん、最後に言いたいことは始まりとは違うのでしょうけれども、音の響きがちょっとありきたりな感じがして、凜とした美しさの中に曲を閉じればもっと良かったのに)って思いました。でも、今日の4曲の中で一番を挙げるとしたら、全体的に小粒だったけど(コンクールの審査員かい?!)この曲でした。

休憩を挟んで3曲目は、小山さんのピアノ協奏曲第2番。ソリストの及川さんが、気合い入りまくりで、切れんばかりにネジ巻いた、ミニ四駆(とここまで書いてみて調べたらミニ四駆って電動だったんですね。知らなかった、仕切り直して)、思い切りネジを巻いた車が手を放したとたんに全速力で走り出した感じで音楽が、始まって、そのままハーフマラソンを100メートル走のテンションで走り抜けたような演奏。すごい。。。
曲は良くも悪くもレパートリーになることを指向して書かれた感じ。とっても分かりやすい。第1楽章はラフマニノフの協奏曲のつなぎの部分を抽出してつなぎ合わせた感じ。ラフマニノフそのもののロマンティックな叙情性はないけれども、ちょっとその香りを感じるような。プロコフィエフのような強靱な金属性を感じさせるところもあったけどでも、やっぱりラフマニノフだな。第2楽章はその色合いは薄くなって、第3楽章の即物的な感じはバーンスタインのピアノ曲?と勝手に自分の知ってる音楽に近似してるんだけど、この曲は、再演率高そうだな。っていうか普通に演奏されても良さそう。作曲者のもくろみ(わたしが勝手に想像だけど)は当たったみたい。

お終いは、土居さんの「3つの詩」。ここでちょっと残念だったのは、プログラムに歌詞の対訳がなかったこと。どんな内容を歌っているのか分からなかったので(一言要約はあったけど、歌曲の理解には不親切)ちょっと楽しめなかった。山下さんの歌はすごくいいし、音楽もとても力強く書かれているので、充実した音楽なのだけど残念。歌がちゃんと歌なのがいいですね。

大井さんと東京交響楽団の演奏は、新しい曲をきちんと演奏することに重きを置いていた感じです。ピアノ協奏曲みたいにソリストが弾けちゃってたのもあったけど(でもそれも良かった)、作曲された生の姿を色を付けないで聴かせるのは大事なことですものね。突っ込んだ解釈がない分物足りなくもあるけど、ヘンな演奏で作品をネガティヴに印象づけちゃうのはもっと悪いし。大井さん、にこやかでいい感じだな。今度はチャイコフスキーとか個性を出せるので聴いてみたいな。あっベートーヴェン・シリーズはニューフィルハーモニーオーケストラ千葉でやっているのでした。忘れないようにしなくちゃ。
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by zerbinetta | 2013-11-13 23:55 | 日本のオーケストラ | Comments(0)

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