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もっと主張を コンセール21管弦楽団第46回定期演奏会   

2014年1月25日 @大田区民ホール アプリコ大ホール

シューマン:交響曲第1番「春」
チャイコフスキー:交響曲第4番

玉置勝彦/コンセール21管弦楽団


コンセール21管弦楽団というのを聴いてきました。アマチュア・オーケストラっていろんな形態やコンセプトがあるので、なるべくそんないろんなのを聴いてみたいんです。ものを集めるのには興味のないわたしだけど、いろんなものを試してみたいというコンプリート癖がにょきにょきと頭を持ち上げて。で、今日のコンセール21管弦楽団は、ある指揮者の元に集まったオーケストラで、コンサートマスターにプロの方を押し頂いています(弦楽器のトレーナーも兼ねています)。都民交響楽団もコンサートマスターの方はヴァイオリンを仕事にしている方でしたが、ヴァイオリンの先生という立場、今日の西田史朗さんは、プロの演奏家としてステージに立っていらっしゃる方で、パンフレットにも顔出しで載っています。プロのコンサートマスターがアンサンブルをぐいぐいリードするタイプのオーケストラとみました。結構上手そう。

アプリコに来るのは2度目。今日は迷わないぞって思ってたのにしっかり迷子。ううむ。方向音痴過ぎ。でもなんとか開演前には着いて。

今日は、「初春のファンファーレ ー寿ぎと苦悩、そして歓喜へー」と題された音楽会。冒頭にファンファーレのある、シューマンとチャイコフスキーの交響曲。ファンファーレの性格は明と暗で違うんだけどね。
オーケストラはいろんな年代が混じってる感じ。オーボエ君が、大学院時代を一緒に過ごした友達みたいで、見るたびにちょっと可笑しくなってしまう。友達に似た人がいるといつもそうなのよね。
指揮者の玉置さんは、ステージを歩く姿からお体が悪いというのではなさそうだけど、お歳ゆえの体力的なものか、指揮台には椅子が用意されていて座っての指揮でした。
最初のホルンとトランペットのファンファーレ、始まりで緊張しているせいか、丁寧に吹きすぎてかえって不安定になってしまった感じ。もったいない。予想とは違って、このオーケストラ、ヘタではないのだけど、ものすごく上手いというわけでもないみたい。序奏の部分での弦楽器の弱音でのやりとりが、普通のアマチュア・オーケストラと同じくらいのレヴェル。プロのコンサートマスターが、強烈にオーケストラをリードしていくと思ってたら、そうではなくて、アンサンブルの中に混ざっていました。ちょっと期待しすぎていたのね。でも、元気な主部に入ると、楽しくなるようなうきうきする音楽を奏でて、良いなって思いました。
玉置さんの指揮は、最初にあっと思うアクセントの付け方が2、3カ所あったけど、奇をてらわないオーソドックスな音楽で、少しだけゆったり目のテンポでシューマンを聴かせてくれました。ともすればべっとりとして退屈になるシューマンの交響曲を最後まで飽きさずに聴かせてくれたことは、良かった点でしょう。ただ、管弦楽曲としての体裁に縛られて、シューマンの魅力とも言えるピアノを弾くような自由な感じが聴かれなかったのが残念です。

それから、何か、オーケストラの温度が低いの。みんなちゃんと弾けてると思うし、いい音だったんだけど、なんか、ちょっと生真面目すぎるというか、黙々と楽譜を見て弾いてる感じ。そのテンションが前の人と後ろの人で差があって、後ろの人はもっと楽しく弾けばいいのにって感じました。この指揮者が演奏者にどんなことを求めているのか分からないんだけど、もっと指揮者に向かって行くというか、自分の音楽を主張するみたいな積極性が欲しいって思えたの。最初から指揮者の枠にはまった感じで、自分で音楽を考える前に指揮者に合わせちゃうと言うか、オーケストラって個々の演奏者が自分たちの音楽を主張しながらそれを指揮者が調整して作るものだと思うけど、始めから枠に合わせちゃうのでこぢんまりしてしまったように見えました。まずは譜面を閉じて、周りを見ながらアンサンブルしてみようよ。

何だか、シューマンの1楽章を口ずさむうきうき感と物足りなさのない交ぜになったおかしな気分だったけど、チャイコフスキーの最初のホルンのファンファーレを聴いてしゃっきり。本物の音。オクターヴのバランスも絶妙。ヴァイオリンに冷ややかな強靱さがあればもっといいのになって思ったけど、どっしりと構えたとても良い演奏。玉置さんは音楽をあまりいじらないで、悠然と演奏していくんですね。チャイコフスキーでは、オーボエのトップが女の人に替わったんだけど、この人とってもアンサンブルをよく分かってる人で、他のパートのミスをさらりと引き取って、カヴァーするところなんてステキ♡
チャイコフスキーの音楽が「そして歓喜へ」になるのかは、分からないけど、どんちゃんと終わって(シンバル大変よね)気持ちがいい。演奏は、わたしは、シューマンよりチャイコフスキーの方が良かったと思うのだけど、結局音楽会が終わって耳を離れないのはシューマンの寿いだ音楽。頭の中をくるくる。

アンコールはチャイコフスキーの「白鳥の湖」から妖艶な「ハンガリーの踊り」。

by zerbinetta | 2014-01-25 00:00 | アマチュア

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