ひとまわりして還ってきた priem wind ensemble 第3回演奏会   

2014年2月16日 @大田区民ホール アプリコ大ホール

アダムス/オドム:「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」
池辺晋一郎:「樹々は主張する」ー吹奏楽のためにー
西村朗:秘儀lー管楽合奏のためのー
バッハ/ボイド:幻想曲とフーガ ト短調
木下牧子:序奏とアレグロ
ストラヴィンスキー/アールズ、フェネル:組曲「火の鳥」1919年版

隠岐徹/priem wind ensemble


太陽が1周してここに戻ってきた感じです。プリエム・ウィンド・アンサンブルの音楽会。全てはここから始まりました。これを聴いてアマチュアもいいなって思って、アマチュア・オーケストラの巡礼の旅が始まったのです(プリエムは吹奏楽ですが)。去年、「異国の鳥たち」や「海」がすごく良かったので、今年も音楽会があったら絶対聴こうと思っていました。今年も面白い意欲的なプログラム。いいですね〜。プログラムを見ると今日は、セミプロ(?)のエキストラの人も何人か入っていて(シンセサイザー(アダムスさんの曲)とかピアノ(前回メシアンのソロを弾いた近藤さん)とか吹奏楽の編成にない楽器も加わるし)、何だったらそのまま入団しちゃえばいいのに。実際、去年聴いたときより上手くなってるように感じました。
でも、残念なことに(雪の後遺症がまだあるのかな?)お客さん少なかった。もったいない。

アダムスさん(オドムさん編曲)の「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」はアダムスさんらしい作品。オリジナルのオーケストラの方を聴いたことがない(と思う)のだけど、アダムスさんの音が吹奏楽(+シンセサイザー2台)の音に上手く写し取られていました。アダムスさんらしい明るく明滅するリズミックなミニマル(と言っていいのかしら?)音楽です。同じような音型が永遠と繰り返されるので、数えるの大変だな、1度迷子になると元に戻れないぞ、なんて思いつつ、楽しませてもらいました。終わりの方に出てくるトランペットのファンファーレかっこいい。いい曲ですね。

池辺さんが札幌に仕事場を構えていることを初めて知りました。だから、札幌で行きつけだったおそば屋さんでお見かけしたんだ。雰囲気のいいおいしいおそば屋さんでした。「樹々は主張する」は、樹の根が絡まり合うように短い旋律が打楽器の日本の踊りのようなリズムの上に絡まり発展していくの。和風ショスタコーヴィチの雰囲気も少しあり。
続く、西村さんの「秘儀」は、鈴の音が雰囲気を出していて、古代のシャーマニズムの儀式的なものを表現してると思うのだけど、前半の細かい音で盛り上がってくるところから、長い音で蠱惑的な響きがあって、巫女の踊りみたいな舞踏曲にシームレスにつながっていくさまが面白い。このふたつの曲、相当難しそうだけど、今日の演奏は、それぞれの曲の魅力が伝わるのに十分な演奏でした。だって、曲、好きになれたもん。会場には、西村さんがおいでになってて、紹介されました。

前半の最後は、バッハのオルガンのための「幻想曲とフーガ」ト短調。バッハのオルガン曲の吹奏楽版は盤石ですね。だってオルガンって基本管楽器だから、音色の相性がいいもの。音の出し入れの仕方が、弦楽器ではない管楽器特有の感じがオルガンに近いし、よりカラフルになっていました。音色の統一感や音のバランスが良くて、バッハのオルガン曲の魅力を別の面から聴くことができました。
正直今日は、後半よりも前半の方が良かったです。

休憩のあとは、木下さんの「序奏とアレグロ」。吹奏楽のコンクールの課題曲になった曲だそうです。分かりやすい曲なのかなと思ったら意外とそうでもなかった。というか、中学や高校も参加する(だよね?)コンクールの課題曲なのに、媚びずに妥協なしに書かれているのがすごい。演奏も良かったです。難しそうな曲だけど安心して聴けますね。

最後は、「火の鳥」の組曲。前回のドビュッシーの「海」の吹奏楽版で、あんな繊細なオーケストラ曲が見事に吹奏楽に移ってる!ってびっくりしたので期待したんだけど、わたしにはちょっと編曲に疑問符が。意外なことに、ドビュッシーよりもストラヴィンスキーの方が吹奏楽に合わない?(反対だと思ってた)
なんか、パート感の音の関連性が薄く感じられたんですよね。糊がなくて部品がばらばらになってるみたいな。オーケストラだと弦楽器のパートが、管楽器ゆえに高音や弱音のコントロールを失ってるように聞こえるところもあったし。ストラヴィンスキーのオーケストレイションって、音どおしを強くつなげないように(流さないように)書かれているのかしら?そんな感じだから、奏者がちょっとおどおどしているようにも聞こえました。「火の鳥の踊り」の、オーケストラだと弦楽器のピチカートの音の部分が落ちてしまったのも残念(編曲にはなかったのかもしれませんが)。この不安定な感じは、吹奏楽向きだと思われる「カスチェイの踊り」になっても変わらず、あれよあれよのうちに曲が終わってしまった感じです。もっと良い編曲ないのかな。

アンコールには、ドビュッシーのピアノ曲から。ごめんなさい。「亜麻色の髪の乙女」だったか「月の光」だったか忘れてしまいました。ピアノのとは全く別物だけど、こちらの方が、「火の鳥」より吹奏楽に馴染んでると思いました。

今日は、お客さん少なかったけど、わたしは満足の音楽会でした。わたし好みの攻めのプログラムだし、来年、第4回の演奏会があったらまた聴きに行きます。わたしには原点のような大切な音楽会だから。
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by zerbinetta | 2014-02-16 00:45 | 吹奏楽 | Comments(0)

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