心地よい運動的に 都民交響楽団第117回定期演奏会   

2014年3月2日 @すみだトリフォニーホール

ワーグナー:「パルジファル」より第1幕への前奏曲、聖杯の騎士の行進、聖金曜日の音楽
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

末廣誠/都民交響楽団


都民交響楽団が好きです。高い志を持ってしっかりと練習してくるところがいいし、だから、ひとりひとりがちゃんと音楽を知っていてまとまってると思うんですね。もちろんいろんな考え方があるんだけど、短い練習期間でまとめるのはー〇〇専門オケみたいに同好の士が集まってる場合は別にしてー技術的には弾けるようになるんだけど、個々、音楽を理解できていないまま(頭では理解できていても弾き慣れていないのでニュアンスまで表現し切れていない)弾いているみたいなことが(プロでさえも)よくあるので、わたしは練習重視派。普段の練習から楽しいと思うし。都民交響楽団は、そんな練習の延長で本番に望む感じ(と言っても練習のままという訳ではなく本番でしかない一期一会の音の生まれる瞬間がある)なので安心して音楽を聴くことができる。もっと上手いアマチュアのオーケストラもあるけど、なぜかわたしは都民響さんのファン。(と言いつついろんなオーケストラがそれぞれ好きなんですけどね〜)

今日は、「パルジファル」からの音楽とブルックナー。「パルジファル」は長くてつまらないので(ワグネリアンの方ごめんなさい。ワーグナー分からないんです)、わたしには抜粋がちょうど良い。物語はアレだけど音楽は良いからね〜。ワーグナーにしては薄いオーケストレイションで、ドビュッシーさえも彷彿させるような前奏曲。遅めのテンポで、緊張感を維持しつつ、神聖な雰囲気を見事に出していて、プロでもなかなかないようなステキな演奏。弱音も思いの外、繊細できれいだし音楽の奥行きの深さが感じられる。前奏曲のあとは「聖杯の騎士の行進」「聖金曜日の音楽」と続けたのだけど、これってアバドさんの録音と同じ感じ(アバドさんの方にはもう少し音楽が加わっていましたけど)。「行進」は、もう少し迫力が欲しかったけど、「聖金曜日の音楽」の波打つような高揚感は見事でした。

ブルックナーもとても素晴らしかった。このレヴェルの演奏だとアマチュアでも指揮者の音楽を語れる。末廣さんのブルックナー、律動するビート感がとても心地良いんです。この交響曲第4番って演奏によっては退屈になるんだけど、今日の演奏では、音楽が心臓の鼓動に同調して血液が体を巡るように音楽が体中を巡って気持ちがいいの。ビートといっても’運動的に’と書かれた第1楽章も第4楽章も速い演奏ではないんです。ゆっくりとした歩みの中に、アレグロ的な爽快感があってどくんどくんしながら流れるんですね。これは歩くような第2楽章も同じ。拍があるから音楽が停滞しないで一歩一歩歩いていけるんですね。この、ビートを持ったブルックナーがとても強い印象に残っていて、わたしの中で今のところ1番のハイティンクさんとロンドン・シンフォニーの演奏とともに、これは消しがたい記憶となるでしょう。
末廣さんの指揮も、彼のブルックナーを示しながら、オーケストラに自発的に演奏させている風があって、オーケストラとの関係が上手くいってるんだなと思わせるものでした。オーケストラもひとりひとり、今演奏している音楽が分かっていて、みんなが同じ音楽を弾いていました。本当に気持ちが良い。
アマチュアなので、どうしてもプロにかなわないところもありました。でも、ホルンのトップはめちゃ上手いし、金管楽器のまとまりも良かったです。音楽的に充実していたし、ブラヴォオオ。次の音楽会も楽しみだわ〜。
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by zerbinetta | 2014-03-02 23:53 | アマチュア | Comments(0)

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