テキーラっ 東京楽友協会交響楽団第96回定期演奏会   

2014年3月16日 @すみだトリフォニーホール

ガーシュイン:キューバ序曲
ヒナステラ:組曲「エスタンシア」
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第4番
レブエルタス:組曲「マヤ族の夜」

田部井剛/東京楽友協会交響楽団


ぽかぽかとしたお天気の春らしい陽気の日には南米に行きたい!とどういう脈絡か思っちゃったんだけど、ちょうど良かった!東京楽友協会交響楽団が中南米プログラム。中南米巡りの旅に錦糸町へ行きました。いぇい。

オーケストラの人たちがほぼステージに揃ったころに、派手なウィルピルを纏ってソンブレロを被った方が出てきて指揮台に楽譜を置いて皆楽しげに拍手。メキシカーーーン。

始めはガーシュインの「キューバ序曲」。アメリカンなキューバ。キューバといえばモヒートが有名だけど、もう少し甘いキューバ・リブレな感じ。楽友協会交響楽団は、ちょっと手こずっていた雰囲気が感じられました。ベートーヴェンとかブラームスとかマーラーとか弾くのは、上手そうなんだけど、ちゃんと弾けてるんだけど、微妙にリズムがもったりしてる感じで。楽譜どおり生真面目に弾いても雰囲気が出ない(モーツァルトみたい!)のか、音を聴いてアンサンブルしてるので出が少しずつ遅れるのかも知れない。もう少し弦楽器の人数を刈り込んで精度を上げた方がいいのかな。こういうのUSのオーケストラがやると、我らが音楽という感じでほんとノリノリで上手いんです。お客さんも我が意を得たりな感じで会場の雰囲気がもう嬉しいくらい雰囲気が出てくるの。今日はちょっと弾き慣れていない感じがしました。楽しい音楽なのでみんなもっと楽しそうに弾けばいいのにちょっと真面目かな。笑いながら弾いてる方も少しいらっしゃったけどそうでなきゃ。だって、音楽が終わったらみんな楽しそうな笑顔なんですよ。弾いてるときから見たいですよね、笑顔。

「エスタンシア」は大好きな曲。聴くの3回目くらいかな。無条件に聴けて嬉しい。こちらの方がリズム的にはクラシック音楽と近いのかな。とても良かった。がしがしと弾くのも気持ちいいし。ただ2楽章が少し重かったかなぁ。特異な(不協)和音が使われていて、その扱いに戸惑ってたように感じました。規則にない変な音が出てくるので、和音のバランスを上手くとれていないみたい。それで重く聞こえたし、自信がなさそうで間違ってるようにも聞こえてしまった。あと金管楽器の速い音符がちょっと口が回らない風でした。と、批判しているように見せかけて、楽しかった〜。やっぱりこの曲大好き。最後の大団円は、エキサイティング!

休憩のあとは、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」第4番。初めて聴きます。ヴィラ=ロボスってなんかわたしには不思議な作曲家で、玉石混淆というか良い曲と悪い曲がはっきりとして混じってる感じがして、良い曲はとってもいいんだけどしょうもない曲もたくさん。この「ブラジル風バッハ」も最初のふたつの楽章は良かったんだけど、後半はわたし的には退屈な曲認定でした。でも演奏が悪かったのではないのですよ。始まりの弦楽合奏のラメントは、弦楽器の、特にチェロの音色が豊かでとっても良かったもの。ぐっと来た。それにしてもラテン・アメリカの哀しみって、何だか諦めが入ってるように感じる。それは南米に行ったときにも感じた悲しさ。悲しみをどこにもぶつけられず静かに自分の中にしまい込む感じ。その代わり、明るいときは底抜けに明るい。音楽も同じ。
第2楽章の執拗に繰り返される弔鐘も意味ありげだったけど、それらが3、4楽章で解決されないような気がするのはわたしだけ?

最後は、「マヤ族の夜」。夜というので、死の哲学的なメタファーとか暗い音楽と思ったらさにあらず、どんちゃん騒ぎ。テキーラ飲み回して酔っ払っちゃったみたいな。でもオーケストラは酔っ払ってなんていなくて、びしびしと決めてきました。ハラナの細かい音符の躍動感あったし上手い上手い。基本的にひっちゃかめっちゃかの音楽(のくせにきっちり書かれてるフシあり)で、終曲の異様な盛り上がり(10人以上の打楽器と法螺貝!さらにホエザルの声なんかがテープで入るとなお良いw)が凄いんだから、オーケストラもお客さんもあまりまじめくさってなくてここはもっと盛り上がっちゃえばいいのに(あっ、オーケストラに人たちは音楽的には盛り上がっていましたよ〜)。
今日の曲目と似てる音楽会を前に聴いたことがあって、そのとき、「エスタンシア」と「マヤ族の夜」を聴いたんですけど、やっぱり思い出してしまいましたね〜。クリビー(クリスチャン・ヤルヴィさん)とロンドン・シンフォニーの音楽会。クリビーがノリノリで踊りまくり。はっちゃけたプロって凄いです。はっちゃけたアマチュアも観てみたいですね〜。熱い思いを秘めないで発散しろよ〜って。指揮者の田部井さんは結構発散してましたよ。

数回の拍手のあと、田部井さんがちょっと待っててって仕草をして、ステージ袖に引っ込んだら、ソンブレロとウィルピルで出てこられて、アンコール。わたしは心の中であれがいいーーーって叫んだんだけど、あれって言うのは、クリビーがやったマヤ族の打楽器のアドリブの上に「エスタンシア」の終曲の最後。これむちゃくちゃ盛り上がる。ということはさすがになくて(残念)、エベンシオ・カステジャーノスというベネズエラの作曲家の交響詩「パカイグリアの聖なる十字架」という曲(後半部分)が奏されました。この曲も楽しい。ソンブレロは指揮にはちょっと邪魔そうでしたけど。

キューバ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラと巡った音楽の旅。楽しかったぁ。いいですね、こんな楽しい音楽会。なんかいろいろ書いたけど全部野暮です。素直に楽しんじゃったもの勝ち。わたしもいろんなことは置いといてしっかり楽しんでいたことを告白します。テキーラ飲みたくなっちゃった。オーケストラの皆さんもきっと打ち上げでは楽しいお酒を飲んでいることでしょう。音楽会の夜は長く続く。だってそこまでが音楽会なんですから。
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by zerbinetta | 2014-03-16 23:50 | アマチュア | Comments(0)

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