シャツ、オーダーメイド? ブロカートフィルハーモニー管弦楽団第32回定期演奏会   

2014年3月30日 @すみだトリフォニーホール

シューマン:「マンフレッド」序曲
アッペルモント:トロンボーンのための「カラーズ」
ブラームス:交響曲第1番

吉川武典(トロンボーン)
桑田歩/ブロカートフィルハーモニー管弦楽団


トロンボーンのための協奏曲(のオーケストラ版)が初演されるというので嬉々として行ってきました。初演好き。
ブロカートは錦っていう意味だそうです。東京電機大学のOBのオーケストラとしてできたオーケストラです(今は電機大学以外の参加もありそうです)。ステージに乗ってる人たちは、電気関係の人たちなんだなぁと思うとちょっとびびるわたし。子供の頃、コンセントで遊んでて感電して以来、電気苦手w

オーケストラは、お年を召した方もいるけど若い20代中心っていう感じかな。アマチュア・オーケストラには(というよりプロを含めてオーケストラには)珍しい、ヴァイオリンを指揮者の左右に振り分ける対向配置でした。
このオーケストラは、ずうっと今日トロンボーンのソロを吹くN響の吉川さんが指揮をして指導してきたということだけど、今日はソリストになる彼の代わりに桑田さんが指揮でした。桑田さんは弦楽器畑の人(N響のチェロ奏者です)。なので、弦楽器がいい音出すかな〜と思ったんですけど。

始まりの「マンフレッド」序曲は、ううむ、弦楽器の人、わりとちゃんと弾いてると思うのだけど(フレーズの終わりが速い音符で小さな音のところに難あり)、何か音が違う。音が出ていないように聞こえて、響きがないんですかね。弦を擦った音で楽器の音ではない感じ。なのに不思議なことに、この曲、聴いたことがあるのかないのかさえ分からない曲なんですけど、とても良い曲だと思えたのです。演奏は、曲の魅力をちゃんと伝えてる。どういう訳か、不思議な手品みたいなんだけど、桑田さんは、音楽のステキなところをすごく上手に聴き手に分かるように演奏できるのですね。作曲者と演奏者と聴き手に共感の輪が作られるように。

2曲目の「カラーズ」は、もともと吹奏楽とトロンボーンのソロのために書かれた曲。今日はそのオーケストラ版の初演です。とても聴きやすい、分かりやすい音楽。吹奏楽って、教育音楽の側面が強くて(日本でも中学高校の吹奏楽は盛んだけど(オーケストラ部はあまりない)、プロや社会人のアマチュアの吹奏楽団ってオーケストラに比べて圧倒的に少ないでしょ)、そんなこともあって若い(年齢的にだけでなく、音楽歴の浅いという意味でも)人に受け入れられやすい音楽が多く書かれる傾向にあるけれども、この曲も高校生が演奏したくなるような音楽。でもそれがいいんですよ。トロンボーンのソロ奏者を用意できなくて地団駄を踏んでる吹奏楽部員も多いことでしょう。かっこいい!弦楽器が入ってるのに吹奏楽っぽい音作りの感じもして、わたしは素直に気に入りました。大好き!
トロンボーンの吉川さんは、黒のシャツの、袖口や襟、ボタンのラインに緑や赤、青、黄色の色がヴィヴィッドに入ったのを着てオーダーメイドかな。と思ったら、これ、曲にまつわる色なんですね。それぞれの楽章にそれぞれの色のタイトルが付いていて。実はトロンボーン協奏曲というのは知っていたけど、曲のタイトルはあとで知ったので、シャツお洒落〜としか思ってなかったうっかり者です。トロンボーンのソロのパートは難しいのだろうけど、伝統的なトロンボーンの奏法を生かした、歌うパートで、吹いててきっと気持ちがいいだろうなって思えました。吉川さんは、ウルトラ・スーパー・テクニシャンではないけれども(今まで何人かの超絶スーパートロンボーン吹きを聴いてきたので点数が辛い)、この曲をよく知っててよく歌って吹いていました。良い演奏でしたよ。素直に感動。初演に釣られて聴きに来て良かった〜。ステキな音楽に出会えたのですから。吹奏楽のオリジナルの方も聴いてみなくっちゃね。

休憩のあとのブラームスの交響曲。最初の「マンフレッド」での弦楽器の印象からかぶりつきで聴くより少し後ろに下がった方がと思ったので、席を移動して聴きました。ところがどっこい、心配していた弦楽器の響きが良くなった感じがしてブラームスの音楽が生き生きと聞こえてくる。ブラームスのこの音楽、名曲だし、いろんなステキな演奏を聴いてきたけれども、改めていい曲だなって思えたところがすごい。最初のシューマンを聴いて、桑田さんは、決して変わったことをしたり(ドキリとするようなときめく部分はブラームスには何カ所かありました)、自己主張の激しい演奏じゃないけれども、オーケストラもめちゃくちゃ上手なアマチュアのオーケストラもある中でトップクラスとは言えないけれど、音楽を本当に良い曲だと思わせてくれる演奏は、不思議だし、素晴らしいのです。ティンパニが攻めてくるのもわたし好みw

アンコールは、ブラームスの「ハンガリアン舞曲」からで締めました。このコンビの演奏は、今日だけなのかしら。吉川さんが指揮する演奏も聴いてみたいけど、桑田さんとの関係もずっと続けていって欲しいな。
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by zerbinetta | 2014-03-30 11:18 | アマチュア | Comments(0)

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