気が合うのっていいね 一橋大学管弦楽団サマーコンサート   

2014年7月12日 @すみだトリフォニーホール

ボロディン:「イーゴリ公」より「ダッタン人の踊り」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
フランク:交響曲

三浦友理枝(ピアノ)
木村康人/一橋大学管弦楽団


すごく良かった!
お昼の音楽会のあと、ふらりともうひとつ音楽会に行ってみたのです。学生オーケストラがもっと聴いてみたかったのと、フランクの交響曲を聴いてみたかったから。フランクの交響曲って有名だし、好きな曲なのになぜか縁がなくて、まだ1回しか聴いたことがないんですよね。どうしてでしょう、いい曲なのに。

一橋大学は、行ったことがありません。なんちゃって理系のわたしには、縁がないというか、あっでも、高校の友達が行ったっけ、って随分昔の話。どんな演奏をするのでしょう。
「ダッタン人の踊り」を聴いて、おや、このオーケストラなかなかやるなって好印象をいだきました。学生って、わりと時間を自由に使えるから、クラブ活動にどっぷり浸かれる。朝昼晩、オーケストラのことを考えてもいいし、情熱を燃やすことができる貴重な時間ですよね。練習もみっちりするから、初心者の人もいるかもしれないけど、概して良い音楽をするのは大学オケだと思った。アマチュア・オーケストラを聴くならまず学生オーケストラを聴け。な〜んてね。

2曲目は三浦さんを迎えてのラフマニノフの有名な協奏曲。三浦さんのことチラリと美人ピアニストと宣伝されてたのを見たけど、そんな宣伝しなくていいよね。わたしも三浦さんのこと別の人と勘違いしていたんだけど。でも、確かにかわいらしい人だわ〜。
ピアノのアルペジオで静かに始まった音楽。緊張がホールを包みます。アマチュア・オーケストラの薄い響き(弦楽器に濃度の高い重い響きを求めるのはアマチュアにはさすがに難しいと思う)は暗い情念からは少し離れた位置にあるけど、三浦さんの音も柔らかく羽のような響きなので、かえってお互いの音楽の方向は一致していたと思う。三浦さんの手首ってなんて柔らかくしなやかなんでしょう。がんがんと弾きまくることなく、とても丁寧に音楽を紡いでいく。彼女は自分の特質をきちんと理解して彼女の音楽、彼女でなければいけない音楽をきちんと表現してる。それが、とてもステキにラフマニノフの叙情的な音楽に光を当てて、でも決して情に流されることなく音楽を理知的に組み立てていく様がとっても良かった。すごくいい音楽だと思った。なんかとっても気が合うというかツボ。あとで分かったんだけど、彼女がこの協奏曲を通して弾くのは今回が初めてだそう。でも、そんなことを感じさせない充実した音楽でした。美人売りは好きではないので、聴く前は敬遠してたけど、彼女はとても良い音楽家だなと思いました。これからも聴いていきたい人がまたひとり増えました。できたら、ソロ・リサイタルか室内楽で聴いてみたいです。きっと、大きなオーケストラと対峙するより、もっと彼女の良さが出ると思うから。

休憩後のフランクの交響曲もすごく良い演奏でした。粘りが。納豆をものすごくよくかき混ぜたときの糸を引く粘り。それがおいしさなのよね。指揮者の木村さん、学生オーケストラからこんな粘るような表現を引き出すなんてただ者ではない?よっぽど学生たちをこねくり回したのでしょう。あっそれは納豆。しっかり学生たちを鍛えたんでしょうね。基本的にはゆっくりしたところ、特に循環される最初のテーマを粘って、メリハリを付ける音楽を分かりやすく捉える解釈だけど、ひとつひとつの表現がストンと心に落ちるんです。気が合うというか。第2楽章は、反対にさくさくと進めて、過剰にロマンティックにならないように配慮して、構成の緊密さを感じさせる感じ。学生たちも、そんな指揮者の音楽に一所懸命についていって、終わってみれば、ふううと唸る充実した演奏でした。オーケストラに弾ききったという充実感が感じられると、こちらも爽快ですね。


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一橋大学管弦楽団の次の音楽会は、第62回演奏会が12月5日、東京芸術劇場です。
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by zerbinetta | 2014-07-12 23:23 | アマチュア | Comments(0)

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